~たかはる人のお仕事事情~牛飼いの若き女性たち

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 皆さんは「牛の仕事」と聞いて、どのようなイメージを持たれますか?
 
私自身はこれまで関わりや接点が無かったこともあり、大自然の中でおじさんが牛のお世話をしている…くらいの風景がぼんやり浮かぶくらいでした。
そんな中、突然そのイメージを覆され、軽くカルチャーショックを受けたきっかけとなったのが今回ご紹介する女性たちです。
 

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向かって左から、鬼塚 麗奈さん/米倉 桃子さん/久保 寿美香さん/原田 三奈代さん

 

初めて皆さんにお会いしたのは、とあるTV取材へ同行した時のこと。
可愛らしい女性たちがお揃いのサロペットに長靴を履き、大きな牛たちを誘導したり、せっせと牛の世話をこなす姿が新鮮で、なんだか素敵…。
わぁ~っと内心感動すら覚えたのでした。
 
最近では「農女」(※農業に関わる女性)という言葉もよく聞かれるようになりましたが、実際に農業を担う人口の半数は女性が占めているようです。ただし平均年齢は65歳以上ということで、農業に関わる若い世代は大きな可能性を秘めている貴重な存在と言えそうですね。

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お仕事中の原田さん、4姉妹の3番目です。「この子は昔から特に動物好きで、よく牛舎にいたんです」
とお母様。ご主人を早くに亡くし、周りに支えられながらも頑張ってきましたが、今では娘さんが立派な右腕。急な牛のお産の時なども本当に頼りになる存在です。
 
 
彼女達は日々、各自の持場で仕事に精を出しています。それぞれが想いを持って家業を継いでいたり、JAの牧場で働いていたり…。そんな4人の共通点は、同じ農大出身であるということでした。特に「奇跡的に集まった」同世代の仲間だそうで、一緒に遊んだり、誕生日を祝い合ったり、仕事のことでも何でも皆で相談し合う…とてもいい関係のようです。
 
 ―皆さん、初めて見た時からキラキラしていて(笑)会ってお話聞いてみたいな~と思ってました。最近農業に興味を持つ若い世代も増えてきているみたいですし、簡単に仕事内容を聞かせてもらえますか?
 
鬼塚さん:牛の世話、トラクターで牧草を作ったり、牛を品評会に出したり、出産があるときは寝ずに朝まで付きっきりのこともあるし。…牛に関すること全部、牛の何でも屋さんみたいな感じです。
 
米倉さん:私はJAの技術員として務めているのですが、毎日牛と触れ合いながら、品評会などで審査する立場…指導係みたいな仕事をしています。(※米倉さんは兵庫県出身。「宮崎は人もいいし皆もいるから…」と大学卒業後もこちらで働かれています。高原町在住。)
 
―皆さん同じ農大出身ということですが、学校での学びから、いざ実際の仕事をしていくとやっぱり全然違うものだったりしますか?
 
鬼塚さん:うん、思うようにはいかない。教科書通りではないし…だから皆もう一生勉強!
 
久保さん:正解がないもんね、そこが面白くもあるし、難しい所でもある。それを見極めていく感じ…。
 

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原田さん:辛いこともあるけれど、その分うれしいことがあるのが大きい。
牛が産まれた、品評会に行けた、ちゃんと出荷できた…とか。
 
鬼塚さん:農家さんの所に行って「あの牛はよかったど~」って聞くと
「ありがとうございます!」っていう。それでやりがいを感じるし…。
 

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そんな皆さんに共通するのは“動物が好き”だということ。
牛の仕事の、どういう所が好きですか?と質問すると、牛の目、前髪、表情や仕草など…日々のちょっとした変化を見つけることが好きだという話で、ワッと盛り上がります。
 
牛の顔の違い…!考えたこともありませんでしたが、こうして様々な話を聞いていると牛それぞれに名前があり、感情や性格があって、気持ちの通じ合う関係性があったりなどして…牛の話は尽きません。面白いなぁ~と興味深々です。
 

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さてさて餌の時間!原田さんの動きを察して、この時ばかりはと牛達が一斉にぬっと顔を出します。

 

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町内の牛舎などでよく見かけるヤギさん。尋ねてみると“草取り係”なんだそう。なるほど~。
「すっごく綺麗にしてくれますよ、ただ新芽まで残らず食べちゃうんですよね~()
 
