霞神社

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昔から“商売の神様”として知られているという霞神社。
大きな鳥居を構えた表参道の奥には、700段もの長い階段を上がっていく参道
が続きます。(途中まで車で行ける東参道・中参道の方がここより近道です)
 
何はともあれ、やっぱり森の中は気持ちがいいもの。
しずかな空気に耳を漂わせると、樹々の葉が風と遊ぶ音、鳥の歌がしっとりと
身体に沁み込んできます。
黙々と階段を上りながら、脇の樹々の合間から見える遠くの景色を休み休み
眺めつつ、何とか上り終えたところで、ふと目に付いた心優しき小さな看板さん。
ありがとうございます、おかげ様でちょっとした達成感。

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樹々の道が開けてくると、明るい気配の先に神社が見えてきます。

 

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12月初旬の御神門の横には、来年の干支・亥の旗が掲げられていました。
一通りお参りさせていただいた後、宮司の森田さんにお話を伺いました。
 
―霞神社についてお聞かせください。
 
森田さん:昔から開運ということで、特にご商売関係の方、鹿児島や熊本辺りからも多く来られています。自営業の方で、お孫さんの代まで継がれている方も多いですね。
あとは白蛇様という存在が、皆様方には周知されているかと思います。ご覧になったことのない方は結構多いんですよ。30年間毎年いらして一度も…という方も沢山おられます。あくまでも自然の中で生息していますから、中々見れないんですね。
 
―主に白蛇様は、どこの場所でお見かけできるのでしょうか?
 
森田さん:ご本殿の裏手にある岩山で見れることが多いです。
比較的こういう環境を持った神社は多いのですが…ご神体そのものが神様として祀られているような建物は無くて、元々にある山自体が拝む対象であるという。神様=山として昔から信仰を集めていた場所なんです。
そこに世間で言われているヘビとはまた違った、小さく珍しいヘビが生息しているということで信仰を集めてきたわけなんですね。

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天保14年(1843年)に描かれた絵。赤い〇印のところに、白蛇の姿が小さく描かれています。
白蛇様を見たことのある方の話だと、小さくて銀色に光るような感じだったそうです。
 
 
―かなり昔から白蛇様の存在が認められていたんですね。
 
森田さん:そうですね。江戸時代の文献にもそのような資料が残っています。
山伏の方達がホラ貝を吹きながら山を歩く姿…今でもたまに見かけますけど、信仰の形体、修行僧たちが最初に出てきたのが平安時代なんですね。
おそらくその頃から注目されていた場所じゃないかと思われます。
 
この辺りでは霧島もありますし、典型的な修行の場として山伏達がいつも渡り歩いていたり、道場にしていたりして…。今は目立ちませんが、当時の様子だと平野の中にポンと岩山がある感じだったのでしょう。「変わった岩があるぞ、行ってみよう」と立ち寄って、珍しい白蛇の存在に気づかれたのでしょうね。
その方達が霧島の山に行く前に、ここに住んでいる石神様に修行の無事と安全を祈っていきましょうと、ここを借りの集まり場所・住まいとして“霞”という名前が残ったのではないかと…推測なのですが。
歴史としては非常に古い、山岳信仰にまつわりのあるような場所であったんでしょうね。
 

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天に近い…!とても眺めのいい展望所。向かって右側に白蛇様のお目見えする岩山がある。

 
―そうなんですね。霞神社にはこれまで沢山の方々が来られていると思うのですが
印象に残ることなどあれば、聞かせてもらえますか?
 
森田さん:そうですね、展望所の景色はだいたい皆さん感動されていきますね。
あと境内自体は狭いんですが、神社の所有地にもなる周囲の山などの手入れが行き届いている…ということは専門の方から見ても分かるようです。広い敷地内を毎日、職員の方々が懸命に手入れしています。景色の美しさも参拝者の心のなごみに直結していますので、来てよかったなと思っていただけるといいですよね。
 

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宮司さんにとって、霞神社はどのような存在でしょうか。
 
森田さん:いろんな人との出会いを導いてくれた場所でもあります。
いろんな方が来られますが、大半の方が必死の思いでいらっしゃるんですよね。
そういう方達のことば、姿勢に触れた時に、みずからも襟を正しています。
だから逆に、参拝者の方達に教えられる…ということの方が多いような気がしますね。
 

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森田さん、ありがとうございました。

 
【霞神社】ーかすみじんじゃー
宮崎県西諸県郡高原町大字後川内1553-1
TEL0984-42-0033