お食事処 山田ん家

f:id:freelifetakaharu:20180817095107j:plain

緑追い茂る景色、お庭にはハンモックのゆらぐ樹と小さな菜園。
心がホッとするような、のどかな場所にあるお食事処「山田ん家」
後川内地区で、自宅兼お店として開業されてもうすぐ2年目だそうです。
銅窯で焼いたピザやパスタなどの美味しいお料理がゆったりといただけます。
 

f:id:freelifetakaharu:20180817095220j:plain

 
オーナーの山田 真一郎さんは、お店のことを全てお一人でこなされています。
ひとけのない場所で、ひとりでお店を切り盛り。街中では得られにくいような
素敵な環境の場所ですが、そこは覚悟を決めて!というところでしょうか。
お話を伺うと、最初はやはり「お客さん来てくれるかな?」という不安もあったそう。
 
けれど小林や宮崎市内など、結構遠方からでも来てくれるお客さんがいる。
それがとてもありがたいですね…と、しみじみ語られます。
 学生時代は剣道に励んでいたという山田さんの作るお料理は、とても丁寧に作られているのを感じます。一皿、一皿に込められた気持ちが、そのまま口を通して心に染み入り、何ともありがたいような美味しさに満たされます。
 
f:id:freelifetakaharu:20180817095431j:plain
高原で家探しをしていた際にここを案内され、その日の内に決めたというお店兼ご自宅。
ほとんど改装していないという室内は、お庭も望める居心地の良い空間です。
 
―料理に興味を持ちだしたキッカケを教えてください。
 
山田さん:今思えば、つくることが好きなのかなと思うんです。
前職もモノづくりに関わる仕事だったし、お店の外の看板なども人に頼めば早いんでしょうけど、自分で作ったりして。以前鹿児島で働いていた飲食店には、ピザ窯がありました。お店に入りたての頃、意外とすぐ窯の仕事をすることになって色々と覚えることが出来たし、今後は薪窯を作ってのピザ作りとか…。そういうことをやるのも面白いかなと思っています。
 

f:id:freelifetakaharu:20180817095705j:plain

f:id:freelifetakaharu:20180817095717j:plain

お店で出すナポリ風ピザは生地から手作り!ささっと手際よく具を乗せ、銅窯へ…

f:id:freelifetakaharu:20180821084416j:plain

火加減を調整して、あつあつのピザがあっという間に完成~!
 
 ―お店のピザも美味しいですね、丁寧に作られているのがよく分かります。
いい意味でのギャップもいいなと(笑) 男っぽい感じで繊細な仕事をされる。
お料理することに対して、大切にしていることはありますか?
 
山田さん:やっぱり喜んでもらえるのが嬉しいので…。出来る範囲で、雑にならないようにということです。そういうのって伝わってしまうと思うので。
実際一人でやっているので、仕切りの向こう側(厨房)ではテンヤワンヤやってるんですよ。そんな流れで、わぁーっ!と持っていくのも…(笑) ね。
なので一旦(仕切りの前で)止まって一呼吸し、その流れのまま料理を運んでいかないようにはしています。
 
―運んでこられる雰囲気からは全く想像がつかないです、落ち着いて丁寧に運ばれてますもんね。
 
山田さん:止まって…何事もなかったかのように(笑)
伝わってしまうものはどうしてもあると思うんですけど、運ぶ人と作る人とそれぞれいる訳ではないですから…。
 
―そうですね。けど作っている人が運んでくれることに温かみというか、心がこもるものもあるのかなぁと思います。
そして去年、高原へ移られてきたということですが…ここでの暮らしはどうですか?
 
山田さん:そうですね。やっぱり、いい所ですよ(笑)
高原の人達は熱いというか…周りに広めてくれたり、良くしてくれる感じがすごいなあと思っています。近所の人達も、来てくれて良かったと言ってくれるし、地区の集まりでお店を利用してくれたり。本当にありがたいですね。お店もずっと続けられたらいいでしょうけれど、今を大事にしていきながら、変えていかなきゃいけないことは、変えていきたいと思っています。
 

f:id:freelifetakaharu:20180821085946j:plain f:id:freelifetakaharu:20180821085957j:plain

丁寧に盛られた前菜と、色鮮やかなデザート!こちらはランチコースの品々。

 

f:id:freelifetakaharu:20180821090731j:plain

庭先にある自家採れ野菜もお料理に彩りを添えます。

 

f:id:freelifetakaharu:20180821090911j:plain

山田さん、ありがとうございました!

「一人でやっているので、中々お客さんと会話も出来ないんです…」
とひとりであるが故の申し訳なさがお話の節々に見え隠れしていましたが、、
それは仕方のないこと。
それ以上にここで食事を頂くことで心満たされているお客さんは少なくないはずです。それはきっとお料理に込められた想いを、ちゃんとお客さん達が受け取っているということなのでしょう。そして今、ひそかにお菓子作りに力をいれてらっしゃるそう。そのうちお持ち帰りできるデザートも現れる…かも?!
これからもどうぞ、山田さんらしいやり方で笑顔を広げていってくださいね。
 

f:id:freelifetakaharu:20180821091323j:plain

お客様が帰られた後の片づけ中、卓上に置かれていたというメッセージ。
「こういうちょっとした気持ちが嬉しくて、また頑張れるんです」(山田)
 
 

f:id:freelifetakaharu:20180821091444j:plain

 

一番好きな食べ物は?の質問に「まんまかと思われそうなんですけど…おにぎりなんです🍙
と恥ずかしげに笑顔で答える山田さん。うーん…ずるいっ!()
いや、でもそうですよねー。やっぱり塩にぎりですかね~本当。
 
 
 
 
 
 

天然酵母 田舎のパン屋

広原地区の住宅地にひっそりとたたずむ「天然酵母 田舎のパン屋」
大阪から移住されてきた松﨑さんご夫婦が営まれています。出来る限り地元産の素材にこだわって、天然酵母を使いじっくりと時間をかけて作られているので、噛むほどに味わいの広がる素朴なパン。その優しい味にほっこりします。
元々エンジニアだったというご主人の松﨑さん。どうしてここでパン屋さんを始めることになったのでしょう…?

f:id:freelifetakaharu:20180817091327j:plain

 
―パン屋さんを始めたきっかけを教えていただけますか?
 