一言に牛の仕事とはいえ、畜産(肥育・繁殖)や酪農などのワークスタイルがあります。酪農の場合は毎日朝夕必ず搾乳があったりなど、生き物相手であるがゆえ“24時間体制”になる牛のお世話。時には同世代の土日休みが羨ましかったりすることもあったそうで…。
 
けれど、そういうお仕事事情も合うのが牛飼い仲間のいいところ。
12回は皆で食事に行ったり、年に一度の旅行へ出かけたり(その時ばかりは牛を家族に任せて)しているそうで、「本当、皆がいて良かったよね~」としみじみ笑顔を合わせます。
まさに偶然であり必然であるような…
奇跡的に集まった牛飼い仲間の女性たちなのでした。
 

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今日初めて外へ出たという子牛と記念に。皆さん、ありがとうございました。
 

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えがおリレーvo.8 入佐 睦子 さん

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たかはるで日々暮らしをいとなむ人々。
その人生やありのままの姿をリレー形式で伝えていきます。
今回は第8回目、入佐 睦子さんです。
 
睦子さんは広原地区にある自宅にて、毎週月曜日に「いきいき百歳体操」、第2・第4月曜日には「茶飲み場」を開かれています。高原町の『いきいきリーダー1期生』の中の1人でもあり、お花と猫を愛するとても元気な女性です。

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花いっぱいのお庭をどことなく散歩する猫たち。(全員揃うと10匹以上いるそうです!)

 

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一番好きなのはランの花。「育て方を佐土原町まで習いに行ったのよ~」

 

睦子さん:茶飲み場を始めたのは6年以上前でしょうかね。
ちょうどその頃、高原(西諸地区)が県内でも自殺率が高いということで、自殺防止対策の一環として始めました。
 
昔は近所の家の縁側なんかでね…「茶どんのみはんか~」って声かけて。
昔話や憂さ晴らしをしたりする風習があったんだけど、今は田舎でもそういうのが無いですもんね、皆が忙しい世の中で。一人暮らしの方が話し相手もいなくて、引きこもってうつになり、自殺してしまう。そういう流れを止めるために、まずそういう方から声を掛けて茶飲み場をやったらどうだろうかと、民生委員を含めての話合いをしたことがきっかけでした。
けれどその話が中々具体的になりにくい状況があったので、ひとまず4,5人位でもいいのなら、我が家でも何とかならんかね~って引き受けたことから始まったんです。
 

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ぽつりぽつり、皆さんそれぞれが思い思いに話をし始め、笑顔が溢れます。

 
―この地区のお年寄りのために茶飲み場を始められたんですね。
 
睦子さん:そう、独断でね(笑) ここの地区だけ(茶飲み場が)無いと、お年寄りが置いてけぼりになるような感じがあるじゃないですか。それじゃ可哀想だなというのが第一の理由ですね。元々料理は好きで、皆が喜んでくれるのが嬉しくて、手作りのものもよく出しています。自宅では食欲が出ないと言ってる人が、ここに来ると「むっちゃんが色々作ってくれるから、ついつい食べてしまう」って言われるから、それはよかったわ~て。
 
―うん、分かる気がします。人に淹れてもらったお茶って美味しいですもんね。
 
睦子さん:そう、それに一人だとよだきい(面倒くさい)ってなるのよね。食事を自分の分だけ用意するのってよだきいもんね!私もやっぱり喜んで食べてくれる人がいるから、ハマって作れるものね。
 

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「いきいき百歳体操」約45分間、手足の運動や、咀嚼運動などのプログラムがあります。
日常生活に欠かせない動きをベースにした介護予防の運動です。
 
睦子さん:体操も、もう90歳になる方がいつも家へ来る度「体操のおかげで…」って言ってくれるんですよ。ずっと足を悪くしていたのが、最近はウチに杖を忘れて帰っていったりね(笑) そんな風に皆さんが喜んでくれて、楽しみにしてくれているのを見ると“よかった~”って実感がありますね。
 
だけど体操もね、人の為じゃない。自分も一緒にやれば自分事じゃわ~(笑)
みんなでやれば楽しくできるし、自分も健康になれるしね。自分の為にやってるのよ。
けどそれが人の為にもなるしね…お互い助け合っていかなきゃいけない世の中ですもんね。

