えがおリレーvo.12 久保ぶどう園

f:id:freelifetakaharu:20190719092133j:plain

 

たかはるで日々暮らしをいとなむ人々。
その人生やありのままの姿をリレー形式で伝えていきます。
今回は第12回目、久保ぶどう園さんです。

f:id:freelifetakaharu:20190809083715j:plain

 

久保さん一家は、広原にあるご自宅の敷地内でぶどう園を経営されています。
取材へ向かうと、ぶどうを買い求める人が代わる代わる出入りしています。
これから9月にかけてが繁栄期!皆さん忙しそうに作業されていました。
 

f:id:freelifetakaharu:20190809083903j:plain f:id:freelifetakaharu:20190809083930j:plain

立派なぶどうが沢山~!キリシマ、クイーンニーナ、ゴルビー、ピオーネなどの数種類が並びます。
そのほとんどが皮ごと手軽に食べられるそう。
 

f:id:freelifetakaharu:20190809084035j:plain

今、一番人気なのはシャインマスカット。見るからに綺麗で美味しそう…!

 

f:id:freelifetakaharu:20190809084137j:plain

 こちらの女性は、久保 冷子さん。
小林市からご主人の元へ嫁ぎ、久保ぶどう園を始めてもう48年目になります。
ぶどう園の仕事についてお聞きすると…
「ぶどうの生育をみていくのが一番の楽しみですね。
周りは大変だというけれど、私達は慣れているから大丈夫。」と笑います。
 

f:id:freelifetakaharu:20190809084310j:plain

ちょうどこれからの季節、7月から9月にかけてが販売時期。
それが終ると剪定作業に入り、正月明けには芽が出てきます。
そこから約半年間はぶどうの袋掛けや薬の散布をしながらお手入れし、梅雨明けには収穫が始まる…というサイクル。
 

f:id:freelifetakaharu:20190809084419j:plain

試食も出来ます。味比べをして好みの品種を見つけてみては!?

 

奥に見えるのが、冷子さんの息子さんである一樹さん。
ぶどう園を継ぐ為、高校卒業後に福岡でぶどう栽培を学び帰郷。
子どもさんも3人産まれ、家族皆で暮らしています。
 
「ここには自然しかないですけど…」とはにかむ一樹さん。
この地で生まれ育った一樹さんにとって、自然が身近な暮らしはごく当たりまえのことのようです。そしてこの辺りでは、地域のつながりもしっかりと根付いています。
 
「地域の親同士も仲がいいですもんね、子どもも少ないですから…。
学校帰りに一人で歩いていた息子を見かけた人が車に乗せて帰ってきてくれたり、
うちの母は作った野菜を誰かしらに持って行って、物々交換して帰ってきたりしますよ()
 

f:id:freelifetakaharu:20190809084613j:plain

“お持ち帰り下さい”と、片隅に新鮮な野菜がゴロゴロ♪

…それが自然と成り立っているって素敵なことですよね。
人同士のつながりの大切さに気付き、都市部でもコミュニティーを作ろうとしたり、
物々交換的なことを始めている人達がいるくらいです。そういうことがずっと自然に根付いている場所がまだまだある…そんな気配に嬉しくなるのでした。
 

f:id:freelifetakaharu:20190809084852j:plain

久保さんご一家、ありがとうございました。
 
家族がそばにいて、一緒に仕事をしながら助け合える環境。
「近くにいて良い面も、悪い面もありますけどね…()」と一樹さん。
けれど家族が周りにいて助け合える環境って、何だかんだありつつも、やっぱりいいと思うんですよね。
久保ぶどう園には、家族ぐるみならではの落ち着いた雰囲気が漂っていました。
 
 
次回のえがおリレーは、とにかく身体を動かすことが大好き!だという元気な女性です。どうぞお楽しみに!
 
 
 
 
 

 

えがおリレーvo.11 堀田 博文さん

f:id:freelifetakaharu:20190719092133j:plain

たかはるで日々暮らしをいとなむ人々。
その人生やありのままの姿をリレー形式で伝えていきます。
今回は第11回目、堀田 博文さんです。
 

f:id:freelifetakaharu:20190724103418j:plain

 宮崎県内で美術教師として働いていた堀田博文さん。
ちょうど定年を迎えて退職する頃、高原町広原地区にある“当初は荒れ地のようだった”この場所を見つけて瞬時に気に入り、土地の購入を決めたといいます。
その後建てられたお家は、憧れていたヨーロッパの古い木造建築がモデル。
この辺りの広々とした景色によく馴染んでいます。
そんな博文さんのお部屋には、動物の骨や植物、沢山の絵や書物が置かれていて、いかにもアトリエといった感じの雰囲気でした。
 
―元々絵がお好きだったんですか?
 
