高原町中央公民館図書室

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高原町の中央公民館内にある図書室のこと、ご存知でしょうか?
平成28年度に図書や配置などが見直され、こどもの図書室など程よい冊数で温かみのある雰囲気となっています。
 

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新刊のお知らせなどは道路わきにある掲示板で…手作り感がいいですね。

 

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公民館の玄関口から中へ入ってすぐ左側にある部屋が「としょしつ」
日当たりの良い室内には絵本、児童書などが置いてあります。
畳に机が置いてあるので、育児中のお母さん方など…お子さん連れで気軽に絵本を選んであげられます。
 

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手作りで飾り付けられた室内。棚には「小学生が作ってくれたんですよ~」という折り紙の可愛いオブジェ。何だかほっこりしますね。
 

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「としょしつ」を出て奥に進むと、大人向けの「図書室」があります。
程よく分類された室内にはテーブルなどが置いてあり、夏休み中の子供たちの勉強スペースになったりも…。
 

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こちらは宮崎県立図書館が選書した「やまびこ文庫」のコーナー。
4回ほど入れ替わりがあるので、毎回楽しみにしていらっしゃる方もおられるようです。その他、最近は利用者の要望に応えて漫画本のコーナーも充実!
人気のマンガや名作(特に手塚治虫が充実)が揃っていますよ。
 

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こちらは今回実際に借りた本です。
子供の絵本と、合間にちょっと読めるような書籍を…。
絵本も名作がおさえてあったりして、室内も居心地が良いので
子供連れでも、用事ついでにちょこっと立ち寄るのにいいな~と思いました。
 

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こちらは職員の末山さん。「ぜひご利用ください~♪」
 
貸し出しは一度に5冊、貸出期間は2週間です。
初めてのご利用の方でも貸出カードはすぐ作れます。
利用者からの本のリクエストにも、出来る限りは答えてもらえるそうですよ。
 
高原町 中央公民館図書室】
■開館時間
平日8001700 休日10001600
■閉館日
祝祭日・町の行事時など

岩佐製茶

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高原町西麓の道路沿いにある民家で、お茶の栽培・製造をする「岩佐製茶」が営まれています。行ってみると…ここかな?という位に一見普通の民家なのですが、中へ入ってみると茶畑や工場などがあります。普通に無意識でいると…ここにお茶屋さんがあるとは気づきにくい場所です。
ではなぜ知ったのかというと、岩佐製茶さんの発信するインスタグラムがきっかけでした。
その発信者である祐子さんは、経営者である父・政弘さんの娘さんです。
 
普段は実家を離れ都城でご家族と共に生活しておられますが、インスタやfacebookの情報発信の他、イベント出店や、カフェに商品を置いてもらったりなど…楽しんで活動しておられるそう。「広報担当です」と明るい笑顔で話す祐子さん。
お茶づくりはご両親、3代目のお兄さんが主に作業されています。
 

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工場内の様子。年季の入った機械の佇まいが、何ともかっこよい。
 
 祐子さん:お茶工場には幼い頃の思い出が沢山詰まっているんです。
ここで遊んだり、夜寂しくなって工場へ行って宿題したり…
行けば必ず誰かがいました。
昔は粉茶のグリーンティとがあって、あれはほんのり甘くて美味しかったなぁ~
と今になって思い出したり。常にお茶が当たり前にあったので、スーパーへ行っ
て緑茶のペットボトルを箱買いする人達をみて不思議でした。
家のお茶、家で淹れるお茶のほうが美味しいのに…って。
お茶も県外から注文があり送ったりしていたのに、身近なとこにはどこも置いて
いない。なので、パックのデザインも可愛くして若い人向けに作ったらいいんじ
ゃないか…と。お茶の美味しさには自信があるだろうと、パッケージだけ変えて
みたら、評判も良くて。
 

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こちらがその商品。たかはる軽トラ市でコースターとセットで出したら完売したそうです♪
 
ーここはいつからお茶づくりをされているんですか?
 
政弘さん:昭和47年僕の親父の代から、ここらでお茶の定植が始まったの。
僕自身が30歳位から関わり始めたかな。その頃はお茶が良く売れて一番いい時期だった。景気が良くなったからと、皆機械の更新やらし始めて…しなきゃいいのにね(笑)
そしたらお茶のペットボトル販売が始まった。お茶というのは5~8月に出来るんですが、寒い冬にもお茶が売れ出す…。これは年中お茶が売れるぞ!と、また皆機械買ったり投資したり…。ただ、今度はペットボトルが売れ出して、消費者が急須のお茶を飲まなくなった。それで冬の茶葉がガクーンと売れなくなって…。一時期は大打撃でした。
今は割と落ち着きましたがね、まぁお茶を飲まないような時代は来ないだろうし…。
 
ーそうですね、私もお茶はずっと飲むと思います。
日頃お茶仕事をしていて、好きな瞬間とかありますか?
 
