工房 恵(水﨑 恵美子さん)

花堂区のご自宅で《工房恵》という看板を掲げ、ガーゼ服や小物などの創作活動をされている水﨑さんにお話を伺いました。
ご自宅へ上がらせてもらうと、手仕事の品がたくさん…!ガーゼのワンピースやカットソー、草木染のストール、着物をリメイクしたバッグなどが置いてあります。

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肌に優しいECO染料で染めた、手作りのガーゼワンピース。

 

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草木染めのストール。左が玉ねぎの皮、右がインド茜で染めたもの。
草木染ならではの優しく豊かな色合いです。
 

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写真は幼い頃の恵美子さんとお母様。
後ろには七つのお祝いに作ってもらったという絹の着物が飾ってありました。
 
 
―もともとモノづくりがお好きでしたか?
 
水﨑さん:好きでしたね。小さい頃からお人形さんの服を作って兄弟で着せ替え人形して遊んだりしていました。以前病院に長く勤めていたので、今使っているガーゼはその縁があって問屋さんから買っています。
病院に行くときも自分の服を縫って着ていったら、それどこで買ったの?ってよく聞かれていて。じゃあコレを自分で作って安くで売ってあげよう、って始めたんですよ。
そしたら結構お客さんが来てね。ガーゼ服は重ね着で年中使えるし、夏はこれ一枚で涼しい。汗をかいてもすーっと吸ってくれて、匂わないの。医療ガーゼは特に良い綿を使っているからね。

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※使われているガーゼは医療用なだけあってとても丈夫。布端もしっかり始末して丁寧に作られているガーゼ服は、10年以上びくともせず着られているそう。
 
―こういったものづくりを初めて、どれくらいになるんですか?
 
水﨑さん:仕事を辞めてからだから、8年目ですね。
最初は分からないし、どんなもんだろうと思ってね。私の作品が通用するのか、一人で東京に持って行ってみたんです。そしたらすごく売れたんですよ。それから自信をつけて作り始めて、その後数年は東京での出品も楽しくて続けていました。
けどもう歳ですからね、趣味の延長くらいがいい。商売にはしたくなかったから。
身体も無理がきかなくなってきたし、もうボツボツやろうと思ってね。 

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皆が来てくれて、おしゃべりして、お茶飲んで…っていうのがいいのよね。
自分が楽しくないと続かないもんね。そうそう、今はお料理もしてるから(※花堂キッチン…地元の女性6人で立ち上げたお料理チーム。平日にお惣菜ものを皆で作って、直売所へ出している)それが結構忙しいのよね、けど皆でわいわい楽しんでいます。
 
―え、そうだったんですね!お惣菜食べたことありますよ~、美味しかったです。
いいですね、皆さんで楽しそう…!
高原には、ずっと住まわれているんですよね。ここでの暮らしはどうですか?
 
水﨑さん:やっぱり、高原は落ち着く。田舎が好きよ、草花育てたりね…。
自然な暮らしがいい。高原の人もすれてないところが好き。素朴ですよね、皆。
あんまり距離が近すぎてうるさいときもあるけれど(笑)
食べ物も美味しいしね、野菜も肉も。
 
―そうですね、自然豊かだと美味しい野菜も育てられますしね。
 
水﨑さん:そうそう。庭の畑もしないといけないのよ~、種をまかなきゃと思ってて。毎日忙しいですよ、一日24時間じゃ、足りない!(笑)
定年になったらゆっくりしようと思ってたのにね~。
けど歳を取ってもこんな風にして出来るって…しあわせですよ、ねぇ。
 

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水﨑さん、ありがとうございました!
 