松﨑さん:元々大阪で生まれ育ち、NTTのシステムエンジニアだったんですが、両親が高原に住んでいました。当時50歳を目前にして仕事にケリをつけ、夫婦でこっちへ来て家を建てたのが13年前です。当時はパン屋をしようなんて思っていなくて、夫婦共に当時流行っていた介護職につこうと思っていましたが、思ったように仕事もなくて。その時に、いずれ趣味程度にできたらいいと思って習っていた天然酵母のパンを仕事として始めたのがきっかけですね。前準備していた訳ではなく、流れの中で“じゃあやろうか”という感じです。
 
―移住してきての、自然な流れで…という感じなんですね。
 
松﨑さん:そうですね。ちょうど(天然酵母)ブームだったんで、最初の一年はほっといてもお客さんが来る状態で、ウケは良かったです。
まぁそれも落ち着いてきて2~3年した頃に地元の小麦を使うようになり、どうせなら地元の素材も…ということで、今の形になりました。何しろ最初はハード系のパンのみで絞ってやっていましたが、“カタい”と言う声も多くてお客さんが付かなくてね。徐々に食べやすいようなパンも増やしていきました。
 

f:id:freelifetakaharu:20180817091546j:plain f:id:freelifetakaharu:20180817091555j:plain

パウンドケーキを焼く作業。せっせと手際よくこなす奥様。

※パンを作り始めて13年目。毎日夜中の2時に起きて、分割・成型して、早朝67時に焼きあがる…というサイクル。施設の朝食用に卸すパンは朝早く持っていくので夜中の12時過ぎに起きて作業するそうです。
 
―パン作りで大切にしていることはありますか?
 
松﨑さん:最初から“地元のものを使って素朴なものを作りたい”という路線だけは崩していません。それはずっと続けていくと思います。パンを作っていって面白いのは毎日の出来が変わってくること。そういう所が難しいような、楽しいような…そんな感じです。
 

f:id:freelifetakaharu:20180817091940j:plain

7時過ぎから出来立てほやほやパンが並びます。品数が限られているのでお早めに~

 

f:id:freelifetakaharu:20180817092105j:plain

手前が地元のお茶屋さんの茶葉を使った「茶茶メロンパン」奥が有機レーズンいっぱいの「ありがとうパン」美味しそうでしょ^^ネーミングにもほんのり愛を感じます。
 
―高原について思うことなどあれば聞かせて下さい。
 
松﨑さん:町としてこう…小さいじゃないですか。
なので色々つながりは持てるんじゃないかと。
僕が地元の小麦を使うだとかは、多分高原だからこそ出来たわけであるんです。
皆さんが色んな声を掛けてくれる中、お互いにつながりが出来ることで、
素材の工夫にしても、色んな可能性が広がってきました。
枝がどんどん広がるように…。
 
―松崎さんご自身、こっちで暮らし始めてから “つながり” が大きなポイントなんですね。
 
松﨑さん:そうですね。一人で(パン屋の経営)全部はしんどいですよ。
人脈を持つことでいいものが安く買えたりが可能になるので、そこが都会とは違う点ですよね。都会だと自力で頑張らないと中々道が開けないけれど、こちらだとお互いが助け合い、持ちつ持たれつという感じがあって。そこをうまく生かしてやればいいと思うんです。小さい町で一人で(お店を)やろうとすると、難しいと思います。人も少ないですから。動いていかないと、待っているだけでは都会みたいに人はバンバン来ないので。
自分の場合、大きな目標を掲げてここに来たわけではありません。
ここに来てから物事が徐々にひろがっていったんです。
 
―移住を考えている方々など…ブログ読者にメッセージなどあれば聞かせて下さい。
 
松﨑さん:(しばし考え込んで)じゃひとつ…。
うちのパン屋を始める時、迷ったのは迷ったんですよね。
移住しようか、だとかでも迷いますよね。何をやろうか…とかいくらでも。
けど、それってやってみないと分からないんですよね、いくら考えていても。
こういう所に来るという事自体、何らかの“想い”があって来るわけで、
そこを一歩踏み込んでやってみるというのが一つの手かなとは思います。
やってみたらどうにかなるな、ていう。心配したら何も出来ないんでね。
“思い切ってやればどうにか道は開けるんだ”
ていうのが伝えたいことではありますね。
 
思っているだけでは結局後ろに引っ込んでしまう。
出来る限り自分でトライしてみる、ていうのをやってみたら人生楽しいかなと。
 
想いのある人はいっぱいいるんです、ただ、あと一歩が中々出来ない。
それはみんなそう、我々もそうなんです。ただ意外とそれをやってみたら…
出来るんですよ、大概のことはそこだと思います。
僕なんか元々そんなに高い意識持ってなくてもやれたんですから。
せっかく志を持っている人は是非、トライしてみてほしい。
 

f:id:freelifetakaharu:20180817092655j:plain

松﨑さん、ありがとうございました。

一見物静かな印象の松﨑さんでしたが、思い切ってやればどうにか道は開ける、
是非トライしてみてほしい…!と熱い思いを語って下さいました。
そうですよね~。私も○○しようかなー、けど○○だしなー。なんて考えて自然消滅
したこと、いーっぱいあります。だからこそ意識するのは、考えるよりまず行動ということ。そこでグッと何かをつかんで、道を開いて進んで行くと…その先には楽しくて充実した日々、考えもしなかったような素敵なことが広がっていくかもしれませんね。
 

f:id:freelifetakaharu:20180817092930j:plain

 