政弘さん:え?…仕事はよだきいなぁ~って(一同 笑)
祐子さん:なんかお兄ちゃんが言ってたよね、仕事が終わって電気を消した時の静けさが好き、とか(笑)
政弘さん:あぁ、そういうのならあるよ!一番茶は一斉に茶葉が出るんですよ、だから一気に摘みこんでいく。すると一日にどれだけ加工できるかなんですよ。夜に蒸気で蒸しあがるのが夜の9時位に一段落し、それが製品として上がってくるのが夜中の2時位。
それが終って、電気を消して、シーンとなる。あぁ終わったってほっとする瞬間…
ていうのが息子の話ね。
私は茶摘み担当だから、全部摘み終わって夕方にビールをぐいっとやる時かな(笑)
 

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夏休み中のお孫さん達がいて和やかな雰囲気の中…ご自宅でお話を伺いました。
 
ーいいですね~。私はお茶の事に詳しくないのですが、今はどういう時期ですか?
やっぱり一番茶が美味しいものなんでしょうか?
 
政弘さん:今は一番、二番茶、三番茶が摘み終り…一年間のお茶が全部終わったところ。お茶は夏場に作業するので、これからは野菜づくりで生計を立てていくわけです。
 
やっぱり一番茶が一番おいしいよ。お茶摘みを終えた4番目のお茶を、病気や虫やらから守りながら、来年の為に大事に育てていく。そこから7カ月間かけて茶木を回復させた後の、一番目に摘まれるお茶だから、栄養たっぷりで美味しいんですよ。芽が出ちゃ摘まれ、葉がでりぁ摘まれ、それでも茶の木に花が咲く…とね(笑)
 
消費者の皆さんに、お茶の美味しい飲み方を知ってほしいです。
夏だったらコップにティーパック入れて濃ゆーく出して氷入れて飲む…とか。
 
浩太郎さん(娘さんの夫):一度飲んでみて下さい。俺も全然お茶を知らない人だったけれど、飲んでから他のお茶が飲めないというか…味を知るようになりました。
 
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祐子さん:「お父さん…それ、はし!?」  政弘さん:「素手よりいいじゃろー!()
 

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実際に濃ゆーく水出しした緑茶を作って頂きました。もちろん…美味しい!
 

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岩佐家の皆さん、ありがとうございました!
 
取材に伺う前、岩佐製茶さんのfacebookにあるモノクロの家族写真を見ていました。それがいい雰囲気で…。実際に行ってみると、なんだか本当に想像通り!
大人達が賑やかに話す中、日焼けした子供達がおのおの遊んでいる…そんな日常風景。仲の良い家族の笑顔を見ていると、それだけでもお茶が美味しそうに感じます。「どんな形でもいいから知ってほしい」という祐子さんも、きっとご家族が大好きで、お家で作られているお茶が美味しいと、心から思っていて…。
だからこそ皆に伝えたいし、知ってほしいんだろうなぁ。
とってもシンプルで真っすぐな気持ちに、こちらまで心が晴れ晴れしてくるようでした。
 

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ハタイ自然療法センター

 

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南狭野地区にある施設「たかはるヒト×コト交流センター」内に、ハタイ自然療法センターがOPENしました。立上げ人の幸田麻紀さんは、元々関東でアーユルヴェーダの治療に関わる仕事をされていましたが、様々な縁がつながり7年前に宮崎の地へ移住。
現在は西都市で「アーユルケアはうすモークシャ」を営業されながら、新たな移住先の高原町で滞在型リラクゼーション施設をつくりたい…!と志を抱かれ、様々な活動をされているとてもエネルギッシュな方です。
アーユルヴェーダ自体、世に広く認知されている訳ではないので、それってなに?どんなことをするの?という方も多いと思います。
アーユルヴェーダとは、5000年前から続くインド伝承の医学です。(世界最古!)
“生きるための知恵”という意味があり、様々な症状に合わせてマッサージなどの治療が施されます。《人には3つの要素(ヴァータ・ピッタ・カパ)が備わっており、そのバランスが崩れると病気になる。そのバランスを取ることで健康を保つ》という根本理論に基づき、症状に合わせた施術が行われます。
今回、まずは実体験を…ということで、メニューの一つである「シロダーラ」を受ける様子を拝見させて頂きました。
 
まずは問診票。生活習慣などの問いに対して記入し、ヘッドマッサージを受けます。
その後用意されたバスローブに着替え横になり、額に向けてオイルを垂らします。
頭から下に、手でオイルを流す感じで、繰り返し繰り返し、垂らし続けます…
見るからに心地よさそう~!
 

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《シロダーラ》オイルを額に垂らし続けて、ストレスや不安を取り除きます。

 
シロダーラ後はゆっくりお風呂に入れます。
部屋に戻ってくると、すっきりした表情の当人さん。
顔色が施術前と明らかに違います。
“意識がどっか行ってた” …そうでしょう、イビキをかいてらっしゃいました(笑)
 
幸田さん:頭が軽くなって、(肌色が)白くなるんですよ。半瞑想状態が一番いいんです。
夢かな~起きてるかな~みたいな。今日は良く眠れますよ。
ストレスにもすごくいいんですよ、シロダーラは。ストレス疾患、うつ、精神疾患摂食障害とか…血圧などにも効果があります。
 
―そうなんですね、見るからに心地よさそうで…私もやりたかったです(笑)幸田さんが、最初アーユルヴェーダを学ぶことになったキッカケって何だったんでしょうか?
 