一見おっとりとした雰囲気の水﨑さんですが「思い立ったらすぐ!うじうじしてないの」と、古希のお祝いにご自身のポートレートを東京へ撮りにいったり、海外旅行へ行ったり…とってもお元気!!
思ったことをすぐ行動に移せるっていうのも、才能のひとつ。
身も心も風通しが良くないと出来ないことですよね。
それに“一日24時間じゃ足りない”…そういう言葉が自然と出てくる日々を送れること自体が、とても素敵なことだと思います。
冬になったら暖かいコタツでゆっくり細々とものづくりしていたい…とは言いつつも、服作りを頼まれたり、お仲間の皆さんとお料理を作られたりなど、きっと色々お忙しいでしょうね。これからも楽しく充実した毎日を過ごされてください♪

 

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まつり高原2018

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85日、高原町総合運動公園にて「まつり高原2018」が開催されました。
台風接近などもあり薄曇りの気になる空模様でしたが、不思議と雨に見舞われることもなく催されました。今年で第50回目の節目だということで更なる盛り上がりを見せたお祭りは、沢山の来場者で賑わっていましたよ~^^
 
お祭りスタートと同時に、会場ステージで次々とプログラムが進行されます。
町内の園児達の踊りや太鼓、キッズダンスやフラダンス…皆さんイキイキとした姿を見せてくれました。

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ステージを観たり、会場をぐるりと囲む沢山の屋台をねり歩き、美味しいものを飲んだり食べたりしているうちに、あっという間にフィナーレの花火の時間です。
鮮やかで美しい花火に、音楽とレーザー演出も加わり会場を更に盛り上げていました。
 
今回初めて高原町のお祭りに参加させてもらいましたが、地域の人達皆で作り上げられている…ということを改めて実感しました。本当に、沢山の人達の協力がないと成しえないことですよね。高原町商工会青年部の皆さんはじめ、関係者・ボランティアの方々など…皆さま本当にお疲れ様でした。高原町の人とのつながり、熱い想いを感じる素晴らしいお祭りでした。

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えがおリレーvo.1 松尾 美智子さん

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たかはるで日々暮らしをいとなむ人々。
その人生やありのままの姿をリレー形式で伝えていきます。
 
トップバッターは「レモン」というスナックの店主、松尾美智子さん。
町の中心部、お酒の呑めるお店が並ぶ場所で30年近く営業されています。
噂によると、誰でも一律2000円(※ビールは別)だとか。太っ腹!
店内もレトロで可愛らしい雰囲気です。

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「今は昼間のお仕事が忙しくてね…」と頂いた名刺の裏には様々な肩書がズラリ~!
 
美智子ママ:忙しくてお店を開けられないこともあるから、休んでいる場合じゃないのよね。けど家にいるよりココにいるほうが楽しい。家にいるとナンヤカンヤ思いついて休めない。
 
―分かります。家に居ると色々気になっちゃって休めないですよね(笑)
 
美智子ママ:でしょ、だからお店にきてね…。誰か来てくださるとうれしいじゃん、ね。楽しいのよここの方が。だからついつい笑顔になってしまうのよ。
笑顔っていってもね、当たり前のこと。
なんで笑顔にならなくちゃいけないのよ、じゃなくてね。
 
 失礼ですが…とご年齢を聞くと「75よ」とニッコリ。
「こないだ敬老会のお誘いも来たんだけどね…ごめんね~って断ったのよ」
…なんだかカッコいい。
 
美智子ママ:忙しいから元気なんだと思うよ。
最近は物忘れも増えてきたけどね~。お店へ上がる階段が、リハビリ(笑)
荷物をもって上がるのもフウフウいいながらね、大変よ~。
今は私一人でしょ、だから最近はお客さんが「ここに水と氷持ってきて~」って
手伝ってくれるの。お店の人じゃない、お客さんが勝手にやってくれるの。
高原の若い人はお年寄りをかわいがってくれるのよね~(笑)
本当にみんなが助けてくれるから…ありがたい。
歳だからといってひがみ根性でなく、甘えるのもいいなと思って。
 
―うん、本当に沢山甘えて下さいね、頼られるほうも嬉しいんだから。
お店の「レモン」ていう名前の由来は…? 

