蕎麦庵みやなが


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祓川水源の近くにある『蕎麦庵 みやなが』
祓川の湧水を使用した美味しいお蕎麦が評判で、週末は沢山のお客さんで賑わっています。ご自宅をお店として構えられ、お手入れされた広いお庭には湧水を引いた池などもあり、自然と心が和んでくるような雰囲気です。
 

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お店が始まったのは、およそ11年前。
ご主人の長治(おさはる)さんが、経営していたクレーン会社を息子さんに譲った後の新たな挑戦でした。元々祓川出身で幼い頃から神楽そばが身近だったこともあり、蕎麦に対しての思い入れは筋金入り。
そんな蕎麦好きが高じて職人さんの元で蕎麦打ちを習い、調理師免許を持っていた奥様と一緒に念願のお店をオープンするに至ったのでした。
 

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店内の様子。元々夜神楽でふるまいをしていたご自宅には一晩で300人来たことも!「だから徐々に広くしていって…広さはあったんですよ()」空間が生かされ、独特の落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
 
おかげ様でお店は順調。客足も絶えることなくここまで続けてこれた…
と言う長治さん。
お話を聞いていても、始めからごく自然に物事が流れているように感じます。
「蕎麦は水も大事。ここは美味しい湧水もあるし、無理なくやれていますよ。
こういう土地でないと井戸を掘ったりしているところでしょうからね」
 

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こちらは「天婦羅ざる蕎麦」コシのあるお蕎麦と丁寧に作られた出汁。脇には季節の天ぷらやお漬物などが並び、素材の味わいを引き立てます。お蕎麦を頂いた後の蕎麦湯がまた美味しい~!
毎年12月の第2土曜に舞われる『祓川神楽』。そこで振る舞われるお蕎麦が通称“神楽そば”です。
祓川地区の人達にとって、蕎麦はなじみ深い存在です。
 
「祓川は自然豊かだし、水も綺麗で最高の場所ですよ」と奥様の信子さん。
お客さんにも“また来ます”と言ってもらえて、今度はご家族や兄弟と一緒に来て下さったりしてね。お店を通じての出会いも沢山あって本当に良かったです…とほほ笑みます。
 
そんな風に馴染みのお客さんからも愛されているお店ですが…
「もう店を閉めようと思ってるんですよ」とのお言葉が。
えぇ!?とびっくりです。

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信子さん:ぼつぼつやれればいいんですけどね…
土日の忙しさが中々大変なんです。
この辺は皆さん年配で(お店の手伝いを)頼めるような方がいないんですよ。
なので急遽どうしてもって、遠方の親戚にお願いして手伝いに来てもらったりしている状況なんです。もう年も年ですしね…(笑)
 
今のところ営業は今年の10月一杯かもしれません。
年末の蕎麦はやりますが、今後は様子を見ながら予約のみのお客さんでやれたらいいのかなとは思っています。人手がいないと皆様にご迷惑をかけますからね。
 
“それは、例えば土日だけでもお店を手伝う方がいたら続けられるものなんですか?
”と尋ねると、そうですね…とのお返事が返ってきました。
 
そこは何とかならないものだろうか。
土日パートをしてくれそうな人…思わず頭の中で探してしまいました。
お店が無くなってしまうのが残念なのは私だけではなく、沢山おられるはずです。
無理なくやれるのであれば、土日だけ、予約だけでも続けられる可能性はありそうですが、今後も何かしらの形でお店が続いていきますように…と願うばかりなのでした。
 

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宮永さんご夫婦、ありがとうございました。

 

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