 

 

 

「百聞は一見に如かず」 視線入力体験会

先日、みやびproject 岡元 雅(まさし)さんによる「百聞は一見にしかず」~視線入力の世界~というイベントが行われました。
 
視線入力…と聞いて、何をイメージしますか?
視線入力とは、パソコン画面に表示されている文字を目で見ることにより、その文字の入力ができるシステムのこと。主に重度肢体不自由者のコミュニケーション支援装置として開発されてきたそうです。
 
声がでない、身体・手足が動かない。
けれど頭は働き、目が見えたとしたら…。
実際に身体の不自由な方や、難病を患っていらっしゃる方、突然の事故などで重篤な状態の方など…。意思疎通が難しい状態で困っている方々の、救いの光になるような、生きる希望になる手段だと思います。
 
高原町広原地区で暮らす岡元さんは、徐々に筋肉が衰えていく難病、筋ジストロフィーと診断を受けながらも、九州東海大学でコンピューターの基礎を学ばれて、卒業後は高原町に帰郷。現在は、自身が重度障がい者であることを活かして色々な事に挑戦されています。
情報発信する個人プロジェクト「みやびproject」も開始し、ご本人も普段から活用中である「視線入力」をより沢山の人に知ってほしいとイベントを企画されています。
今回は音楽の演奏会の後に、視線入力を使ってのゲーム体験会…という流れで、会場にはたくさんの人達が集まっていました。そのイベントの様子をお伝えします。
 

f:id:freelifetakaharu:20180808085158j:plain f:id:freelifetakaharu:20180808085140j:plain

 《以下、雅さん》

 みなさんこんにちは!
今日はお集りいただきありがとうございます。
ぜひ楽しんでいってもらえたら!と思っています。
視線入力体験会ということで…その前にちょっとだけお話を。
皆さん、今はケガとか病気とか関係なくても、もしかしたら将来なるかもしれないし必ず歳は取るので、ゆくゆくはドコソコに不具合が出てくると思います。
その時にちょっと思い出してくれたら…。あぁ、こういうのがあったなって。
役に立てばいいなと思い、今日は身体の不自由な先輩として
皆さんにプレゼントの意味を込めてつくってみました。よろしくお願いします。
 

f:id:freelifetakaharu:20180808085858j:plain

 まず、この絵を見てみて下さい。とても綺麗ですよね。
この絵はALSという病気の方(※榊 浩行さん)身体が動かなくて呼吸器を付けていて
声も出ないという状況なんですけど、その方が視線入力だけで描いた絵なんです。
(会場どよめき)
Facebook上でこの絵を紹介させてくださいとお願いしたら、いいですよと快諾してくれました。こういうやり取りも視線入力があるからできるということです。
視線入力によって、こういう絵も描けるということを分かってもらえればと思って。
 

f:id:freelifetakaharu:20180808090029j:plain

 視線入力というのは、目でみて、パソコンなどを操作するということです。
先日亡くなられた「車椅子の物理学者」としても知られるホーキング博士ALSという難病でありながら視線入力などのテクノロジーを駆使して、世界で活躍されました。難病と言われても絵が得意な人が、普通に腕が動く一般の人よりうまく描くことができます。視線入力には色んな可能性を感じてもらえると思います。
そんな視線入力装置、使ってみたいと思いませんか?
 
でもそれってお高いんじゃないの、と思うでしょう?
確かに昔は一式そろえるのに100万超えていて、ごく一部の人のものでしたが、
…今はなんとAmazonなんかで2万弱です!() 
こういう装置とパソコンさえあれば、簡単な操作はできるようになっています。
ただいきなり重度の障がいで困っている方に、それを設置してやったとしても難しいんですね。必ず失敗してしまう。
なのでちゃんと調整して失敗させない、ということが大事なんです。
 

f:id:freelifetakaharu:20180808090553j:plain

僕らは日々諦めの連続なんでね。ああ、って初めに失敗してしまうと
これもダメか…ってすぐ諦めてしまうんですね。
けど視線入力というのは、ちゃんと設置して訓練すれば、もしかしたら諦めるのには早くて。可能性があるのに、諦めてしまうのはもったいないなと。
だからまずは簡単なゲームから少しずつ慣れて行って、ゆくゆくは文字打ちなどを覚えたりしたら、友達とラインしたりとか出来る可能性はあるかなと思います。
まずは支援する人が覚えて、マスターしてからやるということが大事です。
最初はまず簡単なゲームから、まずは失敗しないことから、楽しみながら…。
一般の方でも十分便利で役に立ち、そして楽しい視線入力。
是非皆さんも、やってみてください。
 
f:id:freelifetakaharu:20180808090929j:plain
 
雅さんのスライド後は、皆でゲームをやってみよう!と体験会が始まりました。
いきなりやって、諦めないためにもまずは楽しく簡単なゲームから^^
「わー、面白い!!」と大人も子供も、皆さんニコニコで楽しんでいらっしゃいました。サポートする家族にも、まずはやってみてほしい!と雅さんは言います。
何事も体験しないと分からないですもんね。
 