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美智子ママ:レモンっていう名前は、ドイツで「神様にお供えする品物」っていう意味があるの。あぁ、これだ!と思ってね。
これまで本当に、お客さんにお店を可愛がってもらってきた。
3人の子を育ててこれたのも、ああいうバブルの時代だったからこそかな。
だから言ってたの。「あんたたちはお母さんが学校にやったんじゃないからね。
お客さんが行かせてくれたんだから、感謝しやいよ」って。
子供達も大人になってね、帰ってきたらお店に来てお客さんに「いつもお世話になっています、僕たちもお世話になりました」って言うよ。
 
今までね、すごく辛い時期も幾度かあったのよ。
それで苦労がしっかり身についているもんだから、
人にはいいようにしてあげようって。
困った人は助けてあげにゃいかんって。
それがもう、本当にひしひしと自分で分かる。
 
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岡山出身の美智子さんは、以前観光ガイドの仕事や、選挙候補者の応援演説などをされていたそう。その経験があるから、今も自信をもってお店を続けることが出来ている…と話します。
 
美智子ママ:あと10年はお店を続けたい。
出来るところまで頑張ってみようと思ってるからね。
自分だけで頑張ると言っても、お客さんから可愛がってもらえないと
何にもならないから。お客さんにまず感謝。本当にありがたい。
もう本当に、ここに来るのが楽しみなの。
お客さんもね「ばばぁ、肩こっとるど!」ってマッサージしてくれたりね、
優しいのよ。お客さんが「ママは優しいがねー」て言うと、
「うん私優しいの、お客さんに合わせてあるの」って(笑)
 
高原町は大好き。もうここの町が大好きだから、どこも行きたくない。
高原の人は優しいし、怒る時は怒ってくれるし、いい人よ。皆大好き。
ここが好きだからもうどこにも行かない、ここに骨うずめるの。よろしくね(笑)

 

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 美智子さん、ありがとうございました。
 
最初お店へ入りまず目に入ったのは、年季の入ったワイン色のカウンターに
敷かれた、レモン印の手作りキルトマット。
美智子ママの愛情がどこかしこに感じられる店内にいると
自然と心がほどけてきます。
笑顔がステキなのはもちろんですが、初対面にも関わらず気さくに接してくださる
温かい雰囲気…そこはさすが、地元の人達に長年愛されてきたママ!といった感じでした。
 
さて次の方は、美智子ママ一押しの若奥さんをご紹介します。「本当に可愛らしい人なのよ~、是非会ってみて!」と、すぐ連絡して下さり…「ママはお母さんみたいな方だから断れません~」と快諾してくれました。次回もどうぞお楽しみに~!
 
 

高原町中央公民館図書室

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高原町の中央公民館内にある図書室のこと、ご存知でしょうか?
平成28年度に図書や配置などが見直され、こどもの図書室など程よい冊数で温かみのある雰囲気となっています。
 

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新刊のお知らせなどは道路わきにある掲示板で…手作り感がいいですね。

 

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公民館の玄関口から中へ入ってすぐ左側にある部屋が「としょしつ」
日当たりの良い室内には絵本、児童書などが置いてあります。
畳に机が置いてあるので、育児中のお母さん方など…お子さん連れで気軽に絵本を選んであげられます。
 

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手作りで飾り付けられた室内。棚には「小学生が作ってくれたんですよ~」という折り紙の可愛いオブジェ。何だかほっこりしますね。
 

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「としょしつ」を出て奥に進むと、大人向けの「図書室」があります。
程よく分類された室内にはテーブルなどが置いてあり、夏休み中の子供たちの勉強スペースになったりも…。
 

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こちらは宮崎県立図書館が選書した「やまびこ文庫」のコーナー。
4回ほど入れ替わりがあるので、毎回楽しみにしていらっしゃる方もおられるようです。その他、最近は利用者の要望に応えて漫画本のコーナーも充実!
人気のマンガや名作(特に手塚治虫が充実)が揃っていますよ。
 

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こちらは今回実際に借りた本です。
子供の絵本と、合間にちょっと読めるような書籍を…。
絵本も名作がおさえてあったりして、室内も居心地が良いので
子供連れでも、用事ついでにちょこっと立ち寄るのにいいな~と思いました。
 