幸田さん:最初は…というか、子供のころから遺跡が好きだったんですよ。
カンボジアアンコールワットとかね、本当に好きで。小学生の時はお地蔵さんが好き、とか図鑑だったら遺跡のページばーっかり見てたりとか…
変わった子だったんです(笑) 東洋の古い建物が好きだった。
でもなんかね~、そっちに行こうとしたら壁にあたるの、大学受験とかもね…。
 

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そんな中、病院でアレルギー体質だと診断を受けた幸田さん。
副鼻腔炎になり、すごく痛い鼻洗浄や、抗生物質の服用でお腹を壊したり…
こういう治療は合わないなと気づきます。
大学の授業で漢方が身近にあったことで東洋医学を独学で勉強し、そこからアーユルヴェーダの魅力にはまってからは猛勉強!関東で統合医療を行うハタイクリニックで研修ののちに、8年半そこで働きながら経験を積みます。そして20代の頃から「移住するなら南へ」との想いがあった幸田さんは、恩師がお亡くなりになる前に“移住してアーユルヴェーダを広めます”と伝えたそうです。
 
幸田さん:アーユルヴェーダに行きつくまでは壁に当たることが多かったけれど、アーユルヴェーダに関わってきたら、どんどん縁ができたり物事が繋がってきてるんです。ポンポン決まって、流れに乗って行ける感覚があったので、これが使命なんだろうなと思って。遺跡の研究は今世ではやるべきことじゃないんだろうなと。
…ずっと好きなんだけどね(笑)
 
無いものを作るのが得意なんです。
よく「獣道を作る人」って言われるんだけど(笑)
7年前に来たときは宮崎にアーユルヴェーダは全くなかったんですよ。
地道に広げてきて…まだまだなんですけどね。
でも楽しんでやってるから、楽しそうに見えるみたいで、どんどん人が集まってきてくれる。インドの講座なんかを企画したら、珍しいのでけっこう人が来たりしてね。
 
―“楽しさ”に人は惹き寄せられるんですね。高原町アーユルヴェーダって…
ぴったりという感じがします。
 
幸田さん:高原町の自然環境と、アーユルヴェーダはすごくマッチします。アーユルヴェーダの町にします!ってクラウドファンディングでも言い放ってきました()
そしたら美容室でもヘナを導入することになったりしてね。
自然療法の町にしたいなって。
 
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下手に都会のマネをする必要はなくて。
地元にいる人たちは都会的なものが欲しいかもしれないけれど、
よそから人を入れるんだったら、このままの良さを残さないと意味がない。
これを崩してまで新しいものを作る必要はないと思うんです。
(ここの施設を)外の人がどんどん来る、そういう魅力のある場所にしたいなと思っていて。そうして人が来れば、地元の人も「あそこ人が来るね、なんだろう」って興味を持ってくれる…そうやって地元の人も来てくれたらいいし。こういう施設、全国的にも少ないんです。それを高原町につくる。大変だけどね、前例がないってことで…(笑)
 
どうしても日本の医療が現代医学一辺倒なんですよ。
ヨーロッパとかは自然療法をお医者さんがちゃんとやるんですよ。
ハーブとかを薬でちゃんと出すんです。
そこからまた更に選択肢が広がってくるんですけど…日本にはまだそれが無いから。現代医学の治療しかないんです。けれどそれが合わない人もいるので。
そうじゃない治療方法を求めている人たちが来てくれるような場所になればいいなと思っています。
 
―オイルマッサージなどからリラクゼーションのイメージを持たれがちだと思うのですが、治療として、医療としてもっと皆に知ってもらいたいですね。
具体的にはどんな症状の患者さんが来院されていますか?
 
幸田さん:アトピーの人、パーキンソン病、うつとか精神疾患の人も多いです。
膠原病、リウマチの人も…リウマチは骨が変形して破壊され、その部分が腫れて痛む病気です。東京にいた頃自宅へ通いマッサージしていた方がいたんだけど、3年目には炎症数値がゼロになっていたんですよ。
あとは不妊治療にも…実際に妊娠した人が数人います。オイルマッサージなどで身体のバランスが整ってくると、身体、子宮が温まり妊娠しやすくなるんです。
 
―すごいですね、是非皆さんに試してみて欲しいです。さっきからのお話を伺っていると、幸田さんはずっと想いを持ち続けて、現実に形にしていってるんですね。
 
幸田さん:それは確かにありますよ。ずっと思い続けていることと、
それを口に出すこと。すると形になっていくんです。
心の中で想っていても誰にも伝わらないから、止めちゃってても誰にもわからないけれど、それをずーっと言い続けていると形になっていくんです。
いい続けて、やり続ける…(笑)しかないです。
 