「小さな子供に、いきなり大人用の自転車に“乗れ”って与えても難しいですよね」
と例える雅さん。何でも少しずつ、段階を踏んでステップアップしていくもの。
私も視線入力での文字打ちを体験させてもらいました。
ただ画面上の文字を目で追えばいいのですが、中々、視線の微調整が難しい…。
けれど、その後に自分の目線の位置合わせの設定をすると動きがスムーズに!
とても素晴らしい技術だと感じました。
最初にちゃんと設定して、慣れるまではゲームなどで楽しみながら…と根気よく続ければ何とか文字打ち出来るようになってくる、そんな実感がありました。
そしてそこから先には、様々な可能性が広がっています…!
 

f:id:freelifetakaharu:20180808091251j:plain

 “福祉の話…となると敷居が高いので、音楽聞いたり遊んだりして気楽に楽しんでもらいたい” という雅さんの気持ちが伝わってくる、楽しい雰囲気のあたたかなイベントでした。
そしてこのイベントのご縁がきっかけで、家族に使わせてみたいという方の相談を受け、宮崎市内のお宅へ視線入力のアドバイスへ伺うそうです。近辺でも困っている人が結構いると思うので、サポートしたい…とも仰っておられました。雅さんは自身でサイトも運営されています。  みやびproject
 

f:id:freelifetakaharu:20180808091550j:plain

ゲーム大好きな雅さん!ご自宅で普段しているゲームのことを教えてくれました。
 
実際、こういったテクノロジーは様々な方々の生きる希望です。
医者から“意識がない、何も出来ない”と言われていた子が、視線入力を通して風船割りゲームが出来た…!という事実から “わかっている” ということが分かり、本人はもちろん、周りの人や家族も変わっていった…
という素晴らしい例もあります。こういった奇跡が世界中で起きているのです。
 
とにかく、“知らない”というのが一番もったいない。
まず、こういった可能性の存在を知ることが大事、と雅さんは言います。
そして困っている方々はもちろんですが、周りの人達から体験し、知ることだけでもいろんな可能性が枝分かれし、広がっていくと感じました。
雅さん、ありがとうございました。
これから先も雅さんらしく、楽しみながら素敵な時間を沢山過ごして下さいね。
 
《以下、雅さんからのコメントです^^⇩》
視線入力などについて詳しく知りたい方はみやびProjectブログへのコメントやお問い合わせ、Facebook(岡元 雅)などで声掛けてください。
医療福祉、支援教育関係者など、より詳しく知りたい方は体験会でも使用した風船割りゲームの開発者 島根大学伊藤史人助教の主宰サイト「ポランの広場」も合わせてご覧ください。みやびProjectもこのサイトで勉強させてもらっています。
 

f:id:freelifetakaharu:20180808092008j:plain

f:id:freelifetakaharu:20180808092018j:plain

最後に…文中で紹介した榊さんの絵です。
これらの絵は視線入力を使い、Windowsの標準ソフト「ペイント」で描かれたそう…!美しいですよね。
絵から伝わるあたたかさ、まっすぐな心に魂が癒されるような気持ちになります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

あいがも放鳥会 ~温谷農園~

 高原町広原地区にある「温谷農園」
合鴨農法による無農薬のお米作りに励まれています。
 
合鴨農法とは、アイガモを田んぼに放つことで農薬を使わずに害虫駆除ができて
フンも栄養分となり、稲も丈夫に育つ…という農法です。
アイガモが田んぼを泳き回ることで稲が刺激を受け、栄養の吸収が良くなったり
雑草も生えにくくなる…と色んなメリットがあるようです。
これだけ聞くといいことばかりのようですが、カモの飼育、そのカモを狙うイタチ
や狸の外敵対策に広い田の周り全部に網を張ったり、空から狙ってくるカラスなど
に手を焼いたり…と、中々大変な面も…。
 
それらを毎年乗り越え、今年で25年目になるそうです。そんな中、近くの保育園
の子供たちを呼んで合鴨放鳥会を行うとのことで、ご一緒させて頂きました​​。


梅雨の晴れ間、いい日和!温谷さんから園児達にアイガモやお米のやさしいお話。



これはカモの卵。向かって右側がほんのり緑色なの分かりますか?
卵を守るための保護色、野生の名残だそうです。





とっても可愛い、ふわふわのヒナたち。
これから一匹ずつ園児達の手によって放たれていきます…。





 
「お願いね~」とふわふわのヒナを、そぉーっと、ポチャン。
ヒナたちはスイスイ泳ぎ回り、気持ちよさそう~。
早速田んぼの中にいる虫を食べ始めます。




ヒナ達を全員田んぼへと送り出し、みんなでせーのっ!!
「ばいばーい!!よろしくね~~!」




終始にこやかに子供たちを見守っていた温谷さんご夫婦。
様々な苦労を乗り越えての25周年、本当におめでとうございます…!!
今年も沢山、美味しいお米が実りますように…

 


 

 

 

 

 

たかはるヒト×コト交流センター ~南インド料理教室~

高原町に新たにOPEN予定の「たかはるヒト×コト交流センター」にて、吉川美加さん講師による【南インドカレー教室】が行われました。すでに何度か開催されている料理教室ですが、前回も沢山の方が参加されたという人気ぶり!
説明を受け、レシピをチラチラ見ながら、せっせと作ってみると…うん。美味しい~!南インドってどんな感じなんだろう…と興味しんしんです。
料理教室終了後、最近高原へ移住されてきたという吉川さんにお話を伺いました。
 

f:id:freelifetakaharu:20180801135927j:plain

南インド料理をはじめられたきっかけなどあれば聞かせて下さい。
 
吉川さん: 料理は元々好きなんですけど、南インドは…現地に住んでいたので(笑)
その時にほぼ毎日食べていたんですが全然飽きないんですよ。色んな種類があってすごく美味しくて。自分でも作ってみたいと思い、現地の人に習ったり本を読んだりして色々作ってみたりして。南インドではアーユルヴェーダ が生活に元々取り込まれていて、現地の人達は知らず知らずのうちに実践しているという感じでした。そういうこともあって、食事を提供することで皆に元気になってもらえたらいいなという想いがあって…。アーユルヴェーダ…インドの伝統的な医学のこと。
 
ー現地で実感することがあったんですね。
生活にアーユルヴェーダを取り入れているって、どんな感じですか?
 