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こちらは職員の末山さん。「ぜひご利用ください~♪」
 
貸し出しは一度に5冊、貸出期間は2週間です。
初めてのご利用の方でも貸出カードはすぐ作れます。
利用者からの本のリクエストにも、出来る限りは答えてもらえるそうですよ。
 
高原町 中央公民館図書室】
■開館時間
平日8001700 休日10001600
■閉館日
祝祭日・町の行事時など

岩佐製茶

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高原町西麓の道路沿いにある民家で、お茶の栽培・製造をする「岩佐製茶」が営まれています。行ってみると…ここかな?という位に一見普通の民家なのですが、中へ入ってみると茶畑や工場などがあります。普通に無意識でいると…ここにお茶屋さんがあるとは気づきにくい場所です。
ではなぜ知ったのかというと、岩佐製茶さんの発信するインスタグラムがきっかけでした。
その発信者である祐子さんは、経営者である父・政弘さんの娘さんです。
 
普段は実家を離れ都城でご家族と共に生活しておられますが、インスタやfacebookの情報発信の他、イベント出店や、カフェに商品を置いてもらったりなど…楽しんで活動しておられるそう。「広報担当です」と明るい笑顔で話す祐子さん。
お茶づくりはご両親、3代目のお兄さんが主に作業されています。
 

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工場内の様子。年季の入った機械の佇まいが、何ともかっこよい。
 
 祐子さん:お茶工場には幼い頃の思い出が沢山詰まっているんです。
ここで遊んだり、夜寂しくなって工場へ行って宿題したり…
行けば必ず誰かがいました。
昔は粉茶のグリーンティとがあって、あれはほんのり甘くて美味しかったなぁ~
と今になって思い出したり。常にお茶が当たり前にあったので、スーパーへ行っ
て緑茶のペットボトルを箱買いする人達をみて不思議でした。
家のお茶、家で淹れるお茶のほうが美味しいのに…って。
お茶も県外から注文があり送ったりしていたのに、身近なとこにはどこも置いて
いない。なので、パックのデザインも可愛くして若い人向けに作ったらいいんじ
ゃないか…と。お茶の美味しさには自信があるだろうと、パッケージだけ変えて
みたら、評判も良くて。
 

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こちらがその商品。たかはる軽トラ市でコースターとセットで出したら完売したそうです♪
 
ーここはいつからお茶づくりをされているんですか?
 
政弘さん:昭和47年僕の親父の代から、ここらでお茶の定植が始まったの。
僕自身が30歳位から関わり始めたかな。その頃はお茶が良く売れて一番いい時期だった。景気が良くなったからと、皆機械の更新やらし始めて…しなきゃいいのにね(笑)
そしたらお茶のペットボトル販売が始まった。お茶というのは5~8月に出来るんですが、寒い冬にもお茶が売れ出す…。これは年中お茶が売れるぞ!と、また皆機械買ったり投資したり…。ただ、今度はペットボトルが売れ出して、消費者が急須のお茶を飲まなくなった。それで冬の茶葉がガクーンと売れなくなって…。一時期は大打撃でした。
今は割と落ち着きましたがね、まぁお茶を飲まないような時代は来ないだろうし…。
 
ーそうですね、私もお茶はずっと飲むと思います。
日頃お茶仕事をしていて、好きな瞬間とかありますか?
 
政弘さん:え?…仕事はよだきいなぁ~って(一同 笑)
祐子さん:なんかお兄ちゃんが言ってたよね、仕事が終わって電気を消した時の静けさが好き、とか(笑)
政弘さん:あぁ、そういうのならあるよ!一番茶は一斉に茶葉が出るんですよ、だから一気に摘みこんでいく。すると一日にどれだけ加工できるかなんですよ。夜に蒸気で蒸しあがるのが夜の9時位に一段落し、それが製品として上がってくるのが夜中の2時位。
それが終って、電気を消して、シーンとなる。あぁ終わったってほっとする瞬間…
ていうのが息子の話ね。
私は茶摘み担当だから、全部摘み終わって夕方にビールをぐいっとやる時かな(笑)
 

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夏休み中のお孫さん達がいて和やかな雰囲気の中…ご自宅でお話を伺いました。
 
ーいいですね~。私はお茶の事に詳しくないのですが、今はどういう時期ですか?
やっぱり一番茶が美味しいものなんでしょうか?
 