博文さん:高校で美術部に入って、ハマってしまったというか。最初は教師をやりながら自分の絵も描けるだろうと思っていたら…とんでもない!(笑)現場に入ってクラスを持ったら、もうどっぷりですよね。学校にいる間は、学級づくりや生徒達と向き合う日々でした。
定年後はお金よりも自分の時間を大事にしたいという思いがあって、やりたいことや趣味を楽しんでいますが…お金も無くなってくるし、今焦ってきてるんですけどね(笑)
 
―(笑)今やっと自分の時間を楽しまれている所なんですね。
 
博文さん:そうですね、他にもまだやりたいことが一杯あって…。
定年して2年後に小林で個展を開いたんですが、今はここ最近書き始めたシリーズに夢中になっていて、この流れで次回の個展をやりたいなと思っています。
あとは佐多岬などへ釣りに行ったり、料理も好きで、キッチンには料理本がずらーっと並んでいますよ(笑)酵素作りにもハマっていて、“これは何でも出来るわ!”と、いちご、びわ、桑の実…何でも試しに作っているところです。
 

f:id:freelifetakaharu:20190724103709j:plain

お部屋の棚には思い出の品や、堀田さんの好きなものがズラリ!

 

f:id:freelifetakaharu:20190724103752j:plain f:id:freelifetakaharu:20190724103820j:plain

机上の壁に飾られている絵は、若い頃のお気に入りの作品。右の絵は最近書き始めたというシリーズで
葛飾北斎にインスピレーションを受けて仕上げたものだそうです。
 

f:id:freelifetakaharu:20190724104036j:plain

何気なく置かれた一枚の絵。無造作に置かれた植物と相まって、いい雰囲気です。
「大学生の時に描いた絵。厚手のいい紙なんですが、今はもう無いんですよ…。
これを土に埋めてしばらく置くと、カビが生えたりして思わぬ色が出るんです。
それを取り出しきれいに乾かして元の紙に戻ったところで絵を描くんです。」
 

f:id:freelifetakaharu:20190724104201j:plain

★写真から肖像画を仕上げてもらえますよ。ご興味のある方は090-7169-8000(堀田さん)まで。

 

高原町に移住されてきて、好きな所や思う事などあれば聞かせてもらえますか?
 
博文さん:色んな人達をつなげていって、ネットワークをつくれたらいいですね。
お偉いさんだけじゃなくて、地元の面白い人達なんかを集めて会をしたらいいと思うんですよ。高原町の売りと言えばもう“自然”だと思うんです。
いかにこの自然を残していくかということが何より大事じゃないかと思っていて。
水が美味しいでしょ?こんだけ溢れている所っていうのは中々ないですよ。
この水を絶対に守らないといけないし、
この水を守るためには山に手を入れないといけない。
今どんどん杉を切っているけど、そのあとに広葉樹とか植えて自然を守っていかないと。
何にせよ将来大切にされていくのは、この自然じゃないかと思っています。
町に箱物を作っても維持管理費にお金が掛かる訳で…それよりはこの自然を残していくような形で。川をきれいに保つとか、今の自然環境を守っていけたらいいなと思っています。

f:id:freelifetakaharu:20190724104405j:plain

博文さん、ありがとうございました。
 
たまたま、お子さんが堀田先生にお世話になったという人に話を聞いたのですが
当時サッカー部の顧問をされており、生徒達からも“ホッタマン”の愛称で慕われていたとか。定年後にも家を建てる時など…何かしらの際に出てくる生徒さん達からのサポートの話。
きっといい先生だったんだろうなぁ~という雰囲気が、その幅広い知識や探求心、優しいお人柄に滲み出ているのでした。
「先生時代にはもう、心をすり減らしましたよ…」そう笑う博文さん。
これから先も充実した日々を楽しんでいって下さいね!
 