吉川さん:食べ物とか…全般的にそうなんだけど、水だったら冷たい水は飲まないとか。それに料理の中に沢山のスパイスが使われています。
例えば、家族が「具合悪い」とか言うと、お母さんがその症状に合わせてスパイスを調合して「じゃあこれ食べなさい」とか。そういうことが家庭で自然に行われている土地だった。で、それがまた美味しいんですよ(笑)
 
ー普通に「南インド料理」というと馴染みのない人が多いと思うんです。その魅力を伝えるとしたら…?
 
吉川さん:去年南インドへ一緒に行ったメンバーの中で、初めて行った人が南インド料理にすごくハマって。帰ってきて、もうそればっかり…(笑)
日本人のイメージで“カレー”というと1種類しか思い浮かばないけど、いわゆる日本で言うカレーではないんです。野菜も沢山食べれるし、米文化だから日本人にも合っているし。米の種類もいろんな種類があります。 
 
 f:id:freelifetakaharu:20180801140230j:plain
はじめに油でスパイスをパチパチと弾かせるのがベーシック
 
f:id:freelifetakaharu:20180801140244j:plain

ポピュラーなキャベツのトーレン(炒め物)。オイルに乾燥豆をさっとなじませ野菜と炒める。

 

f:id:freelifetakaharu:20180801150334j:plain

 グツグツ…うーん、いい香り!スパイスを擦り込んだ鶏肉や野菜を煮込みます。

 

f:id:freelifetakaharu:20180801140304j:plain

 ひとまず完成~!これらを全部混ぜつつ食べるのがインド流。

 

ーたかはるに移住されてきたばかりですが、ここに決めた理由は…?
 
吉川さん:去年3回来たんですよ。なんか…すごいいい所だなぁーと思って。
最初はアーユルヴェーダの先生と一緒に来たんだけど、その後“また行きたいなー”
と思って、2回目は一人で来て…。あー、やっぱりいいなと(笑)
緑が多い所や、水が豊かな所がケララの感じと似ていて…
生えてる植物は違うけど(笑)
 
ー最初、南インドに興味を持ったきっかけって何だったんでしょう
 
吉川さん:そうですね。最初は私自身いろんな国をまわっていて、その時に出会った旅行者が“インドはすごいよー”と言っていて。しばらく経って実際にインドに行ったら、人もごちゃごちゃしてるし、実はすごい嫌だったの(笑)
けどなんか旅してたら好きになってきて…数か月後位からかな。
一緒に行った人はまた別の所へ行ったんだけど、私はせっかくインドきたしアーユルヴェーダ習ってみるか!みたいな軽い気持ちで(笑)ケララに来て。
その時は海沿いに住んで、町中のクリニックへ習いにいくって感じだったんだけど、その後もずっと南インドに滞在しました。
その時からアーユルヴェーダは多分一生関わるなという感じがあって。
そして日本へ戻ってからは、段々と食の分野へいくような流れになってきて…
 
ー「食」ってまずは一般的に入りやすい分野ですよね。
そこを通じてアーユルヴェーダを知っていったりとか…。
スパイスも上手に取り入れていけば普段の生活で生かせますしね。
 
吉川さん:うん、スパイスを使うからインド料理にしなきゃだめとかじゃなくて、
和食でも使えるし。アーユルヴェーダは一応医療として成り立っているけれど
“病気になってから治す”というよりは
“病気にならないように気を付ける”というのが元々のコンセプト。
それには日々の生活が大事で、そのなかでも食事が大きな部分を占めている。
よくTVで「○○が健康にいい」とかってやるじゃないですか。
で、そうすると次の日に皆それを一斉に買いに行くっていう(笑)
けど、それがその人に合っているかとか、その時の体調に合っているかは人それぞれ違うんです。食材だけが大事なんじゃなくて、自分のその時の状態と心の持ち様、あと食べる時の気分とかも健康に関わってくる。
そういうことも知ってほしいなと思っています。
 

f:id:freelifetakaharu:20180801140953j:plain

 吉川さん、ありがとうございました!

 

吉川さんから伝わってきたのは、南インドの魅力や食の美味しさ、
“食事が健康において大事”ということをもっと実感してもらいたいということ。
実際に料理教室で体験してみて…
料理法も新鮮でしたが、そのスパイスの豊かなこと!
料理しながらその都度体調に合わせてスパイスを変えたりしつつ、手軽に美味しく体調を整えていくことが自然に出来る食文化に感動しました。味も本当に美味しいんです。なんだろう、スパイスが沢山入っていて一気にぶわぁーっとくる美味しさ、深みがあって。いただきますの際も、インド式でお祈りをしてから頂いたのですが、手を合わせて目を閉じ、お祈りを聞いていると、言葉は分からなくとも心が整うような気持になり、今から食すものはきっと身体によい作用へ働いてくれる…という感じがするのです。
日々色んな物事に追われる日々だからこそ、本当に大切なことに気づかせてくれるヒントをもらう、そんな気がしました。

 

 

f:id:freelifetakaharu:20180801141145j:plain

 

 

 

 

 

 

 

 

恵はりきゅう院

 
鍼灸治療、受けたことありますか?