政弘さん:今は一番、二番茶、三番茶が摘み終り…一年間のお茶が全部終わったところ。お茶は夏場に作業するので、これからは野菜づくりで生計を立てていくわけです。
 
やっぱり一番茶が一番おいしいよ。お茶摘みを終えた4番目のお茶を、病気や虫やらから守りながら、来年の為に大事に育てていく。そこから7カ月間かけて茶木を回復させた後の、一番目に摘まれるお茶だから、栄養たっぷりで美味しいんですよ。芽が出ちゃ摘まれ、葉がでりぁ摘まれ、それでも茶の木に花が咲く…とね(笑)
 
消費者の皆さんに、お茶の美味しい飲み方を知ってほしいです。
夏だったらコップにティーパック入れて濃ゆーく出して氷入れて飲む…とか。
 
浩太郎さん(娘さんの夫):一度飲んでみて下さい。俺も全然お茶を知らない人だったけれど、飲んでから他のお茶が飲めないというか…味を知るようになりました。
 
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祐子さん:「お父さん…それ、はし!?」  政弘さん:「素手よりいいじゃろー!()
 

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実際に濃ゆーく水出しした緑茶を作って頂きました。もちろん…美味しい!
 

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岩佐家の皆さん、ありがとうございました!
 
取材に伺う前、岩佐製茶さんのfacebookにあるモノクロの家族写真を見ていました。それがいい雰囲気で…。実際に行ってみると、なんだか本当に想像通り!
大人達が賑やかに話す中、日焼けした子供達がおのおの遊んでいる…そんな日常風景。仲の良い家族の笑顔を見ていると、それだけでもお茶が美味しそうに感じます。「どんな形でもいいから知ってほしい」という祐子さんも、きっとご家族が大好きで、お家で作られているお茶が美味しいと、心から思っていて…。
だからこそ皆に伝えたいし、知ってほしいんだろうなぁ。
とってもシンプルで真っすぐな気持ちに、こちらまで心が晴れ晴れしてくるようでした。
 

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ハタイ自然療法センター

 

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南狭野地区にある施設「たかはるヒト×コト交流センター」内に、ハタイ自然療法センターがOPENしました。立上げ人の幸田麻紀さんは、元々関東でアーユルヴェーダの治療に関わる仕事をされていましたが、様々な縁がつながり7年前に宮崎の地へ移住。
現在は西都市で「アーユルケアはうすモークシャ」を営業されながら、新たな移住先の高原町で滞在型リラクゼーション施設をつくりたい…!と志を抱かれ、様々な活動をされているとてもエネルギッシュな方です。
アーユルヴェーダ自体、世に広く認知されている訳ではないので、それってなに?どんなことをするの?という方も多いと思います。
アーユルヴェーダとは、5000年前から続くインド伝承の医学です。(世界最古!)
“生きるための知恵”という意味があり、様々な症状に合わせてマッサージなどの治療が施されます。《人には3つの要素(ヴァータ・ピッタ・カパ)が備わっており、そのバランスが崩れると病気になる。そのバランスを取ることで健康を保つ》という根本理論に基づき、症状に合わせた施術が行われます。
今回、まずは実体験を…ということで、メニューの一つである「シロダーラ」を受ける様子を拝見させて頂きました。
 
まずは問診票。生活習慣などの問いに対して記入し、ヘッドマッサージを受けます。
その後用意されたバスローブに着替え横になり、額に向けてオイルを垂らします。
頭から下に、手でオイルを流す感じで、繰り返し繰り返し、垂らし続けます…
見るからに心地よさそう~!
 