次回のえがおリレーは、ご近所さんの「久保ぶどう園」をご紹介いただきました。
ちょうどこれからが旬の季節ですね~!どうぞお楽しみに。
 
 
 
 

蕎麦庵みやなが


f:id:freelifetakaharu:20190719093635j:plain

祓川水源の近くにある『蕎麦庵 みやなが』
祓川の湧水を使用した美味しいお蕎麦が評判で、週末は沢山のお客さんで賑わっています。ご自宅をお店として構えられ、お手入れされた広いお庭には湧水を引いた池などもあり、自然と心が和んでくるような雰囲気です。
 

f:id:freelifetakaharu:20190719093843j:plain

お店が始まったのは、およそ11年前。
ご主人の長治(おさはる)さんが、経営していたクレーン会社を息子さんに譲った後の新たな挑戦でした。元々祓川出身で幼い頃から神楽そばが身近だったこともあり、蕎麦に対しての思い入れは筋金入り。
そんな蕎麦好きが高じて職人さんの元で蕎麦打ちを習い、調理師免許を持っていた奥様と一緒に念願のお店をオープンするに至ったのでした。
 

f:id:freelifetakaharu:20190719094009j:plain f:id:freelifetakaharu:20190719094212j:plain

店内の様子。元々夜神楽でふるまいをしていたご自宅には一晩で300人来たことも!「だから徐々に広くしていって…広さはあったんですよ()」空間が生かされ、独特の落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
 
おかげ様でお店は順調。客足も絶えることなくここまで続けてこれた…
と言う長治さん。
お話を聞いていても、始めからごく自然に物事が流れているように感じます。
「蕎麦は水も大事。ここは美味しい湧水もあるし、無理なくやれていますよ。
こういう土地でないと井戸を掘ったりしているところでしょうからね」
 

f:id:freelifetakaharu:20190719094546j:plain

こちらは「天婦羅ざる蕎麦」コシのあるお蕎麦と丁寧に作られた出汁。脇には季節の天ぷらやお漬物などが並び、素材の味わいを引き立てます。お蕎麦を頂いた後の蕎麦湯がまた美味しい~!
毎年12月の第2土曜に舞われる『祓川神楽』。そこで振る舞われるお蕎麦が通称“神楽そば”です。
祓川地区の人達にとって、蕎麦はなじみ深い存在です。
 
「祓川は自然豊かだし、水も綺麗で最高の場所ですよ」と奥様の信子さん。
お客さんにも“また来ます”と言ってもらえて、今度はご家族や兄弟と一緒に来て下さったりしてね。お店を通じての出会いも沢山あって本当に良かったです…とほほ笑みます。
 
そんな風に馴染みのお客さんからも愛されているお店ですが…
「もう店を閉めようと思ってるんですよ」とのお言葉が。
えぇ!?とびっくりです。

f:id:freelifetakaharu:20190719095423j:plain

信子さん:ぼつぼつやれればいいんですけどね…
土日の忙しさが中々大変なんです。
この辺は皆さん年配で(お店の手伝いを)頼めるような方がいないんですよ。
なので急遽どうしてもって、遠方の親戚にお願いして手伝いに来てもらったりしている状況なんです。もう年も年ですしね…(笑)
 
今のところ営業は今年の10月一杯かもしれません。
年末の蕎麦はやりますが、今後は様子を見ながら予約のみのお客さんでやれたらいいのかなとは思っています。人手がいないと皆様にご迷惑をかけますからね。
 
“それは、例えば土日だけでもお店を手伝う方がいたら続けられるものなんですか?
”と尋ねると、そうですね…とのお返事が返ってきました。
 
そこは何とかならないものだろうか。
土日パートをしてくれそうな人…思わず頭の中で探してしまいました。
お店が無くなってしまうのが残念なのは私だけではなく、沢山おられるはずです。
無理なくやれるのであれば、土日だけ、予約だけでも続けられる可能性はありそうですが、今後も何かしらの形でお店が続いていきますように…と願うばかりなのでした。
 

f:id:freelifetakaharu:20190719095940j:plain

宮永さんご夫婦、ありがとうございました。

 

f:id:freelifetakaharu:20190719100318j:plain



 

 
 
 
 
 

 

 