高原町祓川地区にある “恵はりきゅう院”
鍼灸師の山本さんが、ご自宅に施術室を構えて6月に開院されたばかりです。
私自身はこれまで鍼灸に馴染みがなく(いたって健康体ゆえ^^;)けれど
行く人は行く!という印象でした。そんな感じでしたから、どうして鍼灸師
さんになろうという所に意識が向いたのか…そこから気になる…!
ということで、まずはそこのキッカケからお聞きしました。

鍼灸(しんきゅう)とは…
問題がある患部や経穴(ツボ)に鍼や灸を用いて、刺激を与え病気の治癒や予防をめざす治療。
人が本来持つ自然治癒力や免疫力を高めて健康促進を保つ医療技術。


入口には手作りの看板が。中へ入ると、心地よい空間の施術室があります。


施術室横のお部屋にてお話を伺いました。いい感じの雰囲気…!
 
山本さん:そうですね。きっかけは私の母親なんです。
13年前くも膜下出血で倒れて、それから寝たきりの状態で。
その間ずっと母親に付き添っていました。
どうしても寝たきりだし、意識障害があるからコミュニケーションが取れないし
自分で動くことも出来ない状態で。だから色々病気も併発するんですよね。
その度にお医者さんにかかるけど、薬もらってまた悪くなったら薬。
そして手術…みたいな感じだったからもうちょっと方法がないのかな…と。
悪くなってからじゃなくて、例えば悪くならないように何かするとか。
日々出来ることがもっとないのかな…と色々勉強していて。

そんな中、東洋医学に出会って、これは面白い…って!
病気になる前に良くする、とか自然治癒力を助けるだとか。ほかの人が治すん
じゃなくて、実際治すのは自分の持っている力だという考え方。そういうのが
いいなと思いました。

ちょうどそのころ、実家から自転車で行ける範囲の所に鍼灸学校があると知って
夜間の授業に行けないか…と、父と相談して通い始めました。
父も定年退職の時期で、母のことも覚えてもらって…という時だったから
昼間は母のお世話のことなどを父に教えつつ一緒にやって、夜は学校へ通う…
という日々が3年間続きました。

ーそうなんですね…。
お話聞いてるだけで、色んなご苦労があったんだろうな…と。
必要に応じて…というか、自然な流れで鍼灸師さんになったんですね。

山本さん:そうですね。それまで自分が鍼灸の治療受けたとか、そんな事なかったし…。
以前は海外に目が向いていて、NGOに務めたり国際協力の仕事をしていたり
実家に帰る前は、山梨で子供たちの野外教育、子供たちと遊ぶというか…()
そんな仕事をしていて。全く畑違いのことをしていたんです。

(母のことで)周りからはすごいね!とか言われていたけど、全然自然な流れ
で母の手伝いをするようになったというか、自分ではそれが普通のような気が
していて。そんなに嫌だとか辛いだとか思わずにお手伝いしていました。
それが決まっていたことのような気もするし…。

とっても見晴らしのいい場所!薪風呂、その炭を使い七輪で晩ごはん…とご夫婦で
自然な暮らしを楽しんでいるようです。

ーこっちで暮らすようになった経緯を聞かせてもらえますか?

山本さん:尚生君(ご主人)と出会ったのは福岡に住んでいた時なんですけど、
母が倒れる前でした。山梨での仕事は二人一緒にしていましたね。
私が母のお世話で宮崎へ戻って、彼は実家が福岡。その中間部というか…。
彼が宮崎に来てくれたりしている時に、高原が通り道にあって、“あの辺雰囲気
がいいんだよねー”とか話していて。田舎に住みたいのは前から言っていたから
宮崎をあちこち見てまわっていて…高原でも家を探したりしながらここを
見つけて。尚生君は先にここに住み始めて3年目なんですが、私はここ
1年位かな。週の半分はこっちで、後は宮崎の実家で母のことや
祖母や叔母などにも鍼治療したりしています。

ー高原に住み始めてどうですか?

山本さん:そうですね、まだ週半分くらいなのですが…住みやすいですよね。
お店が遠いとかはありますけど、そんなに…。
あるもので暮らす、と思えば不便でもないし。
よく移住とかすると周りとの付き合いがうまくいかない…とか
聞いていたけど、ここの周りの人達は温かく迎えてくれているし、
下手にベタベタする必要もないし。居心地がいいですね。
何よりもこの環境が好きです。

ー実際お母さまに鍼治療してみて、どんな感じですか?
これからここで治療院をやっていくことに対する気持ちなども…

山本さん:そうですね。母に一番(はりきゅうを)試していると思うんですけど…。
1年前、私の鍼灸の先生に母の事診てもらっていて、またつい最近もう一回診て
もらったんですよ。そうしたら、私はあまり気付かなかったんだけど
「随分良くなっていますねー」って。客観的に見ても良くなっているというのも
あるし、検査の数値上も良くなっているというのもあって、あぁ、効くんだなと
思って。母は先生も認める横綱級の患者だから、簡単に何かが治ったりとかは
難しいと思うけど、ちょっとでも良くなっているのが分かって…あぁ良かったって。

ーほんとに…!もうさっきから鳥肌が…なんか泣きそうなんですけど()
すごーい!!良かった。それに、またこれからもしてあげられるから。

山本さん:そうですね。多分今まで(失敗して)母にも嫌な思いさせてるから()
ちょっとずつでも自信をつけてやっていけたら…と思いますし、そうやって
母が教えてくれたことを、他の人にもちょっとずつ生かせるようになると
いいなぁと思っています。




山本さん、ありがとうございました!