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《シロダーラ》オイルを額に垂らし続けて、ストレスや不安を取り除きます。

 
シロダーラ後はゆっくりお風呂に入れます。
部屋に戻ってくると、すっきりした表情の当人さん。
顔色が施術前と明らかに違います。
“意識がどっか行ってた” …そうでしょう、イビキをかいてらっしゃいました(笑)
 
幸田さん:頭が軽くなって、(肌色が)白くなるんですよ。半瞑想状態が一番いいんです。
夢かな~起きてるかな~みたいな。今日は良く眠れますよ。
ストレスにもすごくいいんですよ、シロダーラは。ストレス疾患、うつ、精神疾患摂食障害とか…血圧などにも効果があります。
 
―そうなんですね、見るからに心地よさそうで…私もやりたかったです(笑)幸田さんが、最初アーユルヴェーダを学ぶことになったキッカケって何だったんでしょうか?
 
幸田さん:最初は…というか、子供のころから遺跡が好きだったんですよ。
カンボジアアンコールワットとかね、本当に好きで。小学生の時はお地蔵さんが好き、とか図鑑だったら遺跡のページばーっかり見てたりとか…
変わった子だったんです(笑) 東洋の古い建物が好きだった。
でもなんかね~、そっちに行こうとしたら壁にあたるの、大学受験とかもね…。
 

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そんな中、病院でアレルギー体質だと診断を受けた幸田さん。
副鼻腔炎になり、すごく痛い鼻洗浄や、抗生物質の服用でお腹を壊したり…
こういう治療は合わないなと気づきます。
大学の授業で漢方が身近にあったことで東洋医学を独学で勉強し、そこからアーユルヴェーダの魅力にはまってからは猛勉強!関東で統合医療を行うハタイクリニックで研修ののちに、8年半そこで働きながら経験を積みます。そして20代の頃から「移住するなら南へ」との想いがあった幸田さんは、恩師がお亡くなりになる前に“移住してアーユルヴェーダを広めます”と伝えたそうです。
 
幸田さん:アーユルヴェーダに行きつくまでは壁に当たることが多かったけれど、アーユルヴェーダに関わってきたら、どんどん縁ができたり物事が繋がってきてるんです。ポンポン決まって、流れに乗って行ける感覚があったので、これが使命なんだろうなと思って。遺跡の研究は今世ではやるべきことじゃないんだろうなと。
…ずっと好きなんだけどね(笑)
 
無いものを作るのが得意なんです。
よく「獣道を作る人」って言われるんだけど(笑)
7年前に来たときは宮崎にアーユルヴェーダは全くなかったんですよ。
地道に広げてきて…まだまだなんですけどね。
でも楽しんでやってるから、楽しそうに見えるみたいで、どんどん人が集まってきてくれる。インドの講座なんかを企画したら、珍しいのでけっこう人が来たりしてね。
 
―“楽しさ”に人は惹き寄せられるんですね。高原町アーユルヴェーダって…
ぴったりという感じがします。
 
幸田さん:高原町の自然環境と、アーユルヴェーダはすごくマッチします。アーユルヴェーダの町にします!ってクラウドファンディングでも言い放ってきました()
そしたら美容室でもヘナを導入することになったりしてね。
自然療法の町にしたいなって。
 
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下手に都会のマネをする必要はなくて。
地元にいる人たちは都会的なものが欲しいかもしれないけれど、
よそから人を入れるんだったら、このままの良さを残さないと意味がない。
これを崩してまで新しいものを作る必要はないと思うんです。
(ここの施設を)外の人がどんどん来る、そういう魅力のある場所にしたいなと思っていて。そうして人が来れば、地元の人も「あそこ人が来るね、なんだろう」って興味を持ってくれる…そうやって地元の人も来てくれたらいいし。こういう施設、全国的にも少ないんです。それを高原町につくる。大変だけどね、前例がないってことで…(笑)
 
どうしても日本の医療が現代医学一辺倒なんですよ。
ヨーロッパとかは自然療法をお医者さんがちゃんとやるんですよ。
ハーブとかを薬でちゃんと出すんです。
そこからまた更に選択肢が広がってくるんですけど…日本にはまだそれが無いから。現代医学の治療しかないんです。けれどそれが合わない人もいるので。
そうじゃない治療方法を求めている人たちが来てくれるような場所になればいいなと思っています。
 
―オイルマッサージなどからリラクゼーションのイメージを持たれがちだと思うのですが、治療として、医療としてもっと皆に知ってもらいたいですね。
具体的にはどんな症状の患者さんが来院されていますか?
 
