湯之元温泉

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 高原町湯之元地区にある【湯之元温泉】は、明治35年創業の歴史ある温泉宿です。炭酸ガスが溶け込んだ珍しいお湯である【高濃度炭酸泉】の効能を求めて、
日々沢山のお客さんが訪れています。取材に訪れたこの日は小雨降る温泉日和。
駐車場は午前中にも関わらず、沢山の車で埋まっていました。
 

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温泉入口の脇にある野菜売り場。地元の方が作ってらっしゃるお野菜は新鮮で元気!
生産者さんの味のある絵と言葉が添えられていてぬくもりを感じます。 
 

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奥へ進むと“鉱泉くみ場”があり、温泉水を購入し持ち帰ることができます。 

 

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玄関口から上がると写真や額物がたくさん…!歴史を感じる落ち着く空間です。

 

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「これは…馬車かな?」昔は高原駅からここまで馬車が来ていたそうです。古い写真に見入る、こちらの方は宮崎市内から入浴に。「ここのお湯はいいよ~!」と絶賛されていました。

 

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 館内で頂けるお食事も美味しいと評判です。
写真はお昼の人気メニューだという「チキン南蛮」甘酢の効いた優しいお味…。
ごはんは温泉水で炊いたモチモチ美味しい「鉱泉ごはん」
見た目からして身体に良さそう!?
ごま塩の効いた「鉱泉おにぎり」も定番人気です。
 

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若女将の礼奈さん(左)と妹さんの真子さん(右)。美人姉妹、お肌もつやつやです~!
 
現在は先代の長女・若女将である礼奈さんのご主人・勝義さんが湯之元温泉の取締役を務めておられます。温泉の経営を引き継ぐために、今から2年半前に関東からご家族で移住されてきたそうです。そんな勝義さんに、温泉のことや生活の事について…少しお話を伺いました。
 
勝義さん:元々は福岡の出身で、そこで妻とも出会い転勤で東京に行っていたんですけど、先代の社長が4年半前くらいに病気で亡くなりまして。
その後先代の奥さん(義母)と妹達が頑張って経営をしていましたが、やはり男手が必要とのことで…仕事を引き継いでくれないかという話を頂いたんです。どうしようかと家族で考えましたが、そうやって力を必要としてくれているのであれば協力しましょうと、ここへ引越してきました。
 
―そういう経緯があったんですね。福岡、東京と暮らしてこられたわけですが、ここ高原町へ来られての暮らしはどうですか?
 
勝義さん:最初はね…田舎なので、夜暗すぎる道とかですよ(笑)虫が多いとか、生活インフラが整備されていない所だったりとか…そういった部分を不自由に感じたりもしましたが、逆を言うと(都会での生活は)会社終わって満員電車乗って、コンビ二に寄って後は家に帰って…みたいな感じの生活じゃないですか。
東京なんかでは必要なものはどこでも売っていますけど、沢山ありすぎてもどこに行けばいいのかわからない、みたいな状況ですしね。このご時世インターネット販売もあるし、足を延ばせば宮崎や福岡でもすぐ行けますからね。
とにかく何事も楽しんでやらないと…ていう気持ちで暮らしています。
不自由だから嫌だ、と思ってしまうと何もかもがつまらないですから。
 
―本当にそうですよね。都市部のサラリーマンから湯之元温泉のオーナーということで、暮らす環境、生活もガラリと変わりましたよね。この2年半の中でも色々あったと思うのですが、印象的な出来事はありますか?
 
勝義さん:個人的なことで言えば…工具を使って何かするということや、生活にぐっと密着した事ってほとんどやってこなかったんです。例えば、窓のサッシが壊れたとかですぐ業者さんに頼んでいたところを、今ではちょっとしたことなら自分で直せるようになりました。マイ工具セットも買いまして(笑)
温泉の設備を整えたりできるようになってきたし、そういう面では“あ、自分もちょっと成長したな”って思いますね。
 
―都市部だとお金さえだせば何でも手に入る。逆にこっちにくると…
 
勝義さん:お金だしてもダメですもんね(笑)
結局自分がどれだけできるか、知識の内容もこれまでとは全く違ったものになってくるので勉強しないといけない。ただ以前の仕事で法人融資を担当していたので、それは今経営に関わるにあたって非常に役立っていますね。
入浴に関しては、主に地元の方がメインですが、鹿児島、熊本など近県の方々が日帰りで来ることも多いです。コンスタントにお客さんに来て頂いているので、それは非常にありがたいことですし、これからもしっかりとケアできるような体制を整えていかないといけないなと思っています。そして、今後少しずつ部屋を手直ししたり、綺麗にしていくことへ着手していこうと思っています。 

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勝義さん、ありがとうございました。

 
施設内にいると、本当に次々とお客さんが訪れてきます。少しお話を伺うと
「足を悪くしたのをきっかけに、都城から毎日のように通っているのよ~」
「ここのお湯で、けんしょう炎を起こしていた手の痛みが取れてね…」
…などなど、温泉の効果を身にしみて感じていらっしゃる様子でした。
 
そして、これだけ地域に根付いた温泉宿ですが慢性的な人手不足だそうで…。
これから事業を発展させていく上で若い力も必要だということでした。
(ご興味ある方は是非!)明治時代から代々引き継がれてきた湯之元温泉、これからの新しい姿がまた楽しみですね。

 

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泉質:炭酸鉄泉
効能:慢性消化器病、神経痛など
お風呂:鉱泉風呂・露天風呂・サウナ・水風呂・源泉風呂
入泉料金:大人500円 小人250
※入浴・宿泊・食事可能
 
 

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