霞神社宮司 森田勇二さんギャラリー

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この赤い画面、何に見えますか?
マグマ?果物の表面?もしくは胎内…?
実はこれ、葉っぱをモチーフに描かれた絵画なんです。
そして作者は、霞神社の宮司である森田 勇二さん。

霞神社の記事はこちらから

 
以前霞神社へ取材にお伺いした際、話の流れから「絵を描いているんです」とお聞きし、その場で絵の写真を見せていただいたのですが…写真からでも伝わってくるじわじわと身に迫ってくるような絵のオーラに、神社でこんなアーティストに出会うとは…とびっくり!
宮司さんも快く「是非今度うちのギャラリーへ来てください」と言って下さったので、早速後日ご自宅のギャラリーへと足を運んだのでした。

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「妻に言ってるんですが、もし自分の絵が火事で燃えてしまうようなことがあれば、
自分も一緒に火の中へ飛び込むってね()」(森田さん)
 
アトリエに描き溜めた絵が、溢れかえるように積み重なっていたのを一旦整理しようと、絵の保管庫も兼ねてと構えられたギャラリー。
あまり表に出されていないので知る人ぞ知る…ですが、絵を好きな人がいつでも見に来れるようにと無料開放されています。
 
関東出身の森田さんは、高原出身の奥様とこちらへ移住してきて、まずはえびの高原の雄大な景色に魅了されたそうです。そこで風景画などの写実的な油絵を描き続けていましたが、そこから段々と視点が狭まってきて、普通に描いても面白みを感じない…と、地面で朽ちていこうとする葉からインスピレーションを受け、次々と描き始めました。
現在ギャラリーに飾られている作品は殆ど《葉っぱ》をモチーフに描かれたものです。
 

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絵を接写したもの。元々は(絵画用の)ナイフのみで油絵を描いていたという森田さんの
独特の筆のタッチや色使いに、しばし見入ってしまいます…。
 
森田さん:変わった絵でしょ?説明があると葉っぱっていうのは分かるでしょうけど、なんの情報も無く見た方は「なんなんですかね…?」と不思議そうに眺めてらっしゃる。人の顔が沢山集まっているのか…とかいう方もいましたね。
基本的に葉っぱなんですけどね(笑) そう見ればわかるでしょう?
 
―そうですね。けど見ていると“葉っぱとして見る”という感覚では無くなってきます。見る人によって色んなイメージが広がっていくでしょうね…。
描く前に「こういうものを描こう」と思って描かれているのでしょうか?
 
森田さん:そうですね、いろんな面から触発される部分はあるんですね。
一番は色、かな。例えば夜中に布団の中で天井を見ていて、そこに光が差した時の色が何とも言えない…この世で見れないような色合いがあった時、それをいかにとどめておけるか。具現化、色彩化していくか…そういう作業はしていますね。
 
ふとしたことにヒントを与えられることは非常に多いですよ。夜中寝ているときにパッと起きて絵具を画面に置いたりして…日々絵との闘いです。
 
例えば同じ“赤”でもいろんな要素の赤があるんですよね。
それとのバランスが崩れるともう駄目ですよね。緻密に計算したような感じで、自分の中に入り込んだ色彩感覚がうまく出せた時に、良い絵になったんじゃないかな…という気がしますよね。

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 宮崎や小林で個展を開催したこともある森田さん。
現在は自分の創作意欲と真摯に向き合いながら日々制作に没頭されています。
 
森田さん: 画壇とかグループ組織の中に入ってやるというのは、私の性格としては駄目だということを一番実感しました。美術展に出展するにしても“賞を取るんだ”という、本来とは違う欲が出てしまう…。発表というのは作者の名前をいかに出すか、ということでしょ。そうではなく、表現をしたいんだと悟った時に、内に籠っていい絵が描けるようになってきたかなと思っていますね。
 
ギャラリーを開いて、近所の方たちも見に来てくれたりして、初めてこういう作品に触れるという人もいました。分野としては抽象画になるんですが
「へぇーそういうものなんですか。…じゃあどんな風に見てもいいんですね」
っておっしゃっていたりして。
私の絵を通して、こういった絵の世界に距離が近づいた人達がいるんじゃないかと思いますね。特に発信などしていませんが、好きな方がいればいつでも見に来て欲しいです。そういう方達と、絵も出会いたがってると思うんですよね。