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 幸田さん、ありがとうございました。
 
 “このままの良さを残さないと意味がない”という言葉、本当にそうだと思います。
この地の何色にも染まっていない感じ…その余白に漂う自由が心地いい。
高原へ移住されてきた時、やっぱり山に惹かれましたか?と聞くと「あの山は神様がいます」という幸田さん。
実は、一緒に移住してきたパートナーの方がとても敏感な方だそうで、宮崎に来てからまずはキャンピングカーに乗り、全部見て回ったそう。それで「ここの山には神様がいる。本州にこんな山は無い、絶対いい!」と言って、幸田さんより先に霧島の山中の小屋を見つけて住み始めてしまったそうです。
その後、幸田さんご本人も高原の地で新居との縁があり…
「だってネコ10匹以上飼っていて、貸してくれる家なんてないでしょ?」と笑います。自然に生きていると、おのずと道が開けてくるんですね。
 
きっかけは遺跡から始まり、そこから紆余曲折しながらも行き着いたアーユルヴェーダ。そこから繋がっていく縁に身を任せながらも信念はしっかりと曲げず、また新たに高原の地を拠点にしながら、アーユルヴェーダの教えを広めていきたいと精力的に活動しておられます。一見とてもアグレッシブな方ですが、お会いすると“自然体”という言葉がしっくりくる雰囲気の素敵な方。いつもゆったりとした口調で、風通しの良い笑顔を見せてくれます。きっとこれからも沢山の方々が幸田さんを通じて、本当の意味での健康を体感していくんだろうなぁ…。
そう思うだけで、私も嬉しくなりました。
 

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甲子園食堂

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地元の人に長く愛されてきた甲子園食堂は、ボリューム満点の美味しい定食屋さん。
そこに名物おばあちゃんがいるということで、お昼時におなかを空かせていざ食堂へ…
お店に到着し店内へ入ると、いい感じのアットホーム感。
意外と広い奥行に視線を移すと個室があり、たくさんの靴が並んでいます。
厨房の様子は見えませんが、中で静かに忙しく働かれている様子が伝わってきます。
 お忙しい所すみませんが…ちょっとお声かけして、お店の人気メニューだというから揚げ定食を注文しました。
 

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そこまで待たされることなく運ばれてきたのがこちら。
THE・定食という感じで、とっても美味しそうです。
結構なボリュームで、お客さんに働き盛りの男性陣が多いのもうなずけます。
いただきます~、とおばあちゃんの手が空くまでしばしランチタイム。
 
「さて、なんの話しよかね」
こちらが食べ終えるころに厨房の仕事が落ち着き、よいしょっと向かいに腰かけて
くれたおばあちゃん。
 

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お名前は神田佐喜子さん。なんと今年で95歳!
50年前からこのお店をずっと続けておられるそうです。
今は娘さんと、その息子さんのお嫁さんの3人でお店を切り盛りされていて
もちろん、サキコさんも現役で厨房へ立ちます。
「まだ料理は間違ったことないからね!」としっかりした口調で話すサキコさん。
朝8時頃からお店へ出向き、宴会があると夜10時頃まで立ち仕事…すごいですね。
お元気そのもの、ご立派です…!
 
サキコさん:眼鏡も掛けずに暇さえあれば新聞を読んでるよ。
朝仕事の前に一度目を通しておいて、小さい記事は合間に読んでる。
仕事が好きだからね。昔…最初は呉服屋だったんですよ。
昔は駅前で交換会といって日本中の卸しやが集まって買いに来てね。
けれどそのうち呉服屋もね…、なんもかも変わってきているからね。
そのころから若い人達が(食堂する前から)うちでご飯食べたりしよったから
これはもってこいだって、そこからお店を始めた。
 
―そうでしたか…。さっき頂いた定食もすごく美味しくて。
梅干しも手作りでしょ?全部美味しい。
 
サキコさん:料理はまごごろじゃと言うてね。
私は、料理には真心がこもってないと、よか料理は出来ないといってね。
考え事とかイライラしてたりしてたら、やっぱり料理に響くでね。
人の命に関わる商売だからね、間違ったことをしたらそれこそ大変だから。
 
昔下宿をしていた時の子供さん達がいてね。40年近く経った今でも、盆と正月には必ず贈り物をくれる人がいるの。その子供の親がね、毎年欠かさず送ってくれる。
その子は当時、宮崎から高原町役場に3ヶ月だけ研修にきた人でね、
ごはんだけはここで食べて、寝泊まりは駅前の山本っていう食堂でしていた。
その子は今多分長崎にいるのかな、この前ひょっこり来てよ。
その息子は知らんとよ、お母さんが贈り物をくれていることを。
ただ当時、自分の親に「おばちゃんが丁寧にしてくれる…」って話はよくしていたみたい。子供の恩を、ずっと親が返してくれている。今年も送ってくれたよ。
 
 “3ヶ月間の恩。それを40年以上ずっと、その子の親御さんが返している
 
その話を聞いて、はーっと言葉が出ません。なんと深い感謝でしょうか。
そんな中、お昼を食べ終ったお客さん達がぞろぞろとレジへ…
 
 
客:ごちそうさまでした~!
あ、昨日の分払っちょらん、合わせて1250円ね!
サキコさん:はい、ありがとね。熱射病にかからんごね~
客:うん?熱射病ね(笑) ここでよかもん食べてかんばるわ!
 