幸田さん:アトピーの人、パーキンソン病、うつとか精神疾患の人も多いです。
膠原病、リウマチの人も…リウマチは骨が変形して破壊され、その部分が腫れて痛む病気です。東京にいた頃自宅へ通いマッサージしていた方がいたんだけど、3年目には炎症数値がゼロになっていたんですよ。
あとは不妊治療にも…実際に妊娠した人が数人います。オイルマッサージなどで身体のバランスが整ってくると、身体、子宮が温まり妊娠しやすくなるんです。
 
―すごいですね、是非皆さんに試してみて欲しいです。さっきからのお話を伺っていると、幸田さんはずっと想いを持ち続けて、現実に形にしていってるんですね。
 
幸田さん:それは確かにありますよ。ずっと思い続けていることと、
それを口に出すこと。すると形になっていくんです。
心の中で想っていても誰にも伝わらないから、止めちゃってても誰にもわからないけれど、それをずーっと言い続けていると形になっていくんです。
いい続けて、やり続ける…(笑)しかないです。
 

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 幸田さん、ありがとうございました。
 
 “このままの良さを残さないと意味がない”という言葉、本当にそうだと思います。
この地の何色にも染まっていない感じ…その余白に漂う自由が心地いい。
高原へ移住されてきた時、やっぱり山に惹かれましたか?と聞くと「あの山は神様がいます」という幸田さん。
実は、一緒に移住してきたパートナーの方がとても敏感な方だそうで、宮崎に来てからまずはキャンピングカーに乗り、全部見て回ったそう。それで「ここの山には神様がいる。本州にこんな山は無い、絶対いい!」と言って、幸田さんより先に霧島の山中の小屋を見つけて住み始めてしまったそうです。
その後、幸田さんご本人も高原の地で新居との縁があり…
「だってネコ10匹以上飼っていて、貸してくれる家なんてないでしょ?」と笑います。自然に生きていると、おのずと道が開けてくるんですね。
 
きっかけは遺跡から始まり、そこから紆余曲折しながらも行き着いたアーユルヴェーダ。そこから繋がっていく縁に身を任せながらも信念はしっかりと曲げず、また新たに高原の地を拠点にしながら、アーユルヴェーダの教えを広めていきたいと精力的に活動しておられます。一見とてもアグレッシブな方ですが、お会いすると“自然体”という言葉がしっくりくる雰囲気の素敵な方。いつもゆったりとした口調で、風通しの良い笑顔を見せてくれます。きっとこれからも沢山の方々が幸田さんを通じて、本当の意味での健康を体感していくんだろうなぁ…。
そう思うだけで、私も嬉しくなりました。
 

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甲子園食堂

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地元の人に長く愛されてきた甲子園食堂は、ボリューム満点の美味しい定食屋さん。
そこに名物おばあちゃんがいるということで、お昼時におなかを空かせていざ食堂へ…
お店に到着し店内へ入ると、いい感じのアットホーム感。
意外と広い奥行に視線を移すと個室があり、たくさんの靴が並んでいます。
厨房の様子は見えませんが、中で静かに忙しく働かれている様子が伝わってきます。
 お忙しい所すみませんが…ちょっとお声かけして、お店の人気メニューだというから揚げ定食を注文しました。
 

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そこまで待たされることなく運ばれてきたのがこちら。
THE・定食という感じで、とっても美味しそうです。
結構なボリュームで、お客さんに働き盛りの男性陣が多いのもうなずけます。
いただきます~、とおばあちゃんの手が空くまでしばしランチタイム。
 