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この日来られていた方々で記念にパシャリ。多い時は15人位来るので部屋が一杯になってしまうそう。

 
睦子さん:こうやっていろんなことを始めたのはね、孫のためでもあります。
孫がどういう風に受け止めるかは分からないけれど、家でゴロゴロしている婆ちゃんを見てるより、色々と活動している婆ちゃんをみれば、「婆ちゃんはいつまでも元気で、人に喜ばれることをしてるんだ」とかね、少しは思うんじゃないかと思って。
 
―そうですね、お孫さん自身の老後に対するイメージ、生き方も変わってくる気がしますね。周りの家族も嬉しいでしょうしね…。
 
睦子さん:そうね、だから孫の教育のためにもね。毎日忙しくしているほうがいいと思っているのよね。
 

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睦子さん、ありがとうございました。
 
話の節々で「あははっ!」と明るく笑う睦子さん。
いつも笑顔を絶やさずに、小さな身体をキビキビと動かし活動していらっしゃいます。
「自分の為にやってるのよ~」とおっしゃる睦子さんは、地域の方々のことはもちろん、ご家族のこと、お孫さんのお世話など…いつでも凛とした姿勢で周りに気配りをしながら、皆さんの笑顔を生きがいに、充実した日々を送られているようです。
一見忙しそうに見えるのですが、疲れを見せることなくイキイキとされていて…まさに人生の先輩です。その姿に、こちらも襟を正すような気持ちをいただいたのでした。
 

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次回はえがおリレー始まって以来、初の男性です!
何でも高原町内で魚の養殖などをされている方だとか…お楽しみに!
 
 
 
 
 
 

えがおリレーvo.7 鈴木 ヒサミさん

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たかはるで日々暮らしをいとなむ人々。その人生やありのままの姿をリレー形式で伝えていきます。 今回は第7回目、鈴木 ヒサミさんです。
 
鈴木ヒサミさんを一言で表すと、“ 常に何かを作り続けている人 ”
夫婦共に働いてきた職場を退職したことを皮切りに、ヒサミさんはパッチワークを10年以上やり続け、その後独学で始めたというエコクラフト(紙製のテープ)を使用しての小物づくりを、今では講師として生徒さんに教えるほどになりました。
ご主人の(ます)()さんも奥様をサポートしながら、庭園づくりをしたり、鳥や鯉を育てることに夢中!ご夫婦共に、毎日楽しんでおられるようです。

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 敷地内には様々な草木が植えられています。今はモクレンの花が真っ盛り!
小川や水車も作られた素敵な庭園です。
 

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玄関口には沢山の壁掛け時計が…。真雄さんが壊れた時計などをもらってきては、修理してピカピカに生き返らせたという幸運な時計たちです。
 
早速ご自宅へ上がらせてもらうと、沢山の種類のカゴバッグが棚に並びます。
「散らかっていてごめんなさいね~、こんなとこ見せれるあれじゃないんだけど…」と謙遜気味なヒサミさんですが、その作品の数や豊かなバリエーションに驚きます。
 
「これは全部見本なんです、まず皆さんここから選んで作りたいものを作られますよ」

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エコクラフト教室は、毎週水曜・日曜の週2回、ご自宅にて開かれています。
午後1時~夕方まで、一回につき500円です。(※材料費は別)
クラフトテープを手で編みながら、様々なカゴやバックなどを自由に作ることができます。ご夫婦の丁寧なサポートを受けながら、黙々と集中したり、お喋りしたりしながら皆さんニコニコと楽しまれている様子でした。
 

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これは高原町秋まつりでの作品展示の様子。生徒さん達の作品も並びます。

ヒサミさん:(教室に)来た人が「たのしい」と言ってくれるので、私も嬉しいです。でももう80歳だからね、無理せずやっていこうと思ってます。
数年前に病気したけど、今は薬ひとつ飲まずにいれることがしあわせ。
あとは人が喜んでくれることかな…。
 
―そうですよね、それが元気の源になりますよね。手も動かすし…
 
ヒサミさん:ね、手はカサカサですよ(笑)それにちょっと頭も使うでしょ?10人なら10人違うものを作るから、それぞれを教えることもいいのかなとは思います。
 

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左はゴーヤの押し花。他にも花や野菜などが素敵に仕上げられていました。

