合同会社 米夢

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10年前に鹿児島市から移住された追立隼嗣さんと、プロの米農家である有水耕治さん。お2人によって設立された会社「合同会社 米夢(まいむ)」では“特別栽培米”(※農薬・化学肥料の量が通常の栽培方法と比べて50%以下に抑えて作られたお米のこと)の生産・販売をしています。
少しずつ販路を増やしていく中、最近では「きりしまのゆめ」として商標を取り、ブランド化に向けて動き始めているということで…今後の展開が期待されるところです。
 
そしてお二人は家族でも親戚でもない、全くの他人同士。
一体どういう流れで一緒に米作りをするに至ったのでしょうか?
まずは鹿児島でのサラリーマン生活から一変,、農業を始めた追立さんにお話を伺いました。
 
―何がきっかけで高原町へ移住されてきたのでしょうか?
 
追立さん:最初は近く(高崎町)にいる親戚が経営しているきのこ園で農業の勉強をしようと来たんです。そのうちに高原町にある杜の穂倉で仕事をするようになりました。鹿児島でサラリーマンとして働いていましたが、自分には合わなかった。今思うと(サラリーマン時代が)楽は楽だったんですが…、妻の理解も得て移住し、もう10年農業に関わってきています。
こっちへ来てからは、せかせかしていた性格が落ち着いてきました。好きな事をしているのもあるけれど、自然の中で仕事をすることが、やっぱり自分には合っています。
この辺の人達も皆ゆっくりしていて親切ですしね。
 
そうなんですね。これまで農業に関わりながら、自然の中に身を置いてみて…
実感として、どうですか?
 
追立さん:大変は大変ですよね。サラリーマン時代は時間や人間関係、ノルマに追われる感じでしたが、今はこちらの思い通りにならない・出来ない “自然” が相手ですからね。
一生懸命やるんですが、自然環境に対して基本人間が出来ることは…限界があります。そこをどうやってうまく折り合いをつけながらできるのか、ですよね。
土地や自然に「生かされている」という感じなので、その辺が難しいと思います。

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―「生かされている」というのは 、自分が生かされているっていうことですよね?

 

追立さん:だと思います、そう感じます。土地があって作物が育ち、自分達はそれを収穫して生きていますもんね。水も自然の湧水なので、季節によって多少の差がありますから、思い通りにはなかなか…。

 

―思い通りにいかない、ていうのも結構な学びですよね。私は子育てを通してそれを実感しましたが… (笑) 

 

追立さん:そうですよね。自然を前にしての無力感というか、本当に自然の一部なんだなと思いますね。生かされていること、感謝の気持ちが実感としてすごくあります。今は自然の中で暮らせていることがいい。サラリーマンに戻りたいとかは全く思わないですね。

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会社周辺の景色。霧島山の下に広がる田園風景が清々しい。

 
現在、家族4人で暮らす追立さん。高原町で6次産業を学ぶために仕事をしていた最中、米農家であった有水さんの学習塾に娘さんを通わせ始めたことがキッカケとなり、二人は意気投合。「そんなに農業が好きなら一緒にやらないか?」との有水さんの誘いを発端に、二人で会社を立ち上げる運びとなります…。
後日、有水さんにもお話を伺いました。
 
有水さん:自分の子ども達はそれぞれの道で自立してる中で…これから先のことを、どうするかな~と考えてはいたんですよね。
“会社組織をつくりたい”という気持ちはずっとあったんです。そうすれば、自分に何かあった時に嫁さんを食べさせていけることはできる…というのがあったから。
 
―そんな最中で追立さんとの出会いがあり、会社を設立という流れになったんですね。
 
有水さん:農業は、自分で計画してやっていけるところが良いんですよね。雇われて、ただ言われたことをしているだけだと面白くないから、互いに同じ立場でできるやり方でやりましょうと。僕にただ言われてやっても、農業の良さが分からないですからね。

 

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―お互いを尊重し合いながら、一緒に仕事されているんですね。

 

有水さん:うん、すごい子やから…あの子は本当にいい子だからですね。うちの子ども達もすごく感謝しています。“追立さんが来てくれて良かった”って喜んでいますよ。戦後開拓で親父が開いた土地だから、潰したり、他人に渡す…というのはやりたくなかった。土地を売る、というよりも貸すという形が精いっぱいだなと思っていたんですよ。だから会社を作って、会社に土地を預けるという形を取れば、土地を売らなくて済むかなと思っていますけどね。今は二人でやるにも手が足りないほどになってきているので…経営的にはそんなにいい訳ではないですけど。

 

―いい形で道が開けてきているんですね。“合同会社”ということですが、お二人の役割がそれぞれあったりするのでしょうか?