(お客さんが引いた後に…)
サキコさん:遠慮がないからね。お金持ってきちょらん!ていえば
よかっちゃが~てね。
 
 
サキコさんが幾度か口にする「遠慮がないからね…」というのが何故か心にかかります。ふっと感じる懐かしいにおいのような…体温を感じる言葉だなぁ~。
ここに居ると、そんな温かい気配がどことなく漂います。
いい感じにゆるんだお店の雰囲気に、サキコさんとの会話や、
そこで交わされるお客さんの声、真心のこもった美味しいごはん。
何気ないことのようだけれど、大切なことに気づかされる…
やさしい時間を過ごさせてもらいました。
 

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「まぁ年々人は減って来てるけど、その間仕事が出来るってだけでも幸せだと
思って…」と、サキコさんに目をやりながら話す娘さん。
そうですね、サキコさんが元気でいるだけで、周りも元気になるし、笑顔になれる。
それだけで充分しあわせというものですね。

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お食事処 山田ん家

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緑追い茂る景色、お庭にはハンモックのゆらぐ樹と小さな菜園。
心がホッとするような、のどかな場所にあるお食事処「山田ん家」
後川内地区で、自宅兼お店として開業されてもうすぐ2年目だそうです。
銅窯で焼いたピザやパスタなどの美味しいお料理がゆったりといただけます。
 

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オーナーの山田 真一郎さんは、お店のことを全てお一人でこなされています。
ひとけのない場所で、ひとりでお店を切り盛り。街中では得られにくいような
素敵な環境の場所ですが、そこは覚悟を決めて!というところでしょうか。
お話を伺うと、最初はやはり「お客さん来てくれるかな?」という不安もあったそう。
 
けれど小林や宮崎市内など、結構遠方からでも来てくれるお客さんがいる。
それがとてもありがたいですね…と、しみじみ語られます。
 学生時代は剣道に励んでいたという山田さんの作るお料理は、とても丁寧に作られているのを感じます。一皿、一皿に込められた気持ちが、そのまま口を通して心に染み入り、何ともありがたいような美味しさに満たされます。
 
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高原で家探しをしていた際にここを案内され、その日の内に決めたというお店兼ご自宅。
ほとんど改装していないという室内は、お庭も望める居心地の良い空間です。
 
―料理に興味を持ちだしたキッカケを教えてください。
 
山田さん:今思えば、つくることが好きなのかなと思うんです。
前職もモノづくりに関わる仕事だったし、お店の外の看板なども人に頼めば早いんでしょうけど、自分で作ったりして。以前鹿児島で働いていた飲食店には、ピザ窯がありました。お店に入りたての頃、意外とすぐ窯の仕事をすることになって色々と覚えることが出来たし、今後は薪窯を作ってのピザ作りとか…。そういうことをやるのも面白いかなと思っています。
 

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お店で出すナポリ風ピザは生地から手作り!ささっと手際よく具を乗せ、銅窯へ…

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火加減を調整して、あつあつのピザがあっという間に完成~!
 
 ―お店のピザも美味しいですね、丁寧に作られているのがよく分かります。
いい意味でのギャップもいいなと(笑) 男っぽい感じで繊細な仕事をされる。
お料理することに対して、大切にしていることはありますか?
 
山田さん:やっぱり喜んでもらえるのが嬉しいので…。出来る範囲で、雑にならないようにということです。そういうのって伝わってしまうと思うので。
実際一人でやっているので、仕切りの向こう側(厨房)ではテンヤワンヤやってるんですよ。そんな流れで、わぁーっ!と持っていくのも…(笑) ね。
なので一旦(仕切りの前で)止まって一呼吸し、その流れのまま料理を運んでいかないようにはしています。
 
―運んでこられる雰囲気からは全く想像がつかないです、落ち着いて丁寧に運ばれてますもんね。
 
山田さん:止まって…何事もなかったかのように(笑)
伝わってしまうものはどうしてもあると思うんですけど、運ぶ人と作る人とそれぞれいる訳ではないですから…。
 
―そうですね。けど作っている人が運んでくれることに温かみというか、心がこもるものもあるのかなぁと思います。
そして去年、高原へ移られてきたということですが…ここでの暮らしはどうですか?
 