山本さんのお話を聞きながら…、はぁーっとため息。我、反省。
何だか心を立て直すような気持ちになりました。
ご本人の芯の通ったお人柄や落ち着いた雰囲気、心地よい場所での治療に
きっと皆さん、癒されることでしょう。
室内の古い家具なども素敵なのですが、被災地のボランティア活動をされて
いるご主人が、現地で譲り受けたりしたものだそうです。そして治療室の工事
も山梨から知人の大工さんが遊びに来て、その滞在中に仕上げてくれたのだそう!
ご縁ですね~。
そんな風に人とのつながりを大切にしていらっしゃるご夫婦、ゆくゆくはここで
の環境を生かして、滞在型の自然体験&ケアハウスなどもしていきたいと思い
描かれているそうです。これからますます楽しみですね…♪






 

 

 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 

【※追記 恵はりきゅう院 実際の治療の様子】

 

実際のところ、私自身は鍼やお灸の経験がありません。やってみたいけれど今のところ特に身体の不調もないので、周りの人に話を聞いてみると結構「イタそう」「こわい」などの返事が返ってきます。
まだ未経験の人にとっては、そんなイメージだけがぼんやりありそう。治療が合っていれば不調が治るかもしれないのに、ちょっともったいないかも…と。
ならば実際の治療を紹介してみよう!と言うことで後日、やや体調不良の夫とともに来院しました。実際の様子を簡単にご紹介しますね。
 

f:id:freelifetakaharu:20180925143832j:plain f:id:freelifetakaharu:20180925143843j:plain

まずはどこが悪いか、改善したいかなどの症状を伝えると、恵さんが丁寧に問診して下さいます。今回は鼻炎の改善や背中の痛み、アレルギー体質についてなど…。
 

f:id:freelifetakaharu:20180925144135j:plain f:id:freelifetakaharu:20180925144156j:plain

寝台にあおむけで横になります。脈を診ながら、身体の全体のバランスを整えるため
主に足から太ももにかけての範囲に、鍼をさしていきます。
ほそーい、髪の毛くらいのハリです。
 

f:id:freelifetakaharu:20180925144310j:plain f:id:freelifetakaharu:20180925144332j:plain

これは鼻炎の症状に働きかけるお灸です。
「身体の下部(足の方)が冷えて、頭に熱がこもっている状態。
その熱を追い出しますね」
腕に据えられたほんの小さいお灸。これで余計な熱を誘い出すそうです。
同じお灸でも、熱で温める作用と、熱を追い出す作用があるんですね。
あとツボが合っていると、お灸を据えても熱く感じないそうですよ。
この後、「鼻の通りが良くなった」とつぶやく本人。何たる即効性。
 

f:id:freelifetakaharu:20180925144517j:plain f:id:freelifetakaharu:20180925144538j:plain

次は【背中の痛み】に対する治療です。
背中を指で押さえつつ、ここはどうですか?痛いですか?…など訊ねながら鍼をさしていきます。ここまで見ていて特に痛がる様子はありませんでした。“感じてもちょっと違和感があるくらい”だそうです。
 

f:id:freelifetakaharu:20180925144700j:plain f:id:freelifetakaharu:20180925144719j:plain

わ、なんかぐるぐるの面白いの出てきた…!
これは陰と陽の法則を活かした形状なのだそう。
皮膚からちょっと離れた場所で熱を発生させ、身体の内部へ働きかけます。
(今日は主に疲れが出るという腎臓に働きかけたそうです。)
鍼とお灸。これまで見ていただけでも色んな使い方がありますね~。

 

f:id:freelifetakaharu:20180925144816j:plain

いよいよ締めのお灸。
背中に据えて、本人が熱く感じた直後にぱっと取る、という感じで各部位に
手早く数か所。その後、背中や太ももに全身の巡りをよくするための手技
を施され、終了です。
 
痛みや熱に対する体感は、本当に人それぞれだと思います。
今回の治療は、終始しずやかにとり行われました。最後のお灸はちょっと熱かったみたいですが() 鍼やお灸、一般的には肩こり・腰痛・神経痛に効く…位の認識のようですが、実際は様々な症状に効き目があり、西洋医学代替医療として有効であると発表されています。健康保険が適用されたりもするので、これまで何となく敬遠されてきた方など…身体の不調に試してみるのもいいかもしれませんね。


 

 

~たかはる人のお仕事事情~ 中原さん(半農半X)

 

f:id:freelifetakaharu:20181029134837j:plain

 

大阪から5年前に高原町へ移住してきた中原さん。
現在、高原町役場で仕事をしながら兼業で農業をされています。


役場で仕事中の中原さん。朗らかな人柄で周りを和ませてくれます。​​​

 

 

高原町に来る前、どのような仕事をされていましたか?

中原さん:普通の一般事務職です。ずっと大阪で暮らしてきました。
5年前に移住を思いついて。ふと思ったんです、55歳になった時に。
60で定年なって後何するの?って。田舎暮らしもいいかなと思ってね。
ただ隠居するっていうのもなんかオモロナイと。
ただ60歳位から新しいことするのもしんどいんで、55歳で早期退職して
5年掛けて準備して60歳から田舎暮らし…ていう計画で進んで行きましたね。

やっぱり、このままでいいのか?ていう気持ちがずっとあって。
​移住先を決めるのに、和歌山や京都やら…いろいろ探し回ったけど、どこも
ピンとくるものが無くてね。たまたま自分の本籍が高原だったから
なんかの縁もあるかな…と高原に決めました。LCC(格安航空)も出てきて
行きやすい条件がタイミングよく揃って交通の便も良かったんで​。


―こちらへ来て、すぐ仕事は始められたのですか?