 

有水さん:そうですね、どういう風に販売しようかとか、常に一緒に相談しながら何でもお互いに意見を出し合って進めています。自分としては、これからは彼がとにかく中心になっていかなきゃいけないから、ゆくゆくは新しい機械をいれて、自分はサポートに回るような感じにしていきたいと思っていますね。

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―追立さんと、有水さんご夫婦。ありがとうございました。

 

これからも高原で米づくりをしていき、お米を柱にして6次産業にも取り組んでいきたいという意気込みの追立さん。ただ現在、人手不足なのだそうで…農業の好きな方、興味のある方に是非来て欲しい!ということでした。
 
縁…って不思議ですよね。お二人共最初は全くの他人同士でしたが、ふとしたキッカケで出会い、そこから深い信頼関係を結ぶまで…そんなに時間を要していないように見えます。それがお互いにとって、まさに偶然であり必然だったというような物事の自然な流れの中、互いに協力し合いながら夢実現のために日々奮闘されています。
物腰柔らかく優しげなお人柄ですが、実はしっかり者で真の強い追立さんと、経験豊富な広い心と包容力でどーんと構える有水さん!といった感じで、とてもいい雰囲気のお二人。
そんなお二人が夢を持って一緒に進んでいく様子を見ていると、きっといずれまた素敵な縁が広がっていくんだろうな~という予感がしてくるのでした。
 

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えがおリレー vo.13 原田 智子さん

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たかはるで日々暮らしをいとなむ人々。
その人生やありのままの姿をリレー形式で伝えていきます。
今回は第13回目、原田 智子さんです。

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高原町で生まれ育った原田 智子さんは、3人の息子さんを育て上げ
今はお知り合いの仕事や孫の世話を楽しみながら生活されています。
 
“とにかく体を動かしているのが好き” だという智子さん。
2回はミニバレーに精を出し、JAの補助事業のお仕事や、
知人の牛農家さんのところで畑仕事や飼料運びのお手伝いをしたりと、
日々アクティブに動かれている様子。
今はそれに加えてお孫さんの世話も…けどそれは“嬉しい楽しみの一つ”だそう。
 
「クーラーの効いた部屋にいると、身体がだるくなるんですよ。
涼しいのもいい面があるんだけど、くもり空の中で外の空気を吸いながら働くのが好き!なんです。」

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手前が智子さん、この日は里芋の選別作業をお手伝い。芋をささっと手早く選別し仕分けます。

 

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「酢の匂いがしない?」確かにほんのり酸っぱい空気が漂います。虫や病気が流行らないように酢を撒いて下処理するんだそうです。なるほど~殺菌効果ということですね!
 
智子さん:都会にでる子もいた中、私は学生の頃からここを出たいとは思わなかったんです。けど出たことがない分…逆に言うとここの良さがよく分からないのかも(笑)
ただ水道水をおいしく飲むことができる事のありがたみは感じてます。県外に出た息子が帰るといつも言うんですよ、高原は水が美味しいって。
 
―そうですよね。特に夏で言うと、今までのイメージでは水道水はぬるいのが当たり前でしたが、こっちはおいしく飲めるのはもちろん、真夏でも冷たくって気持ちいい!台所で洗い物するにも何だか贅沢な気分になってます(笑)
 
智子さん:ですよね。それでも今はこの辺りの地形がどんどん変わってきていて…色んな所が伐採されてるからね。人工的なものじゃないですか、杉にしても。
自然な雑木が無くなってますもんね。
子ども達も、どこにカブトムシを取りに行っていいのかわからないみたいでね…(笑)
昔は雑木…どんぐりとかクヌギとかの木を蹴って、ポタポタ落ちてくる虫を採っていたんですよ。今はそういうのがなくなってきている気がします。
 