山田さん:そうですね。やっぱり、いい所ですよ(笑)
高原の人達は熱いというか…周りに広めてくれたり、良くしてくれる感じがすごいなあと思っています。近所の人達も、来てくれて良かったと言ってくれるし、地区の集まりでお店を利用してくれたり。本当にありがたいですね。お店もずっと続けられたらいいでしょうけれど、今を大事にしていきながら、変えていかなきゃいけないことは、変えていきたいと思っています。
 

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丁寧に盛られた前菜と、色鮮やかなデザート!こちらはランチコースの品々。

 

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庭先にある自家採れ野菜もお料理に彩りを添えます。

 

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山田さん、ありがとうございました!

「一人でやっているので、中々お客さんと会話も出来ないんです…」
とひとりであるが故の申し訳なさがお話の節々に見え隠れしていましたが、、
それは仕方のないこと。
それ以上にここで食事を頂くことで心満たされているお客さんは少なくないはずです。それはきっとお料理に込められた想いを、ちゃんとお客さん達が受け取っているということなのでしょう。そして今、ひそかにお菓子作りに力をいれてらっしゃるそう。そのうちお持ち帰りできるデザートも現れる…かも?!
これからもどうぞ、山田さんらしいやり方で笑顔を広げていってくださいね。
 

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お客様が帰られた後の片づけ中、卓上に置かれていたというメッセージ。
「こういうちょっとした気持ちが嬉しくて、また頑張れるんです」(山田)
 
 

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一番好きな食べ物は?の質問に「まんまかと思われそうなんですけど…おにぎりなんです🍙
と恥ずかしげに笑顔で答える山田さん。うーん…ずるいっ!()
いや、でもそうですよねー。やっぱり塩にぎりですかね~本当。
 
 
 
 
 
 

天然酵母 田舎のパン屋

広原地区の住宅地にひっそりとたたずむ「天然酵母 田舎のパン屋」
大阪から移住されてきた松﨑さんご夫婦が営まれています。出来る限り地元産の素材にこだわって、天然酵母を使いじっくりと時間をかけて作られているので、噛むほどに味わいの広がる素朴なパン。その優しい味にほっこりします。
元々エンジニアだったというご主人の松﨑さん。どうしてここでパン屋さんを始めることになったのでしょう…?

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―パン屋さんを始めたきっかけを教えていただけますか?
 
松﨑さん:元々大阪で生まれ育ち、NTTのシステムエンジニアだったんですが、両親が高原に住んでいました。当時50歳を目前にして仕事にケリをつけ、夫婦でこっちへ来て家を建てたのが13年前です。当時はパン屋をしようなんて思っていなくて、夫婦共に当時流行っていた介護職につこうと思っていましたが、思ったように仕事もなくて。その時に、いずれ趣味程度にできたらいいと思って習っていた天然酵母のパンを仕事として始めたのがきっかけですね。前準備していた訳ではなく、流れの中で“じゃあやろうか”という感じです。
 
―移住してきての、自然な流れで…という感じなんですね。
 
松﨑さん:そうですね。ちょうど(天然酵母)ブームだったんで、最初の一年はほっといてもお客さんが来る状態で、ウケは良かったです。
まぁそれも落ち着いてきて2~3年した頃に地元の小麦を使うようになり、どうせなら地元の素材も…ということで、今の形になりました。何しろ最初はハード系のパンのみで絞ってやっていましたが、“カタい”と言う声も多くてお客さんが付かなくてね。徐々に食べやすいようなパンも増やしていきました。
 

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パウンドケーキを焼く作業。せっせと手際よくこなす奥様。

※パンを作り始めて13年目。毎日夜中の2時に起きて、分割・成型して、早朝67時に焼きあがる…というサイクル。施設の朝食用に卸すパンは朝早く持っていくので夜中の12時過ぎに起きて作業するそうです。
 
―パン作りで大切にしていることはありますか?
 
松﨑さん:最初から“地元のものを使って素朴なものを作りたい”という路線だけは崩していません。それはずっと続けていくと思います。パンを作っていって面白いのは毎日の出来が変わってくること。そういう所が難しいような、楽しいような…そんな感じです。
 

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7時過ぎから出来立てほやほやパンが並びます。品数が限られているのでお早めに~

 

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手前が地元のお茶屋さんの茶葉を使った「茶茶メロンパン」奥が有機レーズンいっぱいの「ありがとうパン」美味しそうでしょ^^ネーミングにもほんのり愛を感じます。
 
―高原について思うことなどあれば聞かせて下さい。
 
松﨑さん:町としてこう…小さいじゃないですか。
なので色々つながりは持てるんじゃないかと。
僕が地元の小麦を使うだとかは、多分高原だからこそ出来たわけであるんです。
皆さんが色んな声を掛けてくれる中、お互いにつながりが出来ることで、
素材の工夫にしても、色んな可能性が広がってきました。
枝がどんどん広がるように…。
 