たかはる人のお仕事事情~山口 幸恵さん(薬草店勤務)~

    f:id:freelifetakaharu:20190621085857j:plain

f:id:freelifetakaharu:20190621090029j:plain

福岡県太宰府育ちの山口さんは、今から半年程前に高原町へ移住してきました。
定年を迎え故郷である鹿児島に家を建てたご両親が、高原までドライブに連れてきてくれたことをきっかけに、実家へ帰る度に高原町へ出向いては神社や御池などをまわり癒される…というドライブコースが定番になっていったそうです。
 
山口さん:ある時「山下薬草店」が人を募集しているのを知って。その時は鹿児島の実家で暮らしていたんですけど、まずは薬草店に通いながら家探しして、高原町に住んでみようかなと思ったんです。通勤の距離はあるけど、好きな職場と好きな場所だったから迷いもなく…(笑) 元々神様や神社、神楽もすごく好きだし。それに水のきれいな所に住みたいっていうのが一番…!そして自分が恵まれていたと思うのは、もう移住する前に仕事場を見つけて働いていたから、逆に安心して生活を始められたことでした。
 

f:id:freelifetakaharu:20190621090329j:plain f:id:freelifetakaharu:20190621090403j:plain

山下薬草店での仕事風景。細い身体で力仕事も何のその!和気あいあいと楽しそうです。

 
―そうですね、いきなり全部スタートじゃないから…それは良かったですよね。
 
山口さん:職場も従業員同士の絆がすごく強くて、引越の時にも皆手伝いに来てくれて…。引越当初は、それまで全く古い家に住んだことがなかったので(家のことで)困ることもあったけど、そういうのも職場の人に見てもらって解決したり。
助けてもらえる環境があって、本当に幸せだなぁと思います。
 

f:id:freelifetakaharu:20190621090602j:plain

小さなお子さんと二人暮らし。「子どもに人間らしい暮らしを教えてあげたい。大人になって生き方を選ぶのは彼だけど…」その気持ち、同じ母としてよく分かります。
 
山口さん:周りの人、近所の人達もすごく良くしてくれて。二人で散歩していると「おいでおいで~」って家に上げてくれたり「ちょっと待って~!」ってわざわざ追っかけてきてくれて、野菜やお菓子をくれたりとか(笑)
 
―わ~!すごくいいですね。あたたかい…
 
山口さん:なんかもう本当、子どもありきです(笑)
子どもが少ないから喜んでくれるんですよね。
うちの子にとっても、爺ちゃん、婆ちゃんがいっぱいいる環境(笑)
申し訳ないと思いながら…いろいろありがたいです。
 
―聞いているだけでこちらも嬉しくなります。
高原町へ移住したいと相談に来られる方達が主に心配されることに、仕事のこと・生活費のことがあります。山口さんはお一人でお子さんを育てていらっしゃって立派だなぁと思うのですが、生活のことについて、少しお聞きしてもいいですか?
 
山口さん:そうですね、何だろう…以前よりも今の方が、いい暮らしかな。
我慢はしていないし、元々暮らしを大切にしたいという気持ちがあるので、仕事もガツガツする感じでもない。今は9時~17時の勤務時間で、週5~4日働いている状況なんですが。

f:id:freelifetakaharu:20190621090849j:plain

藍染めが好きな山口さん。藍をこんな風にドライにして束ねるのも素敵ですね。

 

―仕事自体はどういった内容になるのですか?
 
山口さん:体力はすごく使う、肉体労働的な時もありますよ(笑)
仕事自体も軽くカルチャーショックというか、こんな仕事もあるんだ~!と思ったり(笑)薬草の選別、細かい作業だったり…今まで接客業を主にしていたから、田舎らしい仕事をしているなという感じ。おばちゃん達が座ってするような…そんな感じがちょっと嬉しいというか(笑)ストレスとかはあまり感じることはなくて、むしろ達成感の方が大きいですね。
 
―いいですね。じゃ仕事も得て、お家も素敵な所を見つけられて。野菜も新鮮なものを食べられるし…それでいいですよね、しあわせだと思う。
 
山口さん:“衣食住”ってありますけど、家がすごく快適で、食品も新鮮で肉なんかも安いし。お金をそんなに使わない分、他のことにも使える。娯楽といっても、「どこか呑みに行きたい」とかにはならなくて、皆で持ち寄りごはんして集まろうか~ってなる感じだから。

f:id:freelifetakaharu:20190621091118j:plain

山口さんの借りている一軒家。静かで景色のいい環境にあります。

 
―もう充分聞けているかもしれませんが…最後に高原町の魅力は何でしょうか?
 
