~たかはる人のお仕事事情~ 前原さん(洋菓子工房プチパリ 工場長)

 

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高原町蒲牟田地区に一家4人で暮らす前原 宏美さん。
実はご近所さんなんですが「須木のお菓子屋さんで仕事をしている」と聞いていて
気になっていたのです。
高原町から近隣の町まで通勤しお仕事されている方も結構おられる中、須木と言えば小林市のまだ先にある山奥の方。そこで営むお菓子屋さんに毎日片道40分程かけて通勤しているそうですが、「もうドライブ感覚で楽しんでますけどね~」と明るい笑顔。実は前原さん自身が元々須木出身で、このお店もご両親が始められたお菓子屋さんだということでした。

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須木小学校の近く。道沿いにある可愛らしい手作りの看板が目印。

 

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敷地内には栗の木がたくさん!栄養になるからと、根元に集められた栗の皮達が可愛い…。

 

―お店はどのように始まったのですか?
 
前原さん: 元々は父が大阪でたこ焼き、神戸でクレープワッフルの修行を終えて、こっちに帰って来て始めたんです。たこ焼きをやる人は結構多かったんですが、クレープワッフルはまだ珍しかったんですよね。父と母がクレープワッフルの実演販売であちこち回っていて…主に九州、四国辺りまで行っていました。デパートやらイベントやら入ったりして、当時高校生だったから手伝いに行くじゃないですか。
そうしたら面白そうだな~という気持ちが自然と湧いてきて…
 
―須木に暮らしながらお手伝いで色んな所へ行って…高校生だし楽しかったでしょうね。
 
前原さん:そうですね。そこから専門学校で調理師の免許を取って、結婚式場で働いていたんですけど、結婚と出産を得て実家へ戻ったのをきっかけに、子育てしながらここで仕事をするようになりました。それが10年位前ですね。
親も歳ですし、出店が多い時期は朝早かったり、帰りは夜遅かったりで体調を崩しがちなんですけど…、でも見ていて何か楽しそうなんですよ。
この仕事が好きなんでしょうね。
 

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親子2ショット。お父様は河野フーズ社長、河野 泰雄さん。

 

―販売の割合としてはどんな感じですか?
 
前原さん:催事が5~6割、卸しが2割、あとは委託、販売…という感じですね。
クッキーやシフォンは他県に卸して販売しています。父の代は催事が主でしたが、少しずつ販路も拡がってきています。
楽しいので続けられています、貧乏ですけどね(笑)
 
―楽しさが原動力なんですね。
 
前原さん:です(笑) したいようにやらせてもらえる環境もありますからね。例えばお菓子屋さんなのに、激辛クッキーを作ったり。そしたら結構面白がられて…お客さんには「なんでお菓子屋さんなのに、こんなの作ってんのよ」って言われたりするんですけど、「面白いでしょ」って(笑)

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《おつまみ焼き菓子 鬼のだれやめ》(※注意書きがある位、激辛…汗)
宏美さん曰く 「最初はクッキー、あとが超カライ()」 コレ、いたずらに使えそう…。
 
前原さん:このあたりの親世代の人達は皆、口をそろえて「仕事がないから子供達が帰ってこない」っていうんですけど…。自分でつくればいいじゃん!って思っていて。
何でも仕事にはなると思うんですよ。ここだったら栗でも生活できると思うし…
売れますからね、仕事はキツイけど。
あとはそれを楽しいと思えるかどうか…
 
私自身、仕事は楽しいです。
自分で作ったものを人に喜んでもらえた時が一番うれしいですよね。
今年は試作を重ねて米粉のクッキーとマロンシュトーレンを作りました。
ひとりでは出来ないことも、皆でやれば何とかなりますから。
皆で特産物を盛り上げようと頑張っています。

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―それはまた、これから楽しみですね。
仕事を楽しむこと、あと人とのつながりも大事…。
 
前原さん:田舎はそれが一番だと思いますよ。つながりが財産です。
あとはドカンと構えとけば、何とかなる!(笑)
高原も自然がいっぱいで人もいいし、環境に恵まれているな~と思います。
場所も丁度いいですしね。楽しんで、好きなことを見つけて生活できれば…
いいですよね。

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前原さん、ありがとうございました。
 
高原町は子育てしやすく、暮らしやすいという前原さん。
須木地区について「何にもないですけどね~」とは言いつつも…
暑い日は大人も子どもも川遊び、夏は最高の場所ですよ~!と、イキイキとした表情で語ってくれました。
あるカメラマンが水源地で拾ってきたという綺麗な水晶を見せてもらったり、
山の上で民泊を始めた面白いおじさんの話を聞いたり…と、須木の山奥にも未知の魅力が潜んでいる予感。
 
プチパリのお店も、元々店舗を構えていなかったのを「3年前、勝手に作りました」と実家の一部屋を利用して作られたそうです。
「お客さんに“こんなとこでお店したって…” て言われるんですけど
“面白いでしょ?”って()」
 
素直に面白いと思ったことを表現して、日々楽しみながら生活している…
そんな様子はまさに楽しんだもの勝ち!といった感じ。
自然体でステキだなぁと思いました。