中原さん:子供が3人いるんですが、長女が一緒に(高原へ)来るって言ったんですよ。
介護の仕事をやっていたんだけど、“自分も新しい新天地みたいなことをしたい”
って。じゃあ高原行くぞ!って、とりあえず西麓にアパート借りて
二人で暮らし始めたんです。
娘は介護の仕事がすぐ見つかったので、とりあえず娘に養ってもらっている
ような状態が1年くらい。奥さんはまだ大阪で仕事していましたからね。
まず1年かけて暮らしながら、新たな物件を探し始めました。
そうして今の住まいに退職金などをあてて家を建てたんです。


高原に来て2年目になり、JAのマンゴー集荷場が5月~8月の繁栄期だけの仕事を
人材募集していました。マンゴーの選別なんて滅多にできない体験だと思って、
収入源になるし友達も出来ると思ってやりました。その時期は貯蓄を切り崩した
りしつつ、生活をまかなっていましたね。生活の資金繰りは大変な部分もあった
けど、まぁ何とかね。
大阪から一緒に来た娘は彼氏が出来て結婚して。今は(隣の)都城市に住んで
いますよ。…で、自分一人になっちゃうんでね() 
仕事探さないと…と思ってた矢先に役場との縁があって
今働かせてもらっている感じです。

そして今、高原に来て丸5年目です。今年61歳。
近所に営農組合の人がいたので、お手伝いして野菜の作り方教えてもらったり
田んぼの手伝いなどしているうちに、田植えのオペレーター勉強したりしてね…。
夫婦二人なら充分やっていけるんですよ。野菜や米も安くで手に入りますし。
自分で作れば尚更お金もかからないしね、生活の面ではなんとかやっていけてます。

楽しいですよ。全てが新しいことばかりなので。
こっちの人は気持ちのええ人というか、親切で色々教えてくれたりするので…
今は営農組合をきっかけに知り合いも増えて、関わりが広がっていってますね。
こっちは今までの世界とはまったく違う世界。どうなるやら…とは思いつつ、
けどストレスはないですね。

―ストレス無いって…素晴らしいですね。
そういう“せっかくなら色々やりたい!”という前向きな気持ちも原動力ですよね。

中原さん:今農業するようになりましたが、出来たものを誰かに食べてもらえたりしたら嬉しいし、生活の喜びが増していく気がしています。
“色んな事にチャレンジできる”っていうのが
田舎暮らしのいい所かなっていうのはありますね。
ムチャは出来んけど、自分が楽しみながらのんびりゆっくりする、っていうのに
面白さを感じています。中々ね、スタート切るのも厳しいところあると思いますよ。いざ!ていうのは中々ね…。
けど、やったらやったでなんとかなるか!と。
あかんかったら大阪戻ればええか、という軽い気持ちも無くはなかったので。
がむしゃらに、ではなかったからね。

―そうですね。最初から深刻に考えず、軽い気持ちでまずはやってみる、
合わなければやめればいいかっていう心持ちも大事ですよね。

中原さん:生活していくのに…変な話、仕事はあると思うんですよ。
選り好みするから無いだけであって。とりあえず収入!てなればどんな仕事でも
あるし、逆にそれが新鮮だったりして。そういうのが面白いんだと思います。
収入自体は…例えば移住で関東から来たりした場合、減るには減ると思いますよ。
ただそれなりの生活をしていれば充分です。お金使うトコないですから(笑)
畑作業とかしていたら時間は経つし、ただ何もせず田舎暮らしでは面白くないから
やっぱりなにか自分の好きな事するのがいいと思いますよね。
(することは)いくらでも転がってる。

―これからの移住者に向けて、メッセージなどあれば聞かせて下さい。

中原さん:まず、自分が気に入った場所を見つけるということかな。
色んな所を見て探して、どこかピンとくる場所があると思うんですよ。
そういう所で過ごしていたら愛着も沸いて、近所の人とも仲良くなれたり
してくる。コミュニケーションとれてきたら、うまいこと(物事が)
まわっていくのでね。ここだ!と思う所をまずはじっくり探すこと。

―ここ!って思ったところに住めば、多少のことはね。
だってココ好きだもんって()

中原さん:そう、そうしたら何とかなるもんでね。
マイナス思考になるとうまくはいかない。
絶対自分達に合う場所がどこかにあると思うので、焦らず、慌てず、ゆっくりね。
生活費も何とかなるもんだな、ていう実感はありますから。
まずは場所を探してみて、気に入ったら農家民泊なんかもあるので
(今後、中原さん宅も民泊先の一つになる予定)そこで相談したりして
決めていけたらいいんじゃないかと思います。
これから先もどんな風になっていくのか…楽しみにしているところです。

―本当に、これからも楽しみですね!今日はありがとうございました


「いくらでも話せますよ~笑」と、詳しい話を快く聞かせてくれた中原さん。
駄目でも何とかなるか!という心持ちも、どんどん前に進んでいくことの
出来る秘訣。何より、色んな苦労もあれどご本人が楽しんで毎日を暮らして
おられるように見えました。
そしてある日の仕事終わりに、ちょっとご一緒させていただきましたので
写真でご紹介しますね~。​

 


【中原さんのある日の午後…】


帰り道。今年から田んぼを始められたそうです。広々~!景色もいい。

 




お家の横にある畑。囲い網の下を土で固める作業をします。
トウモロコシを狙ってくるアナグマ対策なり!

 


きれいに並んだ、かわいい落花生の芽。

 


どんなかな…?と掘り出されのは、らっきょう~



ハウスの中には…ニラやミニトマト、山芋も!
様々な種類の野菜を楽しんで育てておられました。