山口さん:何もないところ、になるのかなぁ。自分が元々“暮らしを大事にしたい”っていう気持ちがこれからのテーマとしてあったから、それをストイックではなくて、程よくさせてもらえる環境がちょうどいい感じです。
まだまだ知らないことは沢山あるけれど、今思いつくことはできているので…これからも楽しみですね。

f:id:freelifetakaharu:20190621091353j:plain

山口さん、ありがとうございました。

 

「シングルマザーとしてのことも全然話しますよ」と言って下さり、色々とお話してくれた山口さん。離婚後実家にしばらく居た時期は、やはり金銭面など不安もあったそうですが「元々、どうにでもなるさ根性がいつも凄くて…死にはせんやろというか()」そう思っていたら、思ってた以上の暮らしができていると言います。
事を起こす前に慎重に考え込む人もいれば、とりあえず行動し、その都度考えて進んでいく人もいますよね。色んな生き方がありますが山口さんを見ていると、その時々の風をつかんで、とっても軽やかに楽しまれている様子。玄関先にひっそり置かれているカマを取り出し「変な人が来たらこれで追っ払うけんね!」と満面の笑みで明るく笑っていたり…。
“自分が楽しんでもいいっていう意識を持っていたい”
そんな風に生きていると、周りも明るくなるだろうし、勇気をもらう人もいるはず。まさに“母は強し”だなぁ~。見た目は華奢だけれど、しっかりとした芯の強さを持つ山口さんを見ていてそう思うのでした。
 
 
 
 
 
 

 

えがおリレーvo.10 倉住 宜實さん

f:id:freelifetakaharu:20190425084139j:plain

たかはるで日々暮らしをいとなむ人々。
その人生やありのままの姿をリレー形式で伝えていきます。
今回は第10回目、倉住 (たか)()さんです。

f:id:freelifetakaharu:20190613143104j:plain

宜實さんは20年以上、高原町で木工所を経営していました。
全国各地へ、主に陶器箱などの木箱の材料を配送していたそうです。
工場を閉めてからは自分の時間を楽しむ時間もできましたが
元来のものづくり気質は変わらず健在で、庭先の水路に水車を作り発電する仕組みを作ったり、木のお面やトロフィーを作ったりなど…
様々な趣味を楽しまれている様子です。

f:id:freelifetakaharu:20190613143238j:plain

ウワサの?水車は台風被害により取り外されていました。

 

f:id:freelifetakaharu:20190613143326j:plain

ご自宅前の水路にあった小さな…水車?「これは昔からあるイモ洗い機だよ」
中に土のついた野菜を入れると、水力でキレイに仕上がる便利なもの。
水のきれいな土地ならでは、ですね。
 

f:id:freelifetakaharu:20190613143430j:plain

過去に木のトロフィーを製作された際の名残り品。木ならではの温かみのある雰囲気です。

 

(たか)()さん:以前は狭野杉(※狭野神社の杉)でトロフィーを作りました。
狭野杉は名木ですからね、台風などで倒れてしまったものを使うんですね。
木工所をやる前は、杉の葉などで線香の原料を作っていました。
葉を切って、乾燥して、その原料を加工会社へ送って。
ブナの木の皮なんかは、仏壇用の線香が出来るんですよ。
 

f:id:freelifetakaharu:20190613143634j:plain f:id:freelifetakaharu:20190613143701j:plain

今年の棒踊りの様子。笠をかぶった唄い手の真ん中が宜實さん。

 
狭野神社で約400年続く伝統行事・御田植祭で披露される、五穀豊穣を祈願した「棒踊り」の唄い手でもある宜實さん。独特の唄い方や温かみのある声には、懐かしさのようなものも感じ、これから先もこういった生の唄声・伝統が絶えず引き継がれていくといいな…と願うような気持ちになります。
 