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そんな風にお話をお聞きしながら…
いつもさりげなく側にいる奥様の存在がありました。
きっと奥様は、いつもこんな風に森田さんの創作活動を支えられているのだろうな、とてもいい関係なんだろうな~という雰囲気が、少しご一緒しただけでも伝わってきます。
 
森田さん:神社から帰って来ると、私はもう絵の世界に切り替わる訳ですよ。
するともう帰り際の寄り道とか買物、一切ダメなの(笑)
とにかく帰るんだと、5~10分の買い物に付き合えない訳ですよ…
それが直子(奥様)は嫌みたいですよ。
 
直子さん:ちょっと待ってて、トマト1個買うのに何で待ちきれんかねっ…て!
仕方ないから一旦自宅に送ってきて、それから私一人で買物に出るんですよ。
これがでも、ほんっとに無駄って思うの…(笑)

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森田さん:私にはそういう寄り道がムダなのよな(笑)
絵具を混ぜる油が生きているんですよ、固まったりしちゃいますからね。
その油を調合しながら…私の場合は3段階に分けて、さらさらの油・中間・どろどろの油、これを使い分けて描いているもんだから、一日間が空くだけでも全部予定狂っちゃうんですよ。

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こちらは森田さんの敬愛する画家・戸嶋靖昌さん。「とても素晴らしいですよ」と画集を
見せて下さる様子に、本当に絵がお好きなんだなと感じました。…にしても素敵な写真!!
 
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森田さん、直子さん、ありがとうございました。
 
ギャラリーに入ってすぐ「どうぞ、ゆっくり見ていて下さい」としばし時間をいただき、ひとつずつ作品の前に立って向き合っていきます。
どれも、とても美しい色彩と、得も言われぬ世界感。
絵の奥から感じる引力に心がどんどん引き込まれていくようです。
 
2時間近くここに居て、じーっと見ていく人もいますね」と森田さん。
どの絵からも《こういう風に見てほしい、こういうことを言いたいんだ》
というような主張は感じません。
《好きなように見て、自由に感じていいんだよ。今、あなたは何を想う?》
そんな風に語りかけてくれるような懐の深い作品たちと、
じっくり会話を楽しみたい。そんな気分になり、時間を忘れて見入ってしまう
という気持ちも分かるなぁ~としみじみ感じ入るのでした。
 
今後もギャラリーでは、定期的に作品を入れ替えて展示していくそうです。
ご興味のあるかたは是非、森田さんの作品に会いに行ってみてください。
きっと心に響く何かがあるはず…。
 
【森田さんのギャラリー】
宮崎県小林市大字細野2373-12
連絡先: 090-4989-5968(森田) ※ご連絡されて行かれたほうが確実です
 
 
 
奥様曰く、森田さんは“動物園の白クマ”だそう。
「部屋を行ったり来たりして…だから絨毯もそこだけすり減ってるんですよ」()
それだけ夢中になれることがあるって、素敵なことですよね。
 

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霞神社

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昔から“商売の神様”として知られているという霞神社。
大きな鳥居を構えた表参道の奥には、700段もの長い階段を上がっていく参道
が続きます。(途中まで車で行ける東参道・中参道の方がここより近道です)
 
何はともあれ、やっぱり森の中は気持ちがいいもの。
しずかな空気に耳を漂わせると、樹々の葉が風と遊ぶ音、鳥の歌がしっとりと
身体に沁み込んできます。
黙々と階段を上りながら、脇の樹々の合間から見える遠くの景色を休み休み
眺めつつ、何とか上り終えたところで、ふと目に付いた心優しき小さな看板さん。
ありがとうございます、おかげ様でちょっとした達成感。

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樹々の道が開けてくると、明るい気配の先に神社が見えてきます。

 

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12月初旬の御神門の横には、来年の干支・亥の旗が掲げられていました。
一通りお参りさせていただいた後、宮司の森田さんにお話を伺いました。
 
―霞神社についてお聞かせください。
 
森田さん:昔から開運ということで、特にご商売関係の方、鹿児島や熊本辺りからも多く来られています。自営業の方で、お孫さんの代まで継がれている方も多いですね。
あとは白蛇様という存在が、皆様方には周知されているかと思います。ご覧になったことのない方は結構多いんですよ。30年間毎年いらして一度も…という方も沢山おられます。あくまでも自然の中で生息していますから、中々見れないんですね。
 
―主に白蛇様は、どこの場所でお見かけできるのでしょうか?
 