―松崎さんご自身、こっちで暮らし始めてから “つながり” が大きなポイントなんですね。
 
松﨑さん:そうですね。一人で(パン屋の経営)全部はしんどいですよ。
人脈を持つことでいいものが安く買えたりが可能になるので、そこが都会とは違う点ですよね。都会だと自力で頑張らないと中々道が開けないけれど、こちらだとお互いが助け合い、持ちつ持たれつという感じがあって。そこをうまく生かしてやればいいと思うんです。小さい町で一人で(お店を)やろうとすると、難しいと思います。人も少ないですから。動いていかないと、待っているだけでは都会みたいに人はバンバン来ないので。
自分の場合、大きな目標を掲げてここに来たわけではありません。
ここに来てから物事が徐々にひろがっていったんです。
 
―移住を考えている方々など…ブログ読者にメッセージなどあれば聞かせて下さい。
 
松﨑さん:(しばし考え込んで)じゃひとつ…。
うちのパン屋を始める時、迷ったのは迷ったんですよね。
移住しようか、だとかでも迷いますよね。何をやろうか…とかいくらでも。
けど、それってやってみないと分からないんですよね、いくら考えていても。
こういう所に来るという事自体、何らかの“想い”があって来るわけで、
そこを一歩踏み込んでやってみるというのが一つの手かなとは思います。
やってみたらどうにかなるな、ていう。心配したら何も出来ないんでね。
“思い切ってやればどうにか道は開けるんだ”
ていうのが伝えたいことではありますね。
 
思っているだけでは結局後ろに引っ込んでしまう。
出来る限り自分でトライしてみる、ていうのをやってみたら人生楽しいかなと。
 
想いのある人はいっぱいいるんです、ただ、あと一歩が中々出来ない。
それはみんなそう、我々もそうなんです。ただ意外とそれをやってみたら…
出来るんですよ、大概のことはそこだと思います。
僕なんか元々そんなに高い意識持ってなくてもやれたんですから。
せっかく志を持っている人は是非、トライしてみてほしい。
 

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松﨑さん、ありがとうございました。

一見物静かな印象の松﨑さんでしたが、思い切ってやればどうにか道は開ける、
是非トライしてみてほしい…!と熱い思いを語って下さいました。
そうですよね~。私も○○しようかなー、けど○○だしなー。なんて考えて自然消滅
したこと、いーっぱいあります。だからこそ意識するのは、考えるよりまず行動ということ。そこでグッと何かをつかんで、道を開いて進んで行くと…その先には楽しくて充実した日々、考えもしなかったような素敵なことが広がっていくかもしれませんね。
 

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「百聞は一見に如かず」 視線入力体験会

先日、みやびproject 岡元 雅(まさし)さんによる「百聞は一見にしかず」~視線入力の世界~というイベントが行われました。
 
視線入力…と聞いて、何をイメージしますか?
視線入力とは、パソコン画面に表示されている文字を目で見ることにより、その文字の入力ができるシステムのこと。主に重度肢体不自由者のコミュニケーション支援装置として開発されてきたそうです。
 
声がでない、身体・手足が動かない。
けれど頭は働き、目が見えたとしたら…。
実際に身体の不自由な方や、難病を患っていらっしゃる方、突然の事故などで重篤な状態の方など…。意思疎通が難しい状態で困っている方々の、救いの光になるような、生きる希望になる手段だと思います。
 
高原町広原地区で暮らす岡元さんは、徐々に筋肉が衰えていく難病、筋ジストロフィーと診断を受けながらも、九州東海大学でコンピューターの基礎を学ばれて、卒業後は高原町に帰郷。現在は、自身が重度障がい者であることを活かして色々な事に挑戦されています。
情報発信する個人プロジェクト「みやびproject」も開始し、ご本人も普段から活用中である「視線入力」をより沢山の人に知ってほしいとイベントを企画されています。
今回は音楽の演奏会の後に、視線入力を使ってのゲーム体験会…という流れで、会場にはたくさんの人達が集まっていました。そのイベントの様子をお伝えします。
 

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 《以下、雅さん》

 みなさんこんにちは!
今日はお集りいただきありがとうございます。
ぜひ楽しんでいってもらえたら!と思っています。
視線入力体験会ということで…その前にちょっとだけお話を。
皆さん、今はケガとか病気とか関係なくても、もしかしたら将来なるかもしれないし必ず歳は取るので、ゆくゆくはドコソコに不具合が出てくると思います。
その時にちょっと思い出してくれたら…。あぁ、こういうのがあったなって。
役に立てばいいなと思い、今日は身体の不自由な先輩として
皆さんにプレゼントの意味を込めてつくってみました。よろしくお願いします。
 

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 まず、この絵を見てみて下さい。とても綺麗ですよね。
この絵はALSという病気の方(※榊 浩行さん)身体が動かなくて呼吸器を付けていて
声も出ないという状況なんですけど、その方が視線入力だけで描いた絵なんです。
(会場どよめき)
Facebook上でこの絵を紹介させてくださいとお願いしたら、いいですよと快諾してくれました。こういうやり取りも視線入力があるからできるということです。
視線入力によって、こういう絵も描けるということを分かってもらえればと思って。
 

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 視線入力というのは、目でみて、パソコンなどを操作するということです。
先日亡くなられた「車椅子の物理学者」としても知られるホーキング博士ALSという難病でありながら視線入力などのテクノロジーを駆使して、世界で活躍されました。難病と言われても絵が得意な人が、普通に腕が動く一般の人よりうまく描くことができます。視線入力には色んな可能性を感じてもらえると思います。
そんな視線入力装置、使ってみたいと思いませんか?
 
