たかはる人のお仕事事情~山口 幸恵さん(薬草店勤務)~

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福岡県太宰府育ちの山口さんは、今から半年程前に高原町へ移住してきました。
定年を迎え故郷である鹿児島に家を建てたご両親が、高原までドライブに連れてきてくれたことをきっかけに、実家へ帰る度に高原町へ出向いては神社や御池などをまわり癒される…というドライブコースが定番になっていったそうです。
 
山口さん:ある時「山下薬草店」が人を募集しているのを知って。その時は鹿児島の実家で暮らしていたんですけど、まずは薬草店に通いながら家探しして、高原町に住んでみようかなと思ったんです。通勤の距離はあるけど、好きな職場と好きな場所だったから迷いもなく…(笑) 元々神様や神社、神楽もすごく好きだし。それに水のきれいな所に住みたいっていうのが一番…!そして自分が恵まれていたと思うのは、もう移住する前に仕事場を見つけて働いていたから、逆に安心して生活を始められたことでした。
 

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山下薬草店での仕事風景。細い身体で力仕事も何のその!和気あいあいと楽しそうです。

 
―そうですね、いきなり全部スタートじゃないから…それは良かったですよね。
 
山口さん:職場も従業員同士の絆がすごく強くて、引越の時にも皆手伝いに来てくれて…。引越当初は、それまで全く古い家に住んだことがなかったので(家のことで)困ることもあったけど、そういうのも職場の人に見てもらって解決したり。
助けてもらえる環境があって、本当に幸せだなぁと思います。
 

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小さなお子さんと二人暮らし。「子どもに人間らしい暮らしを教えてあげたい。大人になって生き方を選ぶのは彼だけど…」その気持ち、同じ母としてよく分かります。
 
山口さん:周りの人、近所の人達もすごく良くしてくれて。二人で散歩していると「おいでおいで~」って家に上げてくれたり「ちょっと待って~!」ってわざわざ追っかけてきてくれて、野菜やお菓子をくれたりとか(笑)
 
―わ~!すごくいいですね。あたたかい…
 
山口さん:なんかもう本当、子どもありきです(笑)
子どもが少ないから喜んでくれるんですよね。
うちの子にとっても、爺ちゃん、婆ちゃんがいっぱいいる環境(笑)
申し訳ないと思いながら…いろいろありがたいです。
 
―聞いているだけでこちらも嬉しくなります。
高原町へ移住したいと相談に来られる方達が主に心配されることに、仕事のこと・生活費のことがあります。山口さんはお一人でお子さんを育てていらっしゃって立派だなぁと思うのですが、生活のことについて、少しお聞きしてもいいですか?
 
山口さん:そうですね、何だろう…以前よりも今の方が、いい暮らしかな。
我慢はしていないし、元々暮らしを大切にしたいという気持ちがあるので、仕事もガツガツする感じでもない。今は9時~17時の勤務時間で、週5~4日働いている状況なんですが。

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藍染めが好きな山口さん。藍をこんな風にドライにして束ねるのも素敵ですね。

 

―仕事自体はどういった内容になるのですか?
 
山口さん:体力はすごく使う、肉体労働的な時もありますよ(笑)
仕事自体も軽くカルチャーショックというか、こんな仕事もあるんだ~!と思ったり(笑)薬草の選別、細かい作業だったり…今まで接客業を主にしていたから、田舎らしい仕事をしているなという感じ。おばちゃん達が座ってするような…そんな感じがちょっと嬉しいというか(笑)ストレスとかはあまり感じることはなくて、むしろ達成感の方が大きいですね。
 
―いいですね。じゃ仕事も得て、お家も素敵な所を見つけられて。野菜も新鮮なものを食べられるし…それでいいですよね、しあわせだと思う。
 
山口さん:“衣食住”ってありますけど、家がすごく快適で、食品も新鮮で肉なんかも安いし。お金をそんなに使わない分、他のことにも使える。娯楽といっても、「どこか呑みに行きたい」とかにはならなくて、皆で持ち寄りごはんして集まろうか~ってなる感じだから。

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山口さんの借りている一軒家。静かで景色のいい環境にあります。

 
―もう充分聞けているかもしれませんが…最後に高原町の魅力は何でしょうか?
 
山口さん:何もないところ、になるのかなぁ。自分が元々“暮らしを大事にしたい”っていう気持ちがこれからのテーマとしてあったから、それをストイックではなくて、程よくさせてもらえる環境がちょうどいい感じです。
まだまだ知らないことは沢山あるけれど、今思いつくことはできているので…これからも楽しみですね。

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山口さん、ありがとうございました。

 

「シングルマザーとしてのことも全然話しますよ」と言って下さり、色々とお話してくれた山口さん。離婚後実家にしばらく居た時期は、やはり金銭面など不安もあったそうですが「元々、どうにでもなるさ根性がいつも凄くて…死にはせんやろというか()」そう思っていたら、思ってた以上の暮らしができていると言います。
事を起こす前に慎重に考え込む人もいれば、とりあえず行動し、その都度考えて進んでいく人もいますよね。色んな生き方がありますが山口さんを見ていると、その時々の風をつかんで、とっても軽やかに楽しまれている様子。玄関先にひっそり置かれているカマを取り出し「変な人が来たらこれで追っ払うけんね!」と満面の笑みで明るく笑っていたり…。
“自分が楽しんでもいいっていう意識を持っていたい”
そんな風に生きていると、周りも明るくなるだろうし、勇気をもらう人もいるはず。まさに“母は強し”だなぁ~。見た目は華奢だけれど、しっかりとした芯の強さを持つ山口さんを見ていてそう思うのでした。