森田さん:ご本殿の裏手にある岩山で見れることが多いです。
比較的こういう環境を持った神社は多いのですが…ご神体そのものが神様として祀られているような建物は無くて、元々にある山自体が拝む対象であるという。神様=山として昔から信仰を集めていた場所なんです。
そこに世間で言われているヘビとはまた違った、小さく珍しいヘビが生息しているということで信仰を集めてきたわけなんですね。

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天保14年(1843年)に描かれた絵。赤い〇印のところに、白蛇の姿が小さく描かれています。
白蛇様を見たことのある方の話だと、小さくて銀色に光るような感じだったそうです。
 
 
―かなり昔から白蛇様の存在が認められていたんですね。
 
森田さん:そうですね。江戸時代の文献にもそのような資料が残っています。
山伏の方達がホラ貝を吹きながら山を歩く姿…今でもたまに見かけますけど、信仰の形体、修行僧たちが最初に出てきたのが平安時代なんですね。
おそらくその頃から注目されていた場所じゃないかと思われます。
 
この辺りでは霧島もありますし、典型的な修行の場として山伏達がいつも渡り歩いていたり、道場にしていたりして…。今は目立ちませんが、当時の様子だと平野の中にポンと岩山がある感じだったのでしょう。「変わった岩があるぞ、行ってみよう」と立ち寄って、珍しい白蛇の存在に気づかれたのでしょうね。
その方達が霧島の山に行く前に、ここに住んでいる石神様に修行の無事と安全を祈っていきましょうと、ここを借りの集まり場所・住まいとして“霞”という名前が残ったのではないかと…推測なのですが。
歴史としては非常に古い、山岳信仰にまつわりのあるような場所であったんでしょうね。
 

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天に近い…!とても眺めのいい展望所。向かって右側に白蛇様のお目見えする岩山がある。

 
―そうなんですね。霞神社にはこれまで沢山の方々が来られていると思うのですが
印象に残ることなどあれば、聞かせてもらえますか?
 
森田さん:そうですね、展望所の景色はだいたい皆さん感動されていきますね。
あと境内自体は狭いんですが、神社の所有地にもなる周囲の山などの手入れが行き届いている…ということは専門の方から見ても分かるようです。広い敷地内を毎日、職員の方々が懸命に手入れしています。景色の美しさも参拝者の心のなごみに直結していますので、来てよかったなと思っていただけるといいですよね。
 

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宮司さんにとって、霞神社はどのような存在でしょうか。
 
森田さん:いろんな人との出会いを導いてくれた場所でもあります。
いろんな方が来られますが、大半の方が必死の思いでいらっしゃるんですよね。
そういう方達のことば、姿勢に触れた時に、みずからも襟を正しています。
だから逆に、参拝者の方達に教えられる…ということの方が多いような気がしますね。
 

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森田さん、ありがとうございました。

 
【霞神社】ーかすみじんじゃー
宮崎県西諸県郡高原町大字後川内1553-1
TEL0984-42-0033 
 



 

皇子原温泉健康村

 

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狭野神社近くにある皇子原温泉健康村。
元々は狭野養鱒場として料理を提供していた場所だったそうです。そこから温泉が掘り出され、平成元年に温泉施設として開業されました。養鱒場も併設されており、温泉と一緒に釣りを楽しんだり、鯉のあらいや鱒料理を頂くこともできます。

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温泉の入口横にある、広い敷地内にあるつりぼり。
綺麗な湧水の中にはコイやニジマスが沢山!
 

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こちらは人気の鯉料理。
鯉こくのお鍋は味噌ベースで旨味の効いたほっとするお味。
刺身も臭みがなくてプリプリした食感!
酢味噌でさっぱり美味しくいただけました。
「水が綺麗だから、臭みはほとんどないんですよ」とオーナーの奧様。
最近では鯉は珍味として需要もあるそうで、鯉料理目当てで来るお客さんも
多いようです。(他にもうどん・そばや定食メニューも充実しています)
 

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宿泊や休憩、宴会も可能です。(※但し宿泊に関しては団体のみ)
交通アクセスの良さから、スポーツ合宿の団体さんが年間何千人と来られるそうです。施設内には広いお部屋から個室まであるので、遠方からのお客さんは温泉のあとに個室でゆっくり休憩して帰ることも出来ますよ。
 

