農家民泊 sanofarm

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狭野神社近くの民家でひっそりと営まれている農家民泊『sano farm』

入口から小道を抜けた敷地内には果樹や畑があり、鶏や猫も一緒に暮らしています。

空き家だった築90年の古民家に、Uターン移住者であるオーナーの宮村友美さん(高崎町出身)が少しずつ手を加えていきながら暮らしており、家の一角には宿泊者用のゲストルームが設けられています。

「ここに来た当初は、室内にテントを張って暮らし始めたの(笑)」カラッと笑いながら話す友美さんですが、家を修繕しながら寒さに凍える夜もあり…と、中々エネルギッシュな女性です。

中学生の時にアメリカへのホームステイに参加したことがきっかけで、外国語を学べる大学へ進学・卒業し、翻訳の仕事を始めていた友美さんでしたが、当初から起業して自然の中で自由に暮らしたいという未来を描いていたと言います。その想いの元となったのは、御池少年自然の家で毎年行われていた夏休みのキャンプ体験でした。

 

友美さん:「子供の頃はシャイで学校が大っ嫌いだったんだけど、御池少年自然の家にキャンプへ行きはじめてから変わったかな。毎回知らない子達とグループ組んで…すごく楽しかった。本当は自然の家の先生になりたいと思ってたくらい!自然や子どもの教育に関わることにずっと憧れがあった。

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飼われている鶏は淡いブルー色の卵を産む「アローカナ」という品種。

民泊に興味を持ったのは、海外旅行したときの楽しい体験がベースにあったから。いろんな人たちと交流できて、語学も生かせると思ったし、ホームステイ感覚で滞在できることに魅力を感じた。ニューヨークへ行ったときにお世話になった宿泊先のオーナーが舞台女優さんで、大好きなブロードウェイの舞台裏を案内してもらったりして…その時は本当に感動して大きなインパクトを受けた。」

 

語学も学び、海外旅行も大好きで、ニュージーランドに行くビザまで取っていたそうですが、最終的には地元に戻る選択をした友美さん。その理由は何だったのでしょうか。

 

友美さん:「少し迷ったんだけど、1~2年海外に行ったからとはいえ、結局は部外者。ただ行って帰ってきても“語学が上達してよかったね”で終わるし、相当な覚悟や何かを習得する意志がないと行く意味がないと思った。

旅行も沢山したんだけど、ある種のむなしさというか…結局私は部外者で、ここにずっといられるわけじゃない。やるならホームでやりたいという気持ちがあった。

けれど、まるまる地元でやるのは嫌で、都城市も既に色々やっている人がいるだろうなと思い、小さい頃から親戚とよく遊んでいた高原町で拠点探しを始めた。

高崎町は都城に吸収されたけど、高原町はそうならず、独自の町としてやっていく覚悟があるんだろうなと感じたし、コンパクトな町だからこそ自分もその流れに参加できそうな雰囲気があったから選んだ。」

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現在3匹の猫と同居しており、その愛らしい姿はSNSでも人気。遠方から猫ちゃん達に会いに来る方もいるほど。

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宿泊者用客室の様子。古民家の良さが生かされた心地よい空間。

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元々あった五右衛門風呂スペースがDIYでステキに様変わり!お母様と一緒に貼ったと いうタイルがいい味出してます。

そうした中、高原町で拠点となる古民家を見つけて、まずは家のリフォームから始めた友美さん。在宅で翻訳の仕事を続けながら、着々と家を整えていき、高原町での暮らしにも慣れてきて、いよいよ農家民泊sanofarmをオープンさせる運びに至りました。

 

友美さん:「民泊がやっとスタートできたから、せめて週一位はお客さんに来てもらえたらいいなと思っている。中学生の宿泊体験の受け入れもすごく楽しくて刺激を受ける。みんなすごく可愛いし賢くてね。大人しい子ほど、実は静かに感動してくれてたりするのよね。そんな子が最終日には踊ってたりするから(笑)先生たちも“こんな一面のある子だったんだ~”って驚いていたり。後に子ども達からお礼の手紙をもらった時はすごくうれしかった。霧島周辺の土地には幼い頃から思い入れがあるし、自然が好きで、山登りも大好き!そんな自分の好きな場所や想いを今後も発信したいと思っているし、民泊を利用してくれるゲストさん達とも共有できたらいいなと思ってます。」

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友美さん、ありがとうございました。

会話の中で、「色んなことにすぐ影響を受けるの」と言っていた友美さんでしたが、御池でのキャンプ体験、アメリカでのホームステイ体験…その他様々な日々の経験をちゃんと糧にして前進している様子が伝わってきて、自分らしい人生を真っ直ぐに突き進んできたのだろうな~という清々しさに溢れた女性でした。人と会うのが好き、話すのも大好きだという彼女の言葉にはユーモアが散りばめられていて、民泊に来た人達はきっと楽しい時間を過ごせるはずです。今後もこの場所でたくさんの素敵な思い出が生まれることでしょうね。