―やっぱりずっと住まわれていると、ちょっとした環境の変化を感じるんですね
 
智子さん:そうですね。昔は近くの川でも子ども達が泳いでいました。ちゃんと監視員を立てて、男の子達は自然のツルにぶら下がって、川に飛び込んでいましたよ(笑)今はもう学校も禁止しているし、あんまり泳ぐ人も見かけないけれど。
 

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子ども達が橋から飛び込んでいたという川。
今は水量が少ないようでしたが、水も綺麗で魚が泳いでいました。
 
智子さん:今は核家族で、本当に地域の人との交流も少なくなってきていますよね。
孫も老人ホームに行って交流したりしていますが、結構お年寄りに気配り出来たりするんですよね。そんな風にいろんな世代の人達との交流が、日常的にあるといいなと思います。
今は農業されている方も高齢になってきていて、大変そうな方も沢山います。
高原町でもそういう部分をサポートするシステムなどがあるとありがたいなと…。
収穫時期だけでも手伝ってくれる人がいると本当に助かりますから、そうやって人をうまく繋げていくようなことが求められているんじゃないかなとは思いますね。
 

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―お孫さんと一緒に! 智子さん、ありがとうございました。

 

ばぁば大好きな4歳のお孫さん。「遊びに行っていい?」と連絡をしてはしょっちゅうご自宅へ来て、元気に走り回ったり、ばぁばのお手伝いをしたり…楽しそうに遊んでいるようです。そんな孫の姿を愛おしそうに見守っている優しい表情の智子さん、これからも高原でゆったりと穏やかな暮らしを楽しんで下さいね。
 
そして次回は智子さんの息子さん!ご夫婦で整骨院を経営されているそうですよ。
どうぞお楽しみに。
 

 

 
 
 
 

 

 
 

高原アイスクリーム研究所

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高原町にある小野田牧場では
新鮮なミルクを活かしたアイス作りに取り組んでいます。
写真は商品の販売拠点として、約4年前に小林市にてオープンしたお店。
地元の食材にこだわったカップアイス商品をはじめ、店頭販売されているソフトクリームを求めて、連休中には車がずらりと並んでしまうほどの人気ぶり!

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店頭には随時数種類のソフトクリームがあるのでお好みで。これは2種アイスのせソフト。
「色々トッピングしてみてね」素敵な笑顔の店員さんに勧められ、塩・ナッツ・ソースをかけてみました。全メニュートッピング可能、自分で好きに作れるのって楽しい♪

 

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カップアイスも種類豊富!地元食材使用の素材にこだわったなめらかアイスです。

 

ソフトクリームは、そのままでも充分美味しいさっぱり濃厚ソフト!ボリューム満点ですが、意外と完食できてしまうようなさっぱりしたお味です。
今回は小野田牧場の代表である小野田 裕之さんにお話を伺いました。
 
―「高原アイスクリーム研究所」ていう名前いいですね。研究所っていうのが変化していくような定着しないイメージを持つのでワクワクするというか…。
 
小野田さん:そうだね。アイスクリーム事業を始めたきっかけにもなるんだけど…
僕は元々25年来ずっと酪農をしていて、MRT主催のご当地グルメコンテスト(※以下グルコン)に出場をしたことがキッカケで、アイスクリームを作るようになったんだ。
その時は町役場職員から依頼を受けて、コンテストに出場し優勝して高原町の名を広めたいんだという話があって。いろんな業者や異業種間で協力し合って、高原町のPRをしましょう…という話に感銘を受けて“いいねぇ!”って。
最初は牛乳を提供することで参加して、小林の業者さんにアイスクリームに仕上げてもらってね。結果コンテストで2位になって、その時は800食も売れたのよ。

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中央が小野田さん。かき氷にアイスがのった「ゆるりラテ氷」高原食材が結集した一品!

 

―初出場で準優勝は…大健闘ですね!
 