 

ヒサミさん:いつも、明日は何しよう、あれしよう…と色々していて、
ぼおーっと一日が過ぎることがないです。それがいいのか、悪いのかは…。
でも雨が降る日はまた、手仕事がはかどりますからね~。
 
だから夜はぐっすり寝ます。朝になるとパッとおきて、三度のごはんも、なんもごちそうはないけれどちゃんと食べる。野菜は自給自足、畑も田んぼもしているから、自分でつくったものをね。そして朝は必ず花の手入れ!一度出たら、もう家に上がるのがよだきいぐらい(笑) 外にいたいのよ、もう太陽に当たってね。
 
水かけて、種をまいたり、花を取ったりしてね。ニワトリもいるし楽しいですよ。
忙しいですけど、毎日やりたいことをちゃんとしてます。
そして、もうちょっと若かったらフラダンスなんかも覚えたかったねぇ~と思うくらい!(笑)音楽が鳴ったりしたら、すぐ踊りたい人なの。集まりの時は夫婦二人で歌ってますよ、夫婦心中とか、ああいうのをね…。
 
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真雄さん、ヒサミさん、ありがとうございました。

 

どこも痛いところがないし、元気なのよね~、と笑うヒサミさん。
山歩き、ウォーキングも大好きだそうで(そこはご主人とは合わないらしい()
「足には自信がある、高千穂峰もまだ上がれると思う…!」と語られる、そのしっかりとした口調の中に秘められた芯の強さを感じました。
お二人の若々しさの秘訣については、日々を楽しく過ごされていることや、好きな事をして、喜んでくれる人がいて、皆で笑い合う時間がある…ということも言えそうです。

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「貧乏ヒマなし、かな」とおっしゃっていましたが、お金でしあわせは買えませんものね。ご夫婦それぞれが、互いにサポートし合いながら、好きな事をイキイキと楽しんでいらっしゃる様子を見ているだけで、素直にうらやましく、うれしい気持ちになるのでした。
そして次回は…「面倒見が良くてやり手なのよ~」とご紹介いただき、高原町の「いきいきリーダー1期生」のメンバーにも選ばれたお方です。どうぞお楽しみに!

 

 
 
 
 

 

 

 

湯之元温泉

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 高原町湯之元地区にある【湯之元温泉】は、明治35年創業の歴史ある温泉宿です。炭酸ガスが溶け込んだ珍しいお湯である【高濃度炭酸泉】の効能を求めて、
日々沢山のお客さんが訪れています。取材に訪れたこの日は小雨降る温泉日和。
駐車場は午前中にも関わらず、沢山の車で埋まっていました。
 

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温泉入口の脇にある野菜売り場。地元の方が作ってらっしゃるお野菜は新鮮で元気!
生産者さんの味のある絵と言葉が添えられていてぬくもりを感じます。 
 

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奥へ進むと“鉱泉くみ場”があり、温泉水を購入し持ち帰ることができます。 

 

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玄関口から上がると写真や額物がたくさん…!歴史を感じる落ち着く空間です。

 

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「これは…馬車かな?」昔は高原駅からここまで馬車が来ていたそうです。古い写真に見入る、こちらの方は宮崎市内から入浴に。「ここのお湯はいいよ~!」と絶賛されていました。

 

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 館内で頂けるお食事も美味しいと評判です。
写真はお昼の人気メニューだという「チキン南蛮」甘酢の効いた優しいお味…。
ごはんは温泉水で炊いたモチモチ美味しい「鉱泉ごはん」
見た目からして身体に良さそう!?
ごま塩の効いた「鉱泉おにぎり」も定番人気です。
 

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若女将の礼奈さん(左)と妹さんの真子さん(右)。美人姉妹、お肌もつやつやです~!
 
現在は先代の長女・若女将である礼奈さんのご主人・勝義さんが湯之元温泉の取締役を務めておられます。温泉の経営を引き継ぐために、今から2年半前に関東からご家族で移住されてきたそうです。そんな勝義さんに、温泉のことや生活の事について…少しお話を伺いました。
 
勝義さん:元々は福岡の出身で、そこで妻とも出会い転勤で東京に行っていたんですけど、先代の社長が4年半前くらいに病気で亡くなりまして。
その後先代の奥さん(義母)と妹達が頑張って経営をしていましたが、やはり男手が必要とのことで…仕事を引き継いでくれないかという話を頂いたんです。どうしようかと家族で考えましたが、そうやって力を必要としてくれているのであれば協力しましょうと、ここへ引越してきました。
 
―そういう経緯があったんですね。福岡、東京と暮らしてこられたわけですが、ここ高原町へ来られての暮らしはどうですか?
 