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ロビーから温泉入口にかけて、ちょっとした休憩スペースになっています。

 

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皇子原温泉健康村の温泉は45℃の適温で湧いているので
源泉そのままのかけ流しです。肌あたりの柔らかいお湯ですが
炭酸がじんわり効いてくるので身体が芯から温まります。
他にもサウナや泡風呂、霧島裂罅水の水風呂があり
温泉好きならゆっくりと楽しめますよ。
入浴料もお手頃なので、毎日のように温泉へ入りにくる常連さんも多いそう。
「ほどんどの常連さんは来られる時間が正確なので…“あ、あの人が来たから今何時だな”って分かるんですよ(笑)」
地元の温泉好きに愛されている皇子原温泉健康村。つりぼりで遊んで、美味しい食事の後に、ゆっくり温泉に浸かる…そんなのんびりした休日を家族で過ごすのもいいかもしれませんね。
 
【皇子原温泉健康村】
泉質:炭酸水素塩泉
効能:慢性消化器病、糖尿病など
お風呂:大浴場・露天風呂・サウナ・水風呂・超音波風呂・泡風呂
入泉料金:大人300円 こども150円
※入浴・休憩・団体宿泊・食事可能
 

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狭野神社

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高原町にはいくつかの神社があり、年間30万人もの人々が訪れているといいます。
今回はその中の一つである、狭野(さの)地区にある狭野神社へ。
ご社殿へと向かう参道を歩くと、樹齢400年以上といわれる狭野杉があり
ほの暗い杉並木や森の香りや静寂に心洗われて、清々しい気持ちになります。
今回は狭野神社の神主である、小多田さんにお話しを伺いました。

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狭野神社についてのお話を聞かせてください。
 
小多田さん:神武天皇様(日本の初代天皇)のお生まれになられた神社ということです。2500年前位の話になりますが、元々は上にある神社(皇子原)に神武天皇様のお産まれになられた場所ということで祭られていましたが、噴火で社殿が燃えたりなどの紆余曲折を得て、今のこの地にお鎮まりいただいています。

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ご社殿は明治40年位に宮崎神宮より移築して建てられたものでございます。
他にも天孫降臨高千穂峰を中心として、霧島神宮などをはじめ、いくつかの神社があります。“山岳信仰”というひとつの信仰があり、神様と仏様をいっしょに祀るような時代もあったんですね。昔はこの近くに神徳院というお寺があり、そこで山伏さんやお坊さまが神社を守られていました。
神仏習合”という言葉がありますが、神様と仏様を一緒に崇めながら狭野神社の信仰を守ってきた時代があったんですね。
今でも“霧島六社権現”というのですが(※霧島神宮狭野神社霧島東神社など6つの神社の総称)御朱印帳を持って、若い女性から子どもまで神社を廻る人もすごく多いです。
時代がこういう世の中ですから、神社に身を置いて自分を振り返るようなことが求められているのかな…と、ここに居ると感じますね。

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―本当にそうですね。“心が鎮まる場所”という感じで…多くの人が訪れるというのも分かります。
 
小多田さん:僕の小さい頃は、身近に祖父母がいて両親、叔父・叔母と、家族が皆近くにいるという環境でした。神様に朝晩お水をあげたり、ごはんをあげたりで手を合わせる機会は多かったんですが…今はそういう風習もほとんどなくなりましたからね。
小学生の頃には祖父が狭野の秋まつりに、学校を休ませてでも連れてきてくれていたんですよ。いかにも縁日といった雰囲気で露店が沢山でていたり、四半的(弓矢)を引いたり…いろいろな行事があったのを思い出します。
今はもう無くなりましたが、鮮明に記憶に残っていますね。
じいさんに手を引かれながら歩いた参道や、夜の宴会で酔っぱらったじいさんの姿なんかもね…(笑)

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御田植祭(奴踊り・棒踊り)/毎年516日】400年以上の歴史を持つ稲作儀礼

 

 

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【苗代田祭(ベブガハホ)/毎年218日《宮崎県指定無形民俗文化財》】
全国的にも珍しい農耕神事。境内でユーモラスに舞われます。
 
 
 

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【狭野神楽/12月の第1土曜】寒空の中、第二鳥居前で夜を徹して舞われます。

 
小多田さん:今、地元の人達とも神楽や行事を通じて交流させてもらっていて、本当に高原は素晴らしいと感じます。人が本当にいいですよね。
私自身は今えびの市で暮らしてはいますが、本当にふるさとだと思って、骨をうずめる気持ちでやらせてもらっています。

―様々な参拝者の方が来られると思いますが…印象的なことなどありますか?
 