小野田さん:それで調子に乗っちゃって(笑) 来年は優勝だ!と再出場。
今度は抹茶テイストの「けったくり氷」というのを出品して、それは3位だった。
300食しか売れなくて、すごく悔しくて…これは実質負けだなと。
そこから火が付いたんだよね。
 
それからはアイスクリームも自分の思う味のものを作りたいと、今度は僕が先頭になってコンテストの品を仕上げて…出場して3年目に優勝できたんだ。
それも色んな業者さんに手伝ってもらって“高原アイスクリーム研究所のソフトクリーム”を使ってね。そのコンテストに出るために、アイスの工場を作ったんだ。
 
―コンテストありきで工場を作ったんですね!2年目で悔しい思いをして
3年目に悔しさをバネにして…。
 
小野田さん:そう、負けた時に本当に悔しくて。色々勉強してその年の10月には認可を得て。「アイスクリームを作るにはどうしたらいいの?」って小林の保健所にずっと入り浸って(笑) 担当者と協議を重ね、元々住宅だったスペースを改造して工場を作ったんだ。
 お客さんに「お店が小林にあるのになんで“高原”?」て聞かれるんだけど、名前の由来を言うと、高原の有志でずっとアイスクリームの味を研究してきたので“高原”と付けたかった。アイス作りに携わるキッカケを高原町のグルコンに作ってもらった…という想いがあったからね。今まで酪農一筋だったのが、いろんな業種や人と交流し広がりができて、色んな体験をさせてもらったことに感謝してる。
 
工場は2015年12月に完成して、その翌年2016年・2017年とコンテストで2連覇した。それは僕だけの力じゃなくて、沢山の協力者がいたからこそできたことだね。

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これは2017年に2度目の優勝を果たした「BEBUソフト」コンテストでの2連覇は高原町が初の快挙!

 
コンテストがきっかけで研究所をはじめて…それまでは酪農一筋だった小野田さん。ここ数年は「ずっと走りっぱなしだね(笑)」としみじみ振り返ります。
 
小野田さん:「ファーストペンギン」ていう話もあるけど、誰が先に見たことのない景色に飛び込めるかっていうね。無謀だとか言われるんだけど、そんな新しい世界が見てみたいし、おそらく皆そういう人達が草分けとなって様々な世界が拡がってきたわけだしね。
 酪農は衰退していて、10年前は宮崎県だけでも600軒位あったのが、今年は300軒を切ったのかな…。そんな中で、まだ影響を受けにくい加工業に余計シフトしてきた訳で、今後も力をいれていかないといけない分野だなと思って日々奮闘しています。
 
―減るとか無くなるとかって、一見ネガティブなイメージも持ちがちだけど、逆に言えば研ぎ澄まされてくる…みたいにポジティブにとらえて進むとまた未来が明るい気がしますよね。経済も小さい規模で、ローカリゼーションとか言って地域単位でやる方向性も提唱されていて、自然と調和的に生きていく道を選びたいという若者や、ローカルでうまく循環していく社会を目指す人も増えていると感じるし…。
 
小野田さん:うん、感覚的にはそんな感じかもしれないよね。スローライフの中でもお金を稼げる仕組みや資源って、高原町の中にも沢山眠っていると思う。それをどうやって発信するか、お客さんに買ってもらうかとか考えて、経済とうまく繋げていく方法を考えなきゃいけないし。特にこの情報社会が今後どういう風に変わっていくのか…これからのことは分からないけれどね。
 
やっぱり高原町に、人が集まる拠点が欲しいところだね。
実現は厳しいかもしれないけれど、業者が集まり加工までできるような道の駅的なものが、高原IC近くにあればいいよね。
そしてアイスクリーム研究所としては、やはり高原町に拠点を置きたい。常に場所は探しているんだけど…町内の空き店舗なんかも有効活用できればいいなと思っているところです。

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―小野田さん、ありがとうございました。

 
「まずは温泉!あとは皇子原公園がオススメ。ゴーカートや釣堀もあるし、結構遊べるよ~」
町内のオススメスポットを楽しそうに話して下さる様子からも、高原への愛が伝わってきます。小野田さんは悔しさをエネルギーに変えて、アイスクリーム研究所を立上げ、その先の未来まで見据えながら日々取り組んでいらっしゃいました。その姿は正直で、自然体であるように感じます。
本当に日々の暮らしの中でふいに起こること、その選択のひとつひとつが物事のカギを握っているというか…自分の人生も、後々振り返ってみると考えさせられますね~。
けれど何はともあれ、後悔先に立たず。しっかり今と向き合い、前を向いて軽やかに楽しみながら進んで行きたいな~とつくづく思ったのでした。
 