勝義さん:最初はね…田舎なので、夜暗すぎる道とかですよ(笑)虫が多いとか、生活インフラが整備されていない所だったりとか…そういった部分を不自由に感じたりもしましたが、逆を言うと(都会での生活は)会社終わって満員電車乗って、コンビ二に寄って後は家に帰って…みたいな感じの生活じゃないですか。
東京なんかでは必要なものはどこでも売っていますけど、沢山ありすぎてもどこに行けばいいのかわからない、みたいな状況ですしね。このご時世インターネット販売もあるし、足を延ばせば宮崎や福岡でもすぐ行けますからね。
とにかく何事も楽しんでやらないと…ていう気持ちで暮らしています。
不自由だから嫌だ、と思ってしまうと何もかもがつまらないですから。
 
―本当にそうですよね。都市部のサラリーマンから湯之元温泉のオーナーということで、暮らす環境、生活もガラリと変わりましたよね。この2年半の中でも色々あったと思うのですが、印象的な出来事はありますか?
 
勝義さん:個人的なことで言えば…工具を使って何かするということや、生活にぐっと密着した事ってほとんどやってこなかったんです。例えば、窓のサッシが壊れたとかですぐ業者さんに頼んでいたところを、今ではちょっとしたことなら自分で直せるようになりました。マイ工具セットも買いまして(笑)
温泉の設備を整えたりできるようになってきたし、そういう面では“あ、自分もちょっと成長したな”って思いますね。
 
―都市部だとお金さえだせば何でも手に入る。逆にこっちにくると…
 
勝義さん:お金だしてもダメですもんね(笑)
結局自分がどれだけできるか、知識の内容もこれまでとは全く違ったものになってくるので勉強しないといけない。ただ以前の仕事で法人融資を担当していたので、それは今経営に関わるにあたって非常に役立っていますね。
入浴に関しては、主に地元の方がメインですが、鹿児島、熊本など近県の方々が日帰りで来ることも多いです。コンスタントにお客さんに来て頂いているので、それは非常にありがたいことですし、これからもしっかりとケアできるような体制を整えていかないといけないなと思っています。そして、今後少しずつ部屋を手直ししたり、綺麗にしていくことへ着手していこうと思っています。 

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勝義さん、ありがとうございました。

 
施設内にいると、本当に次々とお客さんが訪れてきます。少しお話を伺うと
「足を悪くしたのをきっかけに、都城から毎日のように通っているのよ~」
「ここのお湯で、けんしょう炎を起こしていた手の痛みが取れてね…」
…などなど、温泉の効果を身にしみて感じていらっしゃる様子でした。
 
そして、これだけ地域に根付いた温泉宿ですが慢性的な人手不足だそうで…。
これから事業を発展させていく上で若い力も必要だということでした。
(ご興味ある方は是非!)明治時代から代々引き継がれてきた湯之元温泉、これからの新しい姿がまた楽しみですね。

 

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泉質:炭酸鉄泉
効能:慢性消化器病、神経痛など
お風呂:鉱泉風呂・露天風呂・サウナ・水風呂・源泉風呂
入泉料金:大人500円 小人250
※入浴・宿泊・食事可能
 
 

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杜の穂倉邸

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花堂地区にあるお食事処『杜の穂倉邸』は築200年にもなる古民家のお店です。
玄関で靴を脱ぎ店内に入ると、とっても落ち着くレトロな雰囲気。
丁寧に作られた和食創作料理が人気で、町内外から多くの方が訪れています。

 

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1F席/囲炉裏があり外の庭園が望める…昔ながらの空間が楽しめます。

 

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2F席/外に向けて窓が広く開放的、霧島山が望めるロケーションが魅力。

 

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こちらは『チキンカツ定食』1000円。添えられた小鉢や、たっぷりと盛られた野菜の彩りが目にも鮮やか!見た目も量も大満足のランチ定食です。