「さて、なんの話しよかね」
こちらが食べ終えるころに厨房の仕事が落ち着き、よいしょっと向かいに腰かけて
くれたおばあちゃん。
 

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お名前は神田佐喜子さん。なんと今年で95歳!
50年前からこのお店をずっと続けておられるそうです。
今は娘さんと、その息子さんのお嫁さんの3人でお店を切り盛りされていて
もちろん、サキコさんも現役で厨房へ立ちます。
「まだ料理は間違ったことないからね!」としっかりした口調で話すサキコさん。
朝8時頃からお店へ出向き、宴会があると夜10時頃まで立ち仕事…すごいですね。
お元気そのもの、ご立派です…!
 
サキコさん:眼鏡も掛けずに暇さえあれば新聞を読んでるよ。
朝仕事の前に一度目を通しておいて、小さい記事は合間に読んでる。
仕事が好きだからね。昔…最初は呉服屋だったんですよ。
昔は駅前で交換会といって日本中の卸しやが集まって買いに来てね。
けれどそのうち呉服屋もね…、なんもかも変わってきているからね。
そのころから若い人達が(食堂する前から)うちでご飯食べたりしよったから
これはもってこいだって、そこからお店を始めた。
 
―そうでしたか…。さっき頂いた定食もすごく美味しくて。
梅干しも手作りでしょ?全部美味しい。
 
サキコさん:料理はまごごろじゃと言うてね。
私は、料理には真心がこもってないと、よか料理は出来ないといってね。
考え事とかイライラしてたりしてたら、やっぱり料理に響くでね。
人の命に関わる商売だからね、間違ったことをしたらそれこそ大変だから。
 
昔下宿をしていた時の子供さん達がいてね。40年近く経った今でも、盆と正月には必ず贈り物をくれる人がいるの。その子供の親がね、毎年欠かさず送ってくれる。
その子は当時、宮崎から高原町役場に3ヶ月だけ研修にきた人でね、
ごはんだけはここで食べて、寝泊まりは駅前の山本っていう食堂でしていた。
その子は今多分長崎にいるのかな、この前ひょっこり来てよ。
その息子は知らんとよ、お母さんが贈り物をくれていることを。
ただ当時、自分の親に「おばちゃんが丁寧にしてくれる…」って話はよくしていたみたい。子供の恩を、ずっと親が返してくれている。今年も送ってくれたよ。
 
 “3ヶ月間の恩。それを40年以上ずっと、その子の親御さんが返している
 
その話を聞いて、はーっと言葉が出ません。なんと深い感謝でしょうか。
そんな中、お昼を食べ終ったお客さん達がぞろぞろとレジへ…
 
 
客:ごちそうさまでした~!
あ、昨日の分払っちょらん、合わせて1250円ね!
サキコさん:はい、ありがとね。熱射病にかからんごね~
客:うん?熱射病ね(笑) ここでよかもん食べてかんばるわ!
 
(お客さんが引いた後に…)
サキコさん:遠慮がないからね。お金持ってきちょらん!ていえば
よかっちゃが~てね。
 
 
サキコさんが幾度か口にする「遠慮がないからね…」というのが何故か心にかかります。ふっと感じる懐かしいにおいのような…体温を感じる言葉だなぁ~。
ここに居ると、そんな温かい気配がどことなく漂います。
いい感じにゆるんだお店の雰囲気に、サキコさんとの会話や、
そこで交わされるお客さんの声、真心のこもった美味しいごはん。
何気ないことのようだけれど、大切なことに気づかされる…
やさしい時間を過ごさせてもらいました。
 

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「まぁ年々人は減って来てるけど、その間仕事が出来るってだけでも幸せだと
思って…」と、サキコさんに目をやりながら話す娘さん。
そうですね、サキコさんが元気でいるだけで、周りも元気になるし、笑顔になれる。
それだけで充分しあわせというものですね。

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