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えがおリレーvo.12 久保ぶどう園

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たかはるで日々暮らしをいとなむ人々。
その人生やありのままの姿をリレー形式で伝えていきます。
今回は第12回目、久保ぶどう園さんです。

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久保さん一家は、広原にあるご自宅の敷地内でぶどう園を経営されています。
取材へ向かうと、ぶどうを買い求める人が代わる代わる出入りしています。
これから9月にかけてが繁栄期!皆さん忙しそうに作業されていました。
 

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立派なぶどうが沢山~!キリシマ、クイーンニーナ、ゴルビー、ピオーネなどの数種類が並びます。
そのほとんどが皮ごと手軽に食べられるそう。
 

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今、一番人気なのはシャインマスカット。見るからに綺麗で美味しそう…!

 

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 こちらの女性は、久保 冷子さん。
小林市からご主人の元へ嫁ぎ、久保ぶどう園を始めてもう48年目になります。
ぶどう園の仕事についてお聞きすると…
「ぶどうの生育をみていくのが一番の楽しみですね。
周りは大変だというけれど、私達は慣れているから大丈夫。」と笑います。
 

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ちょうどこれからの季節、7月から9月にかけてが販売時期。
それが終ると剪定作業に入り、正月明けには芽が出てきます。
そこから約半年間はぶどうの袋掛けや薬の散布をしながらお手入れし、梅雨明けには収穫が始まる…というサイクル。
 

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試食も出来ます。味比べをして好みの品種を見つけてみては!?

 

奥に見えるのが、冷子さんの息子さんである一樹さん。
ぶどう園を継ぐ為、高校卒業後に福岡でぶどう栽培を学び帰郷。
子どもさんも3人産まれ、家族皆で暮らしています。
 
「ここには自然しかないですけど…」とはにかむ一樹さん。
この地で生まれ育った一樹さんにとって、自然が身近な暮らしはごく当たりまえのことのようです。そしてこの辺りでは、地域のつながりもしっかりと根付いています。
 
「地域の親同士も仲がいいですもんね、子どもも少ないですから…。
学校帰りに一人で歩いていた息子を見かけた人が車に乗せて帰ってきてくれたり、
うちの母は作った野菜を誰かしらに持って行って、物々交換して帰ってきたりしますよ()
 

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“お持ち帰り下さい”と、片隅に新鮮な野菜がゴロゴロ♪

…それが自然と成り立っているって素敵なことですよね。
人同士のつながりの大切さに気付き、都市部でもコミュニティーを作ろうとしたり、
物々交換的なことを始めている人達がいるくらいです。そういうことがずっと自然に根付いている場所がまだまだある…そんな気配に嬉しくなるのでした。
 

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久保さんご一家、ありがとうございました。
 
家族がそばにいて、一緒に仕事をしながら助け合える環境。
「近くにいて良い面も、悪い面もありますけどね…()」と一樹さん。
けれど家族が周りにいて助け合える環境って、何だかんだありつつも、やっぱりいいと思うんですよね。
久保ぶどう園には、家族ぐるみならではの落ち着いた雰囲気が漂っていました。
 
 
次回のえがおリレーは、とにかく身体を動かすことが大好き!だという元気な女性です。どうぞお楽しみに!
 
 
 
 
 

 

えがおリレーvo.11 堀田 博文さん

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たかはるで日々暮らしをいとなむ人々。
その人生やありのままの姿をリレー形式で伝えていきます。
今回は第11回目、堀田 博文さんです。
 

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 宮崎県内で美術教師として働いていた堀田博文さん。
ちょうど定年を迎えて退職する頃、高原町広原地区にある“当初は荒れ地のようだった”この場所を見つけて瞬時に気に入り、土地の購入を決めたといいます。
その後建てられたお家は、憧れていたヨーロッパの古い木造建築がモデル。
この辺りの広々とした景色によく馴染んでいます。
そんな博文さんのお部屋には、動物の骨や植物、沢山の絵や書物が置かれていて、いかにもアトリエといった感じの雰囲気でした。
 
―元々絵がお好きだったんですか?
 
