お食事処 山田ん家
緑追い茂る景色、お庭にはハンモックのゆらぐ樹と小さな菜園。
心がホッとするような、のどかな場所にあるお食事処「山田ん家」
後川内地区で、自宅兼お店として開業されてもうすぐ2年目だそうです。
銅窯で焼いたピザやパスタなどの美味しいお料理がゆったりといただけます。
オーナーの山田 真一郎さんは、お店のことを全てお一人でこなされています。
ひとけのない場所で、ひとりでお店を切り盛り。街中では得られにくいような
素敵な環境の場所ですが、そこは覚悟を決めて!というところでしょうか。
お話を伺うと、最初はやはり「お客さん来てくれるかな?」という不安もあったそう。
けれど小林や宮崎市内など、結構遠方からでも来てくれるお客さんがいる。
それがとてもありがたいですね…と、しみじみ語られます。
学生時代は剣道に励んでいたという山田さんの作るお料理は、とても丁寧に作られているのを感じます。一皿、一皿に込められた気持ちが、そのまま口を通して心に染み入り、何ともありがたいような美味しさに満たされます。
高原で家探しをしていた際にここを案内され、その日の内に決めたというお店兼ご自宅。
ほとんど改装していないという室内は、お庭も望める居心地の良い空間です。
―料理に興味を持ちだしたキッカケを教えてください。
山田さん:今思えば、つくることが好きなのかなと思うんです。
前職もモノづくりに関わる仕事だったし、お店の外の看板なども人に頼めば早いんでしょうけど、自分で作ったりして。以前鹿児島で働いていた飲食店には、ピザ窯がありました。お店に入りたての頃、意外とすぐ窯の仕事をすることになって色々と覚えることが出来たし、今後は薪窯を作ってのピザ作りとか…。そういうことをやるのも面白いかなと思っています。
お店で出すナポリ風ピザは生地から手作り!ささっと手際よく具を乗せ、銅窯へ…
火加減を調整して、あつあつのピザがあっという間に完成~!
―お店のピザも美味しいですね、丁寧に作られているのがよく分かります。
いい意味でのギャップもいいなと(笑) 男っぽい感じで繊細な仕事をされる。
お料理することに対して、大切にしていることはありますか?
山田さん:やっぱり喜んでもらえるのが嬉しいので…。出来る範囲で、雑にならないようにということです。そういうのって伝わってしまうと思うので。
実際一人でやっているので、仕切りの向こう側(厨房)ではテンヤワンヤやってるんですよ。そんな流れで、わぁーっ!と持っていくのも…(笑) ね。
なので一旦(仕切りの前で)止まって一呼吸し、その流れのまま料理を運んでいかないようにはしています。
―運んでこられる雰囲気からは全く想像がつかないです、落ち着いて丁寧に運ばれてますもんね。
山田さん:止まって…何事もなかったかのように(笑)
伝わってしまうものはどうしてもあると思うんですけど、運ぶ人と作る人とそれぞれいる訳ではないですから…。
―そうですね。けど作っている人が運んでくれることに温かみというか、心がこもるものもあるのかなぁと思います。
そして去年、高原へ移られてきたということですが…ここでの暮らしはどうですか?
山田さん:そうですね。やっぱり、いい所ですよ(笑)
高原の人達は熱いというか…周りに広めてくれたり、良くしてくれる感じがすごいなあと思っています。近所の人達も、来てくれて良かったと言ってくれるし、地区の集まりでお店を利用してくれたり。本当にありがたいですね。お店もずっと続けられたらいいでしょうけれど、今を大事にしていきながら、変えていかなきゃいけないことは、変えていきたいと思っています。
丁寧に盛られた前菜と、色鮮やかなデザート!こちらはランチコースの品々。
庭先にある自家採れ野菜もお料理に彩りを添えます。
山田さん、ありがとうございました!
「一人でやっているので、中々お客さんと会話も出来ないんです…」
とひとりであるが故の申し訳なさがお話の節々に見え隠れしていましたが、、
それは仕方のないこと。
それ以上にここで食事を頂くことで心満たされているお客さんは少なくないはずです。それはきっとお料理に込められた想いを、ちゃんとお客さん達が受け取っているということなのでしょう。そして今、ひそかにお菓子作りに力をいれてらっしゃるそう。そのうちお持ち帰りできるデザートも現れる…かも?!
これからもどうぞ、山田さんらしいやり方で笑顔を広げていってくださいね。
お客様が帰られた後の片づけ中、卓上に置かれていたというメッセージ。
「こういうちょっとした気持ちが嬉しくて、また頑張れるんです」(山田)
一番好きな食べ物は?の質問に「まんまかと思われそうなんですけど…おにぎりなんです🍙」
と恥ずかしげに笑顔で答える山田さん。うーん…ずるいっ!(笑)
いや、でもそうですよねー。やっぱり塩にぎりですかね~本当。