宜實さん:時期が来ると、棒踊り保存会の人達と歌の稽古をしています。小学校でも45年前から棒踊りをやっていますからね。狭野神楽も、区の行事になってからは舞い手が増えました。これからも続いていくだろうと思いますよ。
 

f:id:freelifetakaharu:20190613143820j:plain

 そしてこちらは、町内にある「高齢者工芸センター」
年配者の方々が豊かな経験と技術を活かして民芸品等の生産
や技術伝承の拠点となるよう建てられた施設です。
この場所を使って何かやろうか!と発起した宜實さんは
地域の仲間さん達に声を掛けて、夏頃からここでのものづくりをスタートさせる
予定です。現在は中にある機械の修理をしたりなど、着々と準備中…。
「これからがまた楽しみです」とほほ笑む宜實さんなのでした。
 

f:id:freelifetakaharu:20190613143934j:plain

宜實さん、ありがとうございました。

 
ゆったりと、腰の据わった雰囲気の宜實さん。
その穏やかな空気には、高原の地にしっかりと足をつけて生きてきたという、味わい深い気配が漂っていました。
今後もお仲間さん達と共に、ものづくりを楽しんでいってくださいね!
次回は移住者のお方…「魚釣りが好きな面白い人ですよ」とご紹介いただきました。どうぞお楽しみに…!
 
 

田中椎茸

f:id:freelifetakaharu:20190613113716j:plain

高原町で原木椎茸の栽培をされている「田中椎茸」さん。
自然栽培にこだわっており、霧島裂罅(れっか)(すい)を使用し大切に育て、仕上げに薪室で乾燥させた乾シイタケは、肉厚で旨味たっぷり!味の良さに定評があります。
それでも数年前の新燃噴火時には、降灰の影響からシイタケを全廃棄せざるを得ない状況になるなど、大変な苦労をされた時期もありました。しかし、そんな厳しい状況も何とか乗り越え、有機JAS(※農薬や化学肥料などを使用せず、自然界の力で生産された食品と認定されたもの)の取得をクリア。去年には晴れて『ひなたGAP(※東京オリンピックパラリンピックに食材提供できるとして県が審査・認証する基準)の認証を受けました。
 

―田中椎茸さんのシイタケ、プリッとした形で見るからに美味しそうですね。

 

邊木園(へきぞの)さん:おかげ様でね。皆さん、美味しいと言って下さるんだけど…自分で作ったものって野菜でも、何でも美味しいですよね。この前私の作ったシイタケスープを食べた人が、「砂糖が入ってるんじゃないか」って言うのよ。うまみと甘みがすごいもんで。
砂糖なんて入れてませんよ(笑)自分達がシイタケで加工品を作るときにも、手にベタァーとうま味成分がつくんですよ。あれが栄養分なんだろうな、と思うんですよ。

f:id:freelifetakaharu:20190613114124j:plain f:id:freelifetakaharu:20190613114150j:plain

乾シイタケを水に一晩漬けておくだけで、プリプリのシイタケと出汁が完成!料理に幅広く使えます。
その他、手軽に使える加工品開発にも精力的に取り組まれています。
 
乾シイタケと生シイタケの違いを聞いたところ「生シイタケに対して、干しシイタケは10倍も栄養価が上がるし、うま味は23倍も違うのよ」とのこと!
ならばもっぱら乾シイタケを食べるほうが良さそうですね。
 
そんな中、“原木椎茸・乾シイタケの魅力を広めたい!”と様々なレシピを公開している邊木園さん。特にアヒージョやステーキにして食べるのが簡単で美味しくオススメだそう。他にも、乾シイタケの戻し汁を朝飲む人もいるとか。それには血圧を下げたり、肝機能を整えるのに良いと言われているようです。

f:id:freelifetakaharu:20190613114352j:plain

こんな感じで手頃なボトルに水と一緒に入れておけば、いつでも便利に使えます。

 

邊木園さん:今はあくまで『キノコのうちの一つ』として見られているから、もう少し“原木椎茸”というものを発信していきたい。えのきやしめじは菌床栽培です。原木椎茸は自然の中で栽培されたものなので、そこを発信し広めていきたい。
 
―えのきやしめじは手軽に使えますもんね。でも原木しいたけは栽培の仕方から違っていると…。「きのこの一種として見られている」と聞いて、ん?と思ったけど、確かにその違いが見えてきますね。
 