博文さん:高校で美術部に入って、ハマってしまったというか。最初は教師をやりながら自分の絵も描けるだろうと思っていたら…とんでもない!(笑)現場に入ってクラスを持ったら、もうどっぷりですよね。学校にいる間は、学級づくりや生徒達と向き合う日々でした。
定年後はお金よりも自分の時間を大事にしたいという思いがあって、やりたいことや趣味を楽しんでいますが…お金も無くなってくるし、今焦ってきてるんですけどね(笑)
 
―(笑)今やっと自分の時間を楽しまれている所なんですね。
 
博文さん:そうですね、他にもまだやりたいことが一杯あって…。
定年して2年後に小林で個展を開いたんですが、今はここ最近書き始めたシリーズに夢中になっていて、この流れで次回の個展をやりたいなと思っています。
あとは佐多岬などへ釣りに行ったり、料理も好きで、キッチンには料理本がずらーっと並んでいますよ(笑)酵素作りにもハマっていて、“これは何でも出来るわ!”と、いちご、びわ、桑の実…何でも試しに作っているところです。
 

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お部屋の棚には思い出の品や、堀田さんの好きなものがズラリ!

 

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机上の壁に飾られている絵は、若い頃のお気に入りの作品。右の絵は最近書き始めたというシリーズで
葛飾北斎にインスピレーションを受けて仕上げたものだそうです。
 

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何気なく置かれた一枚の絵。無造作に置かれた植物と相まって、いい雰囲気です。
「大学生の時に描いた絵。厚手のいい紙なんですが、今はもう無いんですよ…。
これを土に埋めてしばらく置くと、カビが生えたりして思わぬ色が出るんです。
それを取り出しきれいに乾かして元の紙に戻ったところで絵を描くんです。」
 

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★写真から肖像画を仕上げてもらえますよ。ご興味のある方は090-7169-8000(堀田さん)まで。

 

高原町に移住されてきて、好きな所や思う事などあれば聞かせてもらえますか?
 
博文さん:色んな人達をつなげていって、ネットワークをつくれたらいいですね。
お偉いさんだけじゃなくて、地元の面白い人達なんかを集めて会をしたらいいと思うんですよ。高原町の売りと言えばもう“自然”だと思うんです。
いかにこの自然を残していくかということが何より大事じゃないかと思っていて。
水が美味しいでしょ?こんだけ溢れている所っていうのは中々ないですよ。
この水を絶対に守らないといけないし、
この水を守るためには山に手を入れないといけない。
今どんどん杉を切っているけど、そのあとに広葉樹とか植えて自然を守っていかないと。
何にせよ将来大切にされていくのは、この自然じゃないかと思っています。
町に箱物を作っても維持管理費にお金が掛かる訳で…それよりはこの自然を残していくような形で。川をきれいに保つとか、今の自然環境を守っていけたらいいなと思っています。

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博文さん、ありがとうございました。
 
たまたま、お子さんが堀田先生にお世話になったという人に話を聞いたのですが
当時サッカー部の顧問をされており、生徒達からも“ホッタマン”の愛称で慕われていたとか。定年後にも家を建てる時など…何かしらの際に出てくる生徒さん達からのサポートの話。
きっといい先生だったんだろうなぁ~という雰囲気が、その幅広い知識や探求心、優しいお人柄に滲み出ているのでした。
「先生時代にはもう、心をすり減らしましたよ…」そう笑う博文さん。
これから先も充実した日々を楽しんでいって下さいね!
 
次回のえがおリレーは、ご近所さんの「久保ぶどう園」をご紹介いただきました。
ちょうどこれからが旬の季節ですね~!どうぞお楽しみに。
 
 
 
 

蕎麦庵みやなが


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祓川水源の近くにある『蕎麦庵 みやなが』
祓川の湧水を使用した美味しいお蕎麦が評判で、週末は沢山のお客さんで賑わっています。ご自宅をお店として構えられ、お手入れされた広いお庭には湧水を引いた池などもあり、自然と心が和んでくるような雰囲気です。
 

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お店が始まったのは、およそ11年前。
ご主人の長治(おさはる)さんが、経営していたクレーン会社を息子さんに譲った後の新たな挑戦でした。元々祓川出身で幼い頃から神楽そばが身近だったこともあり、蕎麦に対しての思い入れは筋金入り。
そんな蕎麦好きが高じて職人さんの元で蕎麦打ちを習い、調理師免許を持っていた奥様と一緒に念願のお店をオープンするに至ったのでした。
 