小多田さん:いろんな方が来られます。お宮参りでも、未熟児で産まれた子が「やっとお宮参りできるようになりました…」と嬉しそうに来られる方とか、奥さんが意識不明の状態で、病気が治るようにと、毎日のように手を合わせに来られている方もおられます。
手を合わせる、祈りというものにはそれぞれいろんな想いがありますからね。
そういう気配を感じながらそっと見守ることが私たちの役目だと思っています。
神様が施してあげたいご利益を、少しでも授けられるようなお宮だったら…
いいですよね。

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小多田さん、ありがとうございました。

 
 
狭野神社ーさのじんじゃー
宮崎県西諸県郡高原町大字蒲牟田117
TELFAX 0984-42-1007

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えがおリレーvo.4 瀬戸口 美智子さん

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たかはるで日々暮らしをいとなむ人々。
その人生やありのままの姿をリレー形式で伝えていきます。
今回は第4回目、瀬戸口 美智子さんです。

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美智子さんは宮崎市出身ですが、ご結婚後にご主人の実家がある高原町へ移住されてきました。後にご主人は宮崎市へ単身赴任でのお仕事になり、二人のお子さんも東京と福岡へ…。現在はご主人のお母様とふたり暮らしです。
後川内地区で簡易郵便局を始めて早30年。今は簡易郵便局連合会・宮崎県の会長、九州地方の副会長、更に全国の理事も請負っているそうです。その他にもスポーツ推進委員(宮崎県副会長)、交通少年指導員、少年補導員なども…。
すごいですね~!と伝えると「ずっとやってると役が回ってくるんですよ~、頼まれると断れないし…やると今度は辞めずらくなるしね」とやや困り顔で軽快に笑います。
 
―元々宮崎市ご出身ですが、高原町での生活も長くなりますよね。ここでの暮らしの話を聞かせてもらえますか?
 
美智子さん:そうですね。最初は高原町へ行くんだと思ってたんだけど、いざ来てみると後川内という地区にお嫁に来たという空気感があって…。
ここの地域性もあるし、みんなつながりが強いんですよね。
よく「後川内って団結してるよね」って言われます。私も昔からのつながりの深さみたいなものを感じていて、そういう後川内地区の良い所を発信できたらいいなって思っています。人数も減ってきて難しいけど…なにか地域が元気になるものを作りたいんです。お祭りもそのうちの一つだし。
 
―後川内のお祭りのこと、昔ながらの感じですごく良いと聞いています!
 
美智子さん:そう、とにかく後川内を元気にしたいっていうのと、外に出ている人達が故郷に帰ってきた時に集まれる場所になれたらいいということで…毎年お盆の14日にやっているんですよ。
それも最初10人位のメンバーで「お祭りやりたいよね!どうしようか?」という所から始まり…来年は15年目で節目になるから、またちょっと盛り上げることができればいいな~と思っています。お盆に帰って来た人から、お祭りの会場で○○年ぶりに友達に会えました~!とか、来年は家族を連れてくるからまた開催してください!とか言ってもらえて…。

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―故郷に帰ってくる人にとっては嬉しいし、帰ってくる楽しみができますもんね。
 
美智子さん:うん、今ではみんな子供や孫がお祭りに合わせて帰ってくるって聞きます。そしてこのお祭りの屋台も、全部この地区の人達のボランティアなんですよ!
皆が友達に「手伝ってくれん?」って言って、それで成り立っていて…。
それが本当にすごくないですか?
みんなが口伝で頼んでくれて、最後まで、後片付けまでしてくれるんです。
屋台も色々あるんですが、焼きそばのコーナーはずっと恒例で小学校・中学校の先生たちがやってくれているんですよ。皆の協力で成り立っていることが本当にありがたいです。

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地元のお祭りならではの抽選会!右はじが司会をする美智子さん。

 

「人とつながっているのが楽しいから…」と学校での絵本の読み聞かせや、地域の体育館でミニバレーやエアロビクスもやられている活動的な美智子さん。それもそれぞれが都合のつく日に無理なくやっている、いつでも気兼ねなく参加できるように続けていると言います。「本当にやめるのはいつでも出来るので、細々と続けている感じかな~」
それって地域の皆さんにとってもありがたいことですよね。いつもは参加出来ないとしても、なくなると寂しいものです。継続は力なり。
私なんかは、それって案外難しいことなのでは…と思ってしまいます。
 

