こうはら紫陽花園

高原町広原地区に暮らす高原さん。
緑に囲まれたご自宅の側に、ご夫婦で造られた紫陽花園があります。
到着してすぐ、ふわっと目に入ってくる色とりどりのアジサイ
入口には“ご自由に散策してください”との看板があり、
早速中へ入ると、樹にハシゴを掛けて何やら作業中の高原さん。
声を掛けると笑顔で降りてきて下さいました。
お忙しいところスミマセン…少しお話を聞かせてくださいね。




ーここの紫陽花園を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

高原:「スミダノハナビ」という紫陽花を奥さんの誕生日に子供がくれてね。
それをうちの駐車場に植えたのがはじまり。白くてふわっとしたやつ。
それまで見ていた普通のアジサイとはちょっと違っていたからね、
へぇー、こんなのもあるんだねって興味が沸きだして。
​​​​​そこから山の竹やぶをずーっと切って、順番に植えていった。
そうしていたら友達やら見に来たりしていたから、じゃあ自由に人が見に
来れるような感じにしたらいいんじゃないか…という、簡単な気持ち。


「墨田の花火」はじまりの花。

ーじゃあ子供さんのプレゼントがきっかけで始まったんですね。

高原:そう。それで周りの人達も“好きにしていいよ”という感じで…
隣の土地の持主も“竹やぶ見てるより紫陽花のほうがいいわ、植えてよ”
といってくれたりしてね。皆の協力で出来ている。ここで使う資材なども、
元勤め先(建設会社)で“いいよいいよ~”て使わせてもらっていて。
お金かけてやってるように見えるようだけど、
お金はかけてない。かけたら(こういうこと)出来ないもん。

…とは言いながら、車椅子で見に来る人達の為に道幅を広げたり、
手すりをつけたり、お茶を頂けるテントを張った休憩所を作ったり…。
そんなことを全部、お気持ちでやられている優しい高原さん。
自然体でおられるからこそ、そんな風に物事が広がっていくんだろうなぁ。
 
休憩所で周りを見ていると、皆さんが笑顔。ニコニコしながら園内を散策
しています。その様子にこちらも元気をもらうようで、うれしくなりました。

 
「お茶を飲んでいきゃぁらーん?」と皆さんに声を掛ける高原さん。どこから来たの~?
宮崎からです~!と…花を介して話がはずむ。

高原:怒って帰る人がいないからね。
こういう場を提供してみてね…世の中がほんとに面白いと思う。
うまく流れる(笑)

ーここを毎年続けられる理由って、何でしょう…?

高原:ここは6月一杯で終わり、それからはまた大変な剪定が待っている。
こつこつ手入れしながら、開園してみんなの笑顔を見て…それが一番。
奥さんが言うのは「皆がよろこんでくれる。そういう場を提供できる
ことが、幸せよね」って。

 

子供からもらったひとつの紫陽花を植えてみたことから始まり、夫婦でコツコツ
と広げて行ったことが、11年目には紫陽花園として開放することになり…
今年で7年目になるそうです。
「あと3年です、義務は(笑)」と仰る高原さん。
やるんだったら10年は頑張らないと…という意気込みでやってきたと言います。
身体が元気だったらね…と。その後も園を続けられる可能性もある、かも?
気のいいご夫婦ですから、一見さらりとやっているように見えますが、
維持していくのは体力勝負だし、中々大変なことだと思います。けれど
そんな気配を感じさせない、お二人の嬉しそうな笑顔がとっても素敵でした。

年に一度、6月だけ解放される素敵なあじさい園へ遊びに来てみて下さい。
梅雨時期に沈みがちな気分も、ふっと明るく優しい空気に包まれていくはずです。


仲よさそうなご夫婦。ケンカをしたことが無いそうです!旦那様に秘訣を聞くと…
「なんでかなぁ…お互い考えてるんじゃないやろか。これ言うたらいかんとかね」
後から来られた奥様曰く…「私がガマンしてるのよー(笑)」やっぱりとっても仲よし。







​​​​​