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店内の様子。元々夜神楽でふるまいをしていたご自宅には一晩で300人来たことも!「だから徐々に広くしていって…広さはあったんですよ()」空間が生かされ、独特の落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
 
おかげ様でお店は順調。客足も絶えることなくここまで続けてこれた…
と言う長治さん。
お話を聞いていても、始めからごく自然に物事が流れているように感じます。
「蕎麦は水も大事。ここは美味しい湧水もあるし、無理なくやれていますよ。
こういう土地でないと井戸を掘ったりしているところでしょうからね」
 

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こちらは「天婦羅ざる蕎麦」コシのあるお蕎麦と丁寧に作られた出汁。脇には季節の天ぷらやお漬物などが並び、素材の味わいを引き立てます。お蕎麦を頂いた後の蕎麦湯がまた美味しい~!
毎年12月の第2土曜に舞われる『祓川神楽』。そこで振る舞われるお蕎麦が通称“神楽そば”です。
祓川地区の人達にとって、蕎麦はなじみ深い存在です。
 
「祓川は自然豊かだし、水も綺麗で最高の場所ですよ」と奥様の信子さん。
お客さんにも“また来ます”と言ってもらえて、今度はご家族や兄弟と一緒に来て下さったりしてね。お店を通じての出会いも沢山あって本当に良かったです…とほほ笑みます。
 
そんな風に馴染みのお客さんからも愛されているお店ですが…
「もう店を閉めようと思ってるんですよ」とのお言葉が。
えぇ!?とびっくりです。

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信子さん:ぼつぼつやれればいいんですけどね…
土日の忙しさが中々大変なんです。
この辺は皆さん年配で(お店の手伝いを)頼めるような方がいないんですよ。
なので急遽どうしてもって、遠方の親戚にお願いして手伝いに来てもらったりしている状況なんです。もう年も年ですしね…(笑)
 
今のところ営業は今年の10月一杯かもしれません。
年末の蕎麦はやりますが、今後は様子を見ながら予約のみのお客さんでやれたらいいのかなとは思っています。人手がいないと皆様にご迷惑をかけますからね。
 
“それは、例えば土日だけでもお店を手伝う方がいたら続けられるものなんですか?
”と尋ねると、そうですね…とのお返事が返ってきました。
 
そこは何とかならないものだろうか。
土日パートをしてくれそうな人…思わず頭の中で探してしまいました。
お店が無くなってしまうのが残念なのは私だけではなく、沢山おられるはずです。
無理なくやれるのであれば、土日だけ、予約だけでも続けられる可能性はありそうですが、今後も何かしらの形でお店が続いていきますように…と願うばかりなのでした。
 

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宮永さんご夫婦、ありがとうございました。

 

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たかはる人のお仕事事情~山口 幸恵さん(薬草店勤務)~

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福岡県太宰府育ちの山口さんは、今から半年程前に高原町へ移住してきました。
定年を迎え故郷である鹿児島に家を建てたご両親が、高原までドライブに連れてきてくれたことをきっかけに、実家へ帰る度に高原町へ出向いては神社や御池などをまわり癒される…というドライブコースが定番になっていったそうです。
 
山口さん:ある時「山下薬草店」が人を募集しているのを知って。その時は鹿児島の実家で暮らしていたんですけど、まずは薬草店に通いながら家探しして、高原町に住んでみようかなと思ったんです。通勤の距離はあるけど、好きな職場と好きな場所だったから迷いもなく…(笑) 元々神様や神社、神楽もすごく好きだし。それに水のきれいな所に住みたいっていうのが一番…!そして自分が恵まれていたと思うのは、もう移住する前に仕事場を見つけて働いていたから、逆に安心して生活を始められたことでした。
 

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山下薬草店での仕事風景。細い身体で力仕事も何のその!和気あいあいと楽しそうです。

 
―そうですね、いきなり全部スタートじゃないから…それは良かったですよね。
 
山口さん:職場も従業員同士の絆がすごく強くて、引越の時にも皆手伝いに来てくれて…。引越当初は、それまで全く古い家に住んだことがなかったので(家のことで)困ることもあったけど、そういうのも職場の人に見てもらって解決したり。
助けてもらえる環境があって、本当に幸せだなぁと思います。
 