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美智子さん:今は皆忙しくて普段中々会わないんですよね。
本当に、それは口蹄疫の時に感じました。その時期は人に会えなかったし、公民館なんかでも集まることが出来なくて、体育館も使えない。
週に何度か会っている人とも会えない。
人とこんなに会わないって…大変な事なんだなって思って。
いつもグランドゴルフやってる人達も、毎週やっていたことを急にやれなくなってストレスが溜まり「今日はおでん作るから皆うちにおいでよ~」って声かけて集まったのよ~って話してました。皆で集まって身体を動かしてコミュニケーション取る…ってあたり前のようにやっていたことが、急になくなると息づまりを感じるというかね。

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この前はさわやかスポーツ教室の活動で、小学生と高齢者とのグランドゴルフをしたんです。去年から学校の授業の一環としてやらせてもらえています。
最近は土日だとクラブなどで忙しい子ども達も多いんですよね、けど日中の学校だと集まれますから…結構にぎやかでしたよ。
 
―いいですね~!若い人とお年寄りが関わり合うことの大切さってすごくあると思います。美智子さんご自身は、今後こうしていきたいな~という想いなどありますか?
 
美智子さん:そうですね。これはまだ誰にも言ってないんですけど…(笑)
あと5~10年してそれぞれの役も降りて時間が出来たら、コーヒー飲んだりしながらお話できるような場所がつくれたらいいな~と思っていて。
今は難しいんですけど、いずれ形になれば…!と思っていますね。

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美智子さん、ありがとうございました。

 

後川内地区のこと、噂には聞いていました。
「地域のつながりが強い」「みんなで地域を盛り上げようという雰囲気がある…」
地域の人とのつながりで成り立っているというお祭りも、今では貴重になりつつあるのではないでしょうか。お盆時期に自然と皆に会える…というのも何だかいいですよね。
 
「エアロビも2人そろえばやりますよ、1人ではやらないけどね()
頼まれることがあると、その気持ちも嬉しいし、とりあえずやってみる。そして
止めることはいつでもできるからと、やり始めたことはできる限り続けていく。
その想いには、自分のやりたいことをやるというよりは、周りのために…
そしてそれが自分のよろこびに繫がっているという気配が漂います。
人が好きで、自分の暮らす後川内地区を愛し、小さな郵便局でニコニコ笑う美智子さんは、地域にとってあたたかい光のような存在。
郵便局でおばあちゃんと会話する風景を眺めながら、ふとそう思うのでした。  

 

次回のえがおリレーは、美智子さんと同じく後川内地区にお住まいで、東雲(しののめ)太鼓に力をいれていらっしゃる方だということです。お楽しみに!
 
 
 
 
 
 

つばきの里(農家民泊)

高原町では「お試し滞在事業」を行っています。
 
高原町ってどんなところ?”  移住をお考えの方など、町内の雰囲気を実際に感じることができるのでご利用されてみてはいかがでしょうか。ただ泊まるだけではなく、それぞれで農業体験などができたり、現地のリアルな情報が聞けたりするのでオススメですよ。
今回はいくつかある宿泊施設の中から広原地区にある「つばきの里」をご紹介。
齋藤さんご夫婦がご自宅を農家民泊施設として運営されています。その名の通り
つばきの木が敷地内にあり、大自然を感じることのできるロケーションにあります。

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目印となる “やぐら” ここで眺める景色や夜空はかくべつ…!

 

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こちらが齋藤さんのご自宅。脇には立派なつばきの木、その前には広い畑が広がっています。

 

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優しい雰囲気の龍雄さんと、元気いっぱいの孝代さん。

 

―民泊を始めたきっかけを教えて下さい。
 
孝代さん:夫が先に知り合いと話してて…もう二人で決めちゃってたのよ!(笑)
もし私に話が来てたら反対してたかもしれない、だって(要領が)分からないもの~!けどトントンと決まってしまって、そこから家の障子を張り替えたり、各種手続きしたり、車も乗りやすいのに変えてね。
でもまぁ、やってみたら楽しいんですよ。ボケ防止にもなるしねっ(笑)
 
龍雄さん:民泊一回目の人達は神戸の人達で、「星空を楽しみにしてる」って言っていて。神戸の街は夜明るいから滅多に星が見れないらしくてね…
そこからやぐらを作ったんですよ、星をゆっくり眺めてもらえるようにと。
 
―印象に残っている思い出などありますか?
 