邊木園さん:うん。同じ菌類ではあるんだけど、栽培の仕方から全く違うんですよ。
それに、核家族から始まり、女性が働くことで料理に手間を掛けられなくなってきて…ていう世の中だからこそ、簡単に使えるんだよってことも伝えたい。手の込んだものは中々しないですからね(笑) 日本の三大旨味の一つでもあるわけだから…。
 

f:id:freelifetakaharu:20190613114553j:plain f:id:freelifetakaharu:20190613114611j:plain

シイタケ栽培の最初の段階。
まず大量の原木を伐り出し、穴をあけ、シイタケの元となるコマ打ちをしていきます。
 

f:id:freelifetakaharu:20190613114709j:plain f:id:freelifetakaharu:20190613114739j:plain

この時は高原町のワーキングホリデー制度を利用し、関西から大学生が研修に来ていました。
「労働の大変さを実感した。高原町にまた来たい」とのことでした。
 
高原町の良さや伝えたいことなどがあれば、ぜひ聞かせて下さい。
 
邊木園さん:ここは本当に住みよいところだと思います。
子育てするにもいい場所だし、なんの心配も無く生活してきましたからね。
空気もいいし、高速ICもすぐそこにあるしね。これだけ眺めのいいところはないと思いますよ。自分たちは毎朝山を見て、あーっ(のびの仕草)と起きて、夕方にもまた山を見て「一日が終わった…」という実感のある生活をしている。
霧島裂罅水、霧島おろしの恩恵も受け、それで食物も美味しく出来るという土地ですからね、非常に良いところだと思いますよ。
さらに欲を言えば、(地元の人)ひとり、ひとりが凄くいいものを持っているので、皆で協力し合って何かできればいいなぁ…!という想いはありますね。
 

f:id:freelifetakaharu:20190613114916j:plain

邊木園さん、ありがとうございました。
 
今後目指すは、オリンピック!!
田中椎茸をオリンピックで食品として提供したいという野望をお持ちです。
実際に参加したミラノ万博では、シイタケの試食が飛ぶように無くなり、イタリアの有名シェフから店の食材として選ばれるなどの高評価をもらいます。海外でしっかりと手応えを(つか)んだことも自信となり、“とにかく原木椎茸の良さを広めたい”
その一念で、ご家族と共にシイタケ栽培へ精を出していらっしゃいます。
 
けれど数年前2度にわたり降灰の影響を受けた際は、ひどく落胆し生死を考える程だった…という邊木園さん。それから今のエネルギーに満ちた様子を見ていると、辛い経験を得たことで更にパワーアップされているようにも感じます。人生、山あり谷あり。けれど一番は、毎日笑顔でいることが大事なのかもしれない…と。ありきたりですが、運を引き寄せるかのような邊木園さんの明るい笑顔を見ていると、そんなことを実感したのでした。
 

f:id:freelifetakaharu:20190613115103j:plain

 
 
 
 

 

 
 
 
 
 

 

えがおリレーvo.9 入佐 征一郎 さん

f:id:freelifetakaharu:20190425084139j:plain

たかはるで日々暮らしをいとなむ人々。
その人生やありのままの姿をリレー形式で伝えていきます。
今回は第9回目、入佐 征一郎さんです。

f:id:freelifetakaharu:20190531090901j:plain

元々高原で生まれ育った征一郎さんは、現在76歳。
「若い時は元気だったし、前しか見ていなかったね」とおっしゃるように
28歳の時に自分で池をつくり魚の養殖を始めた誠一郎さんは、牛の世話をしながら
建設会社の運転手などをこなし、毎日懸命に働いていました。
そして、魚をさばきながら牛小屋には(衛生上)行けないから…と
ニジマスの加工品販売を始めたらそれが大当たり。
寝ずに作っていた時期もあったそうです。
 

f:id:freelifetakaharu:20190531091211j:plain

作業場の一角。朝4時に起きて池に魚を取りにいき、ご夫婦でニジマスの甘露煮を加工しています。
 

f:id:freelifetakaharu:20190531091257j:plain f:id:freelifetakaharu:20190531091323j:plain

加工したての甘露煮がどっさり。そのままでも、お米と一緒に炊いても美味しい一品です。
(※町内では高原駅売店に置いてあります。)
 