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お手製コンポートやフルーツなどの、ヘルシーなデザート付です。

 

お店をオープンして今年で8年目。
店主であり料理長の飯田さんは元々高原町のご出身。大阪や京都で料理の経験を積まれ、こちらへに帰って来てからは、周囲の協力も得ながら自然な流れで独立することになったそうです。
 
“できるだけ地元の食材を使い、季節を感じる料理を提供したい”という飯田さん。
 
丁寧に仕上げられたお料理から、その想いはちゃんとこちらに伝わってきます。農業をされているご両親が作られるお米や野菜を食材に使ったり、近所の方が鹿などの肉を持ってきてくれたりすることもあるそう。そんなご家族や、地元のつながりがしっかりあることも、新鮮で美味しい、真心を感じるお食事がいただける理由のひとつなのかな…と感じました。
 

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飯田さんとお母様です、ありがとうございました。

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葉月

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高原町西麓にある食堂「葉月」は、もうすぐ創業40年。
料理人のご主人と、配膳や配達をサポートする奥様のご夫婦ふたりで毎日お店を切り盛りされています。お昼時に来店されるお客さんも多く、奥さんがテキパキと配膳をこなされていました。
 

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こちらは定番人気の「からあげ定食」620円。優しい雰囲気の家庭の味、ほっとする
美味しさです。その他各種定食、丼物、うどんやカレーなどもあります。
 
創業当初からの変わらない味でご主人が作り続けている葉月のメニュー。
食材には、ほぼ町内の野菜やお米を使っており、ごはんが美味しいと好評です。
 

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 そして店内には何とも言えない、さっぱりとした雰囲気が漂います。
きっと長年の間、やるべきことを日々積み重ねられてきたご夫婦だからこそ出せる
空気感なんだろうなぁ~としみじみ落ち着いてしまいます。
ご主人が奥の厨房で作業されている中、少しお時間をもらい奥様とお話させていただきました。お仕事やお店に対しての気持ちをうかがうと「必死でやってきただけだから…」とはにかんだ様子。けれど、そのうち子どもさんやお孫さんの話になると言葉も弾みだし、お二人の優しいお人柄や、アットホームな雰囲気にすっかり心和んでしまったのでした。

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ご主人と奥様です、ありがとうございました。

 

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皇子原公園

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皇子原公園は、神武天皇ご生誕の地に創建されたと伝えられる皇子原神社を中心に整備された自然豊かな公園です。神武の館には民俗資料なども常設されており、藁ぶき屋根の民俗体験資料館などもあります。
 

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園内には宿泊できるコテージの他、テニスコート1.1キロコースのゴーカート、ローラースライダ―などの遊具があります。その他に釣場もあり、子どもや釣り初心者でも手軽に楽しめるのでオススメですよ。
 

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受付にて釣竿を借り、渓流沿いの遊歩道を歩いていくと奥の方に釣場があります。

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ここで釣ったニジマスを管理事務所(軽食コーナー)に持っていくと、その場で塩焼きにして頂くこともできます。綺麗な渓流で育ったニジマスは美味…!(※持ち帰り用に魚の下処理までしてくれます)

 

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そして宿泊可能なコテージは全部で15棟。
定員6名~30名まで泊まれる様々なタイプがあります。
キッチン、風呂・トイレ、ベッドなどの設備が一通り揃っているので、安心して泊まることができます。(※その他バーベキューもできます)
管理されたコテージに家族や友達とワイワイ泊まれるのは気軽でいいし、近くの温泉に入って、綺麗な夜空を眺めながらゆっくり過ごす…というのも贅沢なひとときですよね。
 

【コテージ内部】 

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管理事務所横にある鳥居をくぐり、階段を上がると「皇子原神社」があります。
神武天皇がご降臨された地であり「産婆石」の付近でご生誕になられたと伝えられている場所です。    

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春(2月~4月)にはソメイヨシノや山桜が咲き誇り、夏になると家族連れなどで賑わう園内。9月中頃には約300万本のヒガンバナが咲き始め、毎年秋分の日には「ヒガンバナ祭り」も開催されています。コテージの周辺にあるモミジも鮮やかに染まり、美しい彩りを見せてくれますよ。ぜひ、四季折々の変化も一緒に楽しんでみてください。

 

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