孝代さん:最初に来た子ども達(修学旅行生4人組)は今でも印象に残っている。
一生忘れない。自分達も初めてだから一生懸命!こちらの不安もあるけど、子どもたちはもっと不安だろうからね。そういうのは見せちゃいけないと全員の名前を最初に覚えて、会った時点ですぐ名前を呼んだら喜んでくれたりしてね…。
そして夕食にチキン南蛮作っていたら、4人の合唱が聞こえてきて「すごいね~、あなたたち歌上手いね~」って。それが忘れられないんですよ、すごく心に残っていて。そういう思い出全部、それぞれが素晴らしくて…。
 

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福岡からの修学旅行生4人組の民泊当日。まず家に着いたら自己紹介やお話で打ち解け合います。
「じいちゃん、ばあちゃんって思ってね~」
 
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お腹が空いてるだろうと、この日はすぐにお昼ごはん!定番のジャーマンポテトと、他にも沢山の品々…
 

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たくさん食べた後は畑で農作業体験!ネギやさつまいもの収穫を皆でワイワイ!楽しみながら…

 

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つばきの里の畑で採れた、うつくしき新鮮なお野菜たち!

 

―民泊をする上で大切にしていることはありますか?
 
孝代さん:一番気を付けているのは、自分達が常に初心に帰ってやること。
気を張ってやっていますよ、ケガをさせたらいかんからね。
龍雄さん:ケガや病気をさせないこと、目を離さないことですな。
孝代さん:あとは「ここに来たら絶対に仲良しこよしだよ~いじめはダメ!」
そんな感じ。中学校一年生なんかは元気ですよ、女の子でも本気で枕投げしますからね(笑)  あとやぐらに登った人には皆、東西南北に向かって「ヤッホー!!」って叫んでもらうんです、大人でもね(笑)ここは周りに迷惑掛からんから、大きい声で腹から叫んでいいよ~!って言うと、皆やってくれますよ。
うちのしきたりです(笑)

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―それはいいですね~!普段大声を出すことって中々ない…発散してスッキリしそう!
 
孝代さん:そう、我が家は楽しんでますよ。楽しんでもらえるとこちらもパワーをもらいます。学生さんで帰りに泣いて帰っていく子がいるんですよ、たった一泊で。校長先生が言ってましたよ。「学校に3年間もいて泣かない子がいるけど、たった1泊2日で泣いて帰る子がいる…そこが民泊の良さですね」って。
龍雄さん:部屋に来て「あれ、しずかだな~」と思ったら、みんなでしくしく泣いてるんですよ。こっちまで涙が出ますわ(笑)
ここを第二のふるさとだと思って欲しい。
“孫って言われてうれしかったです”って手紙をくれた子もいましたね。
 
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龍雄さん、孝代さん、ありがとうございました。
 
最初は  “ 私に(民泊の)話が来てたら反対してたかもしれない ”
とおっしゃっていた孝代さんですが…。いやいや、ハマり役としか思えません。
優しく大らかに構える龍雄さんと、元気いっぱいにイキイキと動き回る孝代さんは
はたから見てもすごくいいコンビ。
あっという間に周りの人々を笑顔でいっぱいにします。
「私たちのお孫ちゃん達!!」と目をキラキラさせながら話しかけてくる孝代さん、そして出される美味しそうなお昼ごはんに、初めてここへ来た中学生もあっという間にキンチョーがほぐれてニコニコ嬉しそう~。そして一緒にいた私までお二人の温かなお人柄に元気をもらい、こころホクホク。そして取材後は、その日の楽しそうな夕食風景を思い浮かべながら…つばきの里を後にしたのでした。
 

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えがおリレーvo.3 田口 恵さん

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たかはるで日々暮らしをいとなむ人々。
その人生やありのままの姿をリレー形式で伝えていきます。
今回は第3回目、田口 恵さんです。
 

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高原町出身の恵さんは現在、後川内地区に家族で暮らしています。
高校卒業後には熊本へ行き、そこで出会った(偶然にも同じ高原町出身だった!)
旦那様とご結婚。その後お子さんが2歳になったときに、ふと高原町へ帰ることになったそうです。
 