そんな苦労と引き換えにか、とても若々しく見える征一郎さん。
「元気があれば、何でもできますよね。昨日は山へ入って足をくじきましたが()
蜂蜜取りもしているし、田んぼもしています。池も離れた所に2カ所あるんですよ」
 

f:id:freelifetakaharu:20190531091940j:plain

魚を養殖している池は、山奥のとても気持ちのいい場所にありました。
「ここで昼寝するのが好きなんです()」湧水が溢れ出るパワースポットです。
 

f:id:freelifetakaharu:20190531092044j:plain

池にはニジマスの稚魚、鯉やヤマメがイキイキと泳いでいました。


もう40年以上にもなる入佐養魚場。
特にコイのあらいは根強いファンが多く、昔から取引のあるスーパー各店や
最近では有名シェフのお店にも卸しているそうです。
 
征一郎さん:まぁでも身体が続かなくなってきてますよ。老体にムチ打ちながら、あと1年、あと1年でここまできているんですよね。
近くには他に3人位しか魚をする人がいないので、やめたら困るんでしょうね。
考えようではありがたいことですがね、
この年齢になってまで仕事があるってことは。
 
―きっと人に必要とされることって、すごくエネルギーになるから…
 
征一郎さん:それですよね。気持ちでやってあげたことが喜ばれて、バーベキューをごちそうしてもらったりすることもあるし。
そういう人付き合いは沢山、ありすぎる位あります(笑)
ちょうど今の時期は知人の弁護士さん達が、うちの池周辺にホタルを毎週見に来るんですね。小屋に泊まり、そこから山登りへ行ったりしていますよ。
8年前くらいから毎年!よっぽど高原がいいんでしょうね。
 
―そうなんでしょうね。征一郎さんの思う高原のいいところは何ですか?
 
征一郎さん:一番好きな所は…やっぱり霧島山が見えるところですね、最高ですよ。景色のいい場所は他にも沢山ありますからね。
 

f:id:freelifetakaharu:20190531092544j:plain

広原駅周辺の入佐養魚場の前には、吉都線がずっと続いています。
この風景が大好きな征一郎さんは、10年以上前から毎年コスモスの種をお一人で撒き、線路沿いの風景に花を咲かせているそうです。
「きれいですもんね、いつも目にする場所だから…」
と日頃から当たり前のように、周辺のお掃除や花のお世話をされています。

f:id:freelifetakaharu:20190531093000j:plain

そんな風にお話を伺っている中、人との関係性に豊かさを感じたことから
“人徳があるんですね”と伝えると「いや、そんなことは無いんです。ただ人を喜ばせることが好きなだけです」とおっしゃいます。
 
征一郎さん:きれいですがね、人を喜ばせるっちゅうことは。
私はそういうことをするのが好き、だからお金は一銭も持ちません(笑)
 
―けれど、その分いろんなことが巡っているように思います。
 
征一郎さん:うん。こっちを喜ばせれば、あっちから返ってきますよ。
やっぱりこっちは助けとかないかんし、だからといって(困っている人に)見返りをもらおうとは思わんですがね。
何かいいことをすると、違う所から返ってくるんですよね。
お金も使った時は入ってくる。
今日は沢山売れたな~、あぁこの間使ったからだな、とかね。
それを貯めこめば欲がでますけど、人を喜ばせることに使いたい。
喜んでもらえるとこっちも嬉しいし、ありがたいことですよ。
そういうのが好きなんですよ、馬鹿だから(笑)
 
一度シェフの店へ魚を卸すのに、日を勘違いして間違ったことがあるんですよ。
そこにはすでに潰してしまった魚…。さて、これをどこに持っていこうかな~となるわけです(笑) その時は近所の知り合い2軒分、鯉こくにして持っていきました。
 
―いいですね。一見やってしまった失敗だけど、それを違う形でよろこびに変えられるっていうこと。うれしくなりますね。
 
征一郎さん:うん。損はしたけど、よろこばせた分はお金には変えられない
うれしさがありますからね。
 

f:id:freelifetakaharu:20190531093814j:plain

征一郎さん、ありがとうございました。
 
「朝、神棚に水をあげて、一日にひとつはいいことをしようと拝むんです」
そんなことをさらりとおっしゃる征一郎さん。
心の整った人…という言葉が浮かぶような在り方、
こんな方がいらっしゃるということ自体に、嬉しい気持ちになるのでした。
 
次回のえがおリレーは“水車で発電機を作ってるおじさん”だとか…?
どうぞお楽しみに!