高原アイスクリーム研究所

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高原町にある小野田牧場では
新鮮なミルクを活かしたアイス作りに取り組んでいます。
写真は商品の販売拠点として、約4年前に小林市にてオープンしたお店。
地元の食材にこだわったカップアイス商品をはじめ、店頭販売されているソフトクリームを求めて、連休中には車がずらりと並んでしまうほどの人気ぶり!

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店頭には随時数種類のソフトクリームがあるのでお好みで。これは2種アイスのせソフト。
「色々トッピングしてみてね」素敵な笑顔の店員さんに勧められ、塩・ナッツ・ソースをかけてみました。全メニュートッピング可能、自分で好きに作れるのって楽しい♪

 

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カップアイスも種類豊富!地元食材使用の素材にこだわったなめらかアイスです。

 

ソフトクリームは、そのままでも充分美味しいさっぱり濃厚ソフト!ボリューム満点ですが、意外と完食できてしまうようなさっぱりしたお味です。
今回は小野田牧場の代表である小野田 裕之さんにお話を伺いました。
 
―「高原アイスクリーム研究所」ていう名前いいですね。研究所っていうのが変化していくような定着しないイメージを持つのでワクワクするというか…。
 
小野田さん:そうだね。アイスクリーム事業を始めたきっかけにもなるんだけど…
僕は元々25年来ずっと酪農をしていて、MRT主催のご当地グルメコンテスト(※以下グルコン)に出場をしたことがキッカケで、アイスクリームを作るようになったんだ。
その時は町役場職員から依頼を受けて、コンテストに出場し優勝して高原町の名を広めたいんだという話があって。いろんな業者や異業種間で協力し合って、高原町のPRをしましょう…という話に感銘を受けて“いいねぇ!”って。
最初は牛乳を提供することで参加して、小林の業者さんにアイスクリームに仕上げてもらってね。結果コンテストで2位になって、その時は800食も売れたのよ。

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中央が小野田さん。かき氷にアイスがのった「ゆるりラテ氷」高原食材が結集した一品!

 

―初出場で準優勝は…大健闘ですね!
 
小野田さん:それで調子に乗っちゃって(笑) 来年は優勝だ!と再出場。
今度は抹茶テイストの「けったくり氷」というのを出品して、それは3位だった。
300食しか売れなくて、すごく悔しくて…これは実質負けだなと。
そこから火が付いたんだよね。
 
それからはアイスクリームも自分の思う味のものを作りたいと、今度は僕が先頭になってコンテストの品を仕上げて…出場して3年目に優勝できたんだ。
それも色んな業者さんに手伝ってもらって“高原アイスクリーム研究所のソフトクリーム”を使ってね。そのコンテストに出るために、アイスの工場を作ったんだ。
 
―コンテストありきで工場を作ったんですね!2年目で悔しい思いをして
3年目に悔しさをバネにして…。
 
小野田さん:そう、負けた時に本当に悔しくて。色々勉強してその年の10月には認可を得て。「アイスクリームを作るにはどうしたらいいの?」って小林の保健所にずっと入り浸って(笑) 担当者と協議を重ね、元々住宅だったスペースを改造して工場を作ったんだ。
 お客さんに「お店が小林にあるのになんで“高原”?」て聞かれるんだけど、名前の由来を言うと、高原の有志でずっとアイスクリームの味を研究してきたので“高原”と付けたかった。アイス作りに携わるキッカケを高原町のグルコンに作ってもらった…という想いがあったからね。今まで酪農一筋だったのが、いろんな業種や人と交流し広がりができて、色んな体験をさせてもらったことに感謝してる。
 
工場は2015年12月に完成して、その翌年2016年・2017年とコンテストで2連覇した。それは僕だけの力じゃなくて、沢山の協力者がいたからこそできたことだね。

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これは2017年に2度目の優勝を果たした「BEBUソフト」コンテストでの2連覇は高原町が初の快挙!

 
コンテストがきっかけで研究所をはじめて…それまでは酪農一筋だった小野田さん。ここ数年は「ずっと走りっぱなしだね(笑)」としみじみ振り返ります。
 
小野田さん:「ファーストペンギン」ていう話もあるけど、誰が先に見たことのない景色に飛び込めるかっていうね。無謀だとか言われるんだけど、そんな新しい世界が見てみたいし、おそらく皆そういう人達が草分けとなって様々な世界が拡がってきたわけだしね。
 酪農は衰退していて、10年前は宮崎県だけでも600軒位あったのが、今年は300軒を切ったのかな…。そんな中で、まだ影響を受けにくい加工業に余計シフトしてきた訳で、今後も力をいれていかないといけない分野だなと思って日々奮闘しています。
 
―減るとか無くなるとかって、一見ネガティブなイメージも持ちがちだけど、逆に言えば研ぎ澄まされてくる…みたいにポジティブにとらえて進むとまた未来が明るい気がしますよね。経済も小さい規模で、ローカリゼーションとか言って地域単位でやる方向性も提唱されていて、自然と調和的に生きていく道を選びたいという若者や、ローカルでうまく循環していく社会を目指す人も増えていると感じるし…。
 
小野田さん:うん、感覚的にはそんな感じかもしれないよね。スローライフの中でもお金を稼げる仕組みや資源って、高原町の中にも沢山眠っていると思う。それをどうやって発信するか、お客さんに買ってもらうかとか考えて、経済とうまく繋げていく方法を考えなきゃいけないし。特にこの情報社会が今後どういう風に変わっていくのか…これからのことは分からないけれどね。
 
やっぱり高原町に、人が集まる拠点が欲しいところだね。
実現は厳しいかもしれないけれど、業者が集まり加工までできるような道の駅的なものが、高原IC近くにあればいいよね。
そしてアイスクリーム研究所としては、やはり高原町に拠点を置きたい。常に場所は探しているんだけど…町内の空き店舗なんかも有効活用できればいいなと思っているところです。

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―小野田さん、ありがとうございました。

 
「まずは温泉!あとは皇子原公園がオススメ。ゴーカートや釣堀もあるし、結構遊べるよ~」
町内のオススメスポットを楽しそうに話して下さる様子からも、高原への愛が伝わってきます。小野田さんは悔しさをエネルギーに変えて、アイスクリーム研究所を立上げ、その先の未来まで見据えながら日々取り組んでいらっしゃいました。その姿は正直で、自然体であるように感じます。
本当に日々の暮らしの中でふいに起こること、その選択のひとつひとつが物事のカギを握っているというか…自分の人生も、後々振り返ってみると考えさせられますね~。
けれど何はともあれ、後悔先に立たず。しっかり今と向き合い、前を向いて軽やかに楽しみながら進んで行きたいな~とつくづく思ったのでした。
 

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