「熊本もすっごく楽しくて。けど何か自然な流れで帰ったんですよね…子どもも出来たことだし、そういえば二人とも高原出身だったねって()
 
出産後、子育てしながらエステの仕事をしていた恵さんは、高原町へ帰って来てから務めたサロンでの経験を活かし、今から3年前に自分のお店をオープンしました。
 
「その時務めていた小林市にあるサロンのオーナーが整体師さん、その奥様がエステティシャン。その時期に講師として来ていた先生も、リンパやアロマを教えていたセラピストさんだったという流れで、すごく運が良かったんです。
そのすべてを習得できたという…。
けど仕事柄、土日も忙しくて。ずっと子供の野球チームの試合についていけなかったことに申し訳ない気持ちもありました。後々そのことを後悔したくない、せめて最後位は…と、子供が6年生になるタイミングで自分の店をOPENしたんです。
全てが勢い()
 
元々自分で何かしたいという気持ちが強かったという恵さん。
お店の名前も19歳の時にはすでに心に決めていたそう…!
 

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「お店の名前である“GEM”っていうのはメグ(恵)の逆なんですけど、宝石・輝くっていう意味があるんですね。毎日を笑顔で過ごしてほしいっていうのがコンセプトです。
そして私のテーマ、一番は《心と身体》です。もう今の世の中…この現状がね。
毎日楽しく笑顔で!っていっても、現実そうじゃない人って多いと思うんですよ。
実際に心と身体が疲れている人って、本当に沢山いる…」
 
お店は、小林市の静かな住宅街にある一軒家。
これまでのお客さんにも気軽に来て欲しいという気持ちと、出来るだけ静かな環境でリラックスして欲しいという想いから、今の場所を選んだそうです。
 
「来られた方に喜んでもらえると、不思議とすごく元気をもらうし、
やる気が増すんです。自慢じゃないけど、心だけは込めてやっています」
 

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施術室。体調に合わせてボディトリートメント、フェイシャル、リフレクソロジーなどを行う。

 

セラピストとしてお店を開き、もうすぐ4年目に突入。
二人の男の子(中2・小5)を育てながら…今どんなことを想うのでしょうか?
 
恵さん:出産して、お母さんという未知の世界に入り、子育てしながら
“自分が育てられているな、これなんだな”って後から気づきました。
人ってその環境に応じて、なるようになるというか…強くなるんだなって。
良く聞きますよね、《男は、女に変わってほしくないと思う。
女は男に変わってほしいと思う》って(笑)
 
うちの子は地元のことを、こっちは嫌だとか、何にもないとか言っているけど…。
たぶんまだ気づいてない。例えばひとつ、自然を感じること、人を感じることで
高原の良さが分かるようになるといいなぁって思っています。
 
長男なんかは東京に遊びに行ってきて「ものすごく楽しかった!」っていうので
「住めばいいじゃん!高校卒業したら…」て言うと
「いや、住むのはいいかな。」って、子どもながらに言ったりするんですよね(笑)
 
けど一回は(外へ)出て欲しい。世の中に出ていろんなことを感じて欲しいから。
やっぱり男だから、どんな環境でも強く生きられるようになってくれたら…
と願ってます。
 

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恵さん、ありがとうございました。

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お部屋に入ってまず感じたのは、空間の透き通ったようなここちよさ。
空気が整っているというか…透明感がありますね、と伝えると、え!?
とびっくりされた様子。
「お客さんに霊視とかヒーリング関係の人がいるんですけど、
“ここには何もないね”とか“この部屋何かしてもらったの?”て言われるんですよ。
何でしょうね~。自分は全く無意識、何も考えてないんですけど…」
と明るく笑います。
たぶん恵さんそのものが、癒しの要素をお持ちなんだろうなぁ~と妙に納得。
 
お話を聞いていると、人のこころと身体を楽にしてあげたい…という気持ちがひしひしと伝わってきます。そんな中、こっちがお話を聞きに行ったはずが、いつの間にか自分の話をしている我にハッと気が付いたりして…()
包み込むような優しさ、芯の強さをもったステキな女性でした。
 
次回のえがおリレーは、恵さんの地元である後川内地区の看板娘!
「地域を元気にしてくれる人、アグレッシブな姉さんです」とのこと。
どうぞお楽しみに…!