でもそれってお高いんじゃないの、と思うでしょう?
確かに昔は一式そろえるのに100万超えていて、ごく一部の人のものでしたが、
…今はなんとAmazonなんかで2万弱です!() 
こういう装置とパソコンさえあれば、簡単な操作はできるようになっています。
ただいきなり重度の障がいで困っている方に、それを設置してやったとしても難しいんですね。必ず失敗してしまう。
なのでちゃんと調整して失敗させない、ということが大事なんです。
 

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僕らは日々諦めの連続なんでね。ああ、って初めに失敗してしまうと
これもダメか…ってすぐ諦めてしまうんですね。
けど視線入力というのは、ちゃんと設置して訓練すれば、もしかしたら諦めるのには早くて。可能性があるのに、諦めてしまうのはもったいないなと。
だからまずは簡単なゲームから少しずつ慣れて行って、ゆくゆくは文字打ちなどを覚えたりしたら、友達とラインしたりとか出来る可能性はあるかなと思います。
まずは支援する人が覚えて、マスターしてからやるということが大事です。
最初はまず簡単なゲームから、まずは失敗しないことから、楽しみながら…。
一般の方でも十分便利で役に立ち、そして楽しい視線入力。
是非皆さんも、やってみてください。
 
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雅さんのスライド後は、皆でゲームをやってみよう!と体験会が始まりました。
いきなりやって、諦めないためにもまずは楽しく簡単なゲームから^^
「わー、面白い!!」と大人も子供も、皆さんニコニコで楽しんでいらっしゃいました。サポートする家族にも、まずはやってみてほしい!と雅さんは言います。
何事も体験しないと分からないですもんね。
 
「小さな子供に、いきなり大人用の自転車に“乗れ”って与えても難しいですよね」
と例える雅さん。何でも少しずつ、段階を踏んでステップアップしていくもの。
私も視線入力での文字打ちを体験させてもらいました。
ただ画面上の文字を目で追えばいいのですが、中々、視線の微調整が難しい…。
けれど、その後に自分の目線の位置合わせの設定をすると動きがスムーズに!
とても素晴らしい技術だと感じました。
最初にちゃんと設定して、慣れるまではゲームなどで楽しみながら…と根気よく続ければ何とか文字打ち出来るようになってくる、そんな実感がありました。
そしてそこから先には、様々な可能性が広がっています…!
 

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 “福祉の話…となると敷居が高いので、音楽聞いたり遊んだりして気楽に楽しんでもらいたい” という雅さんの気持ちが伝わってくる、楽しい雰囲気のあたたかなイベントでした。
そしてこのイベントのご縁がきっかけで、家族に使わせてみたいという方の相談を受け、宮崎市内のお宅へ視線入力のアドバイスへ伺うそうです。近辺でも困っている人が結構いると思うので、サポートしたい…とも仰っておられました。雅さんは自身でサイトも運営されています。  みやびproject
 

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ゲーム大好きな雅さん!ご自宅で普段しているゲームのことを教えてくれました。
 
実際、こういったテクノロジーは様々な方々の生きる希望です。
医者から“意識がない、何も出来ない”と言われていた子が、視線入力を通して風船割りゲームが出来た…!という事実から “わかっている” ということが分かり、本人はもちろん、周りの人や家族も変わっていった…
という素晴らしい例もあります。こういった奇跡が世界中で起きているのです。
 
とにかく、“知らない”というのが一番もったいない。
まず、こういった可能性の存在を知ることが大事、と雅さんは言います。
そして困っている方々はもちろんですが、周りの人達から体験し、知ることだけでもいろんな可能性が枝分かれし、広がっていくと感じました。
雅さん、ありがとうございました。
これから先も雅さんらしく、楽しみながら素敵な時間を沢山過ごして下さいね。
 
《以下、雅さんからのコメントです^^⇩》
視線入力などについて詳しく知りたい方はみやびProjectブログへのコメントやお問い合わせ、Facebook(岡元 雅)などで声掛けてください。
医療福祉、支援教育関係者など、より詳しく知りたい方は体験会でも使用した風船割りゲームの開発者 島根大学伊藤史人助教の主宰サイト「ポランの広場」も合わせてご覧ください。みやびProjectもこのサイトで勉強させてもらっています。
 

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最後に…文中で紹介した榊さんの絵です。
これらの絵は視線入力を使い、Windowsの標準ソフト「ペイント」で描かれたそう…!美しいですよね。
絵から伝わるあたたかさ、まっすぐな心に魂が癒されるような気持ちになります。