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小さなお子さんと二人暮らし。「子どもに人間らしい暮らしを教えてあげたい。大人になって生き方を選ぶのは彼だけど…」その気持ち、同じ母としてよく分かります。
 
山口さん:周りの人、近所の人達もすごく良くしてくれて。二人で散歩していると「おいでおいで~」って家に上げてくれたり「ちょっと待って~!」ってわざわざ追っかけてきてくれて、野菜やお菓子をくれたりとか(笑)
 
―わ~!すごくいいですね。あたたかい…
 
山口さん:なんかもう本当、子どもありきです(笑)
子どもが少ないから喜んでくれるんですよね。
うちの子にとっても、爺ちゃん、婆ちゃんがいっぱいいる環境(笑)
申し訳ないと思いながら…いろいろありがたいです。
 
―聞いているだけでこちらも嬉しくなります。
高原町へ移住したいと相談に来られる方達が主に心配されることに、仕事のこと・生活費のことがあります。山口さんはお一人でお子さんを育てていらっしゃって立派だなぁと思うのですが、生活のことについて、少しお聞きしてもいいですか?
 
山口さん:そうですね、何だろう…以前よりも今の方が、いい暮らしかな。
我慢はしていないし、元々暮らしを大切にしたいという気持ちがあるので、仕事もガツガツする感じでもない。今は9時~17時の勤務時間で、週5~4日働いている状況なんですが。

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藍染めが好きな山口さん。藍をこんな風にドライにして束ねるのも素敵ですね。

 

―仕事自体はどういった内容になるのですか?
 
山口さん:体力はすごく使う、肉体労働的な時もありますよ(笑)
仕事自体も軽くカルチャーショックというか、こんな仕事もあるんだ~!と思ったり(笑)薬草の選別、細かい作業だったり…今まで接客業を主にしていたから、田舎らしい仕事をしているなという感じ。おばちゃん達が座ってするような…そんな感じがちょっと嬉しいというか(笑)ストレスとかはあまり感じることはなくて、むしろ達成感の方が大きいですね。
 
―いいですね。じゃ仕事も得て、お家も素敵な所を見つけられて。野菜も新鮮なものを食べられるし…それでいいですよね、しあわせだと思う。
 
山口さん:“衣食住”ってありますけど、家がすごく快適で、食品も新鮮で肉なんかも安いし。お金をそんなに使わない分、他のことにも使える。娯楽といっても、「どこか呑みに行きたい」とかにはならなくて、皆で持ち寄りごはんして集まろうか~ってなる感じだから。

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山口さんの借りている一軒家。静かで景色のいい環境にあります。

 
―もう充分聞けているかもしれませんが…最後に高原町の魅力は何でしょうか?
 
山口さん:何もないところ、になるのかなぁ。自分が元々“暮らしを大事にしたい”っていう気持ちがこれからのテーマとしてあったから、それをストイックではなくて、程よくさせてもらえる環境がちょうどいい感じです。
まだまだ知らないことは沢山あるけれど、今思いつくことはできているので…これからも楽しみですね。

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山口さん、ありがとうございました。

 

「シングルマザーとしてのことも全然話しますよ」と言って下さり、色々とお話してくれた山口さん。離婚後実家にしばらく居た時期は、やはり金銭面など不安もあったそうですが「元々、どうにでもなるさ根性がいつも凄くて…死にはせんやろというか()」そう思っていたら、思ってた以上の暮らしができていると言います。
事を起こす前に慎重に考え込む人もいれば、とりあえず行動し、その都度考えて進んでいく人もいますよね。色んな生き方がありますが山口さんを見ていると、その時々の風をつかんで、とっても軽やかに楽しまれている様子。玄関先にひっそり置かれているカマを取り出し「変な人が来たらこれで追っ払うけんね!」と満面の笑みで明るく笑っていたり…。
“自分が楽しんでもいいっていう意識を持っていたい”
そんな風に生きていると、周りも明るくなるだろうし、勇気をもらう人もいるはず。まさに“母は強し”だなぁ~。見た目は華奢だけれど、しっかりとした芯の強さを持つ山口さんを